prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
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「の・ようなもの のようなもの」

2016年01月28日 | 映画
若手落語家を主人公にする、というのが「の、ようなもの」が公開された1981年にはある程度ふるぶるしいものと若者との組み合わせの妙、がひとつの狙いと思うけれど、今では落語家が古典芸能という枠だけにはまらずタレントのひとつとして普通に通用している。その分、逆に落語家としての出世にはより無関心になっているみたい。

前作で主人公だった志ん魚(伊藤克信)を探すプロットというのがメインになっているのは偶然だろうけれど「スター・ウォーズ」の最新作と似ている。世界的にオリジナルなコンセプトの映画が出没した時期だったのかもしれない。それを今になって受け継いで再生産しているという図で、今はとりあえず再生産の仕方にオリジナリティを見せる時期なのだろう。

余談になるけれど、「の。ようなもの」が公開された時の入場料は995円だったと記憶する。千円札でお釣りが五円=ご縁という洒落。
なお、東急名画座で公開された時の後番組がタルコフスキーの「ストーカー」。

暖簾がちょっと折れているのを直したり、北川景子が登場する時必ずどたどたっという足音がしてから扉を開けて入ってくる、などディテールの凝り方が森田芳光調であると同時にちゃんとこなれている。東京の風景の切り取り方、鉄道趣味なども再現している。

鈴木京香や仲村トオルなど森田作品の出演経験者がカメオ出演しているお楽しみ。
ただ志ん魚が高座に上がるのに晴れ舞台なのだし、ヒゲくらい剃ったらどうかとは思った。
(☆☆☆★)



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映画『の・ようなもの のようなもの』 - シネマトゥデイ


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