prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「提報者~ES細胞捏造事件~」

2016年05月19日 | 映画
冒頭に「事実をもとにしたフィクション」と出るように人物の名前を変えているのをはじめとしてかなりわかりやすく脚色していると思える。

ドラマとするととにかく捏造が事実であることが明らかになってから見直すわけだから、ゴールがはっきりしているわけではらはらしながらもどこか安心して見ていられるところがあるのは「大統領の陰謀」のようなアメリカ製のジャーナリズムの勝利ものに近い。
日本のSTAP細胞騒動だとこういうすっきりしたドラマにはならないだろう。

相手が単なる一学者でなく国策を一手に預かる国家的科学英雄なわけで、政治的圧力のかけ方も堂に入ったもの。
ちなみにこの捏造事件で失脚した黄禹錫(ファン・ウソク)はリビアやロシアや中国などを転々としているらしい。

この事件で特徴的なのは一般国民がテレビに直接デモをかけたりして圧力をかけたことで、局を取り囲んだデモ隊を見た報道番組のプロデューサーが「俺は初めて大衆が怖くなった」と呟くシーンで、「初めてかい」とツッコミを入れたくなった。
フジテレビに反韓流デモが押し掛けたなんてことがあったけれど、メディアに大衆がむしろ体制側に近いような立場から直接圧力をかけるということは世界的に増えてきたのかなとも思う。







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