prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「それだけが、僕の世界」

2019年01月17日 | 映画
発達障害で通常の社会生活は送れないが耳で聞いただけのピアノ曲を誰にも教わらないで再現できる弟と、暴力をふるう父のせいで母が出ていき中学を出てから一人で生きてきた兄。母がもっぱら弟だけに愛情を注いでいるような不公平を感じて兄が拗ねる図というのは、長幼は逆だが「エデンの東」あたりにも通じる。
ベタなのを恐れないベタぶりで、クライマックスで演奏されるのがチャイコフスキーのピアノ協奏曲というのも、ど直球。

イ・ビョンホンがむさい髭を生やしてビラ配りで小遣い稼ぎをしている冴えない顔を見せ、格闘技のシーンでもプロとしてやってきたであろう鍛えたところは見せる一方で抑えが効かず暴走してしまう未熟さもきっちり見せる。
弟役のパク・ジョンミンが表情は緩いまま手先は驚くべき器用さでピアノの盤面を走り回るのを見せるなりきりぶり。

金持ちとそうでない者たちとの生活の贅沢さとのコントラストをきっちり見せ、かといって一面的に金持ちを悪く描いていない。

とにかく救いがたく最低なのは家族に暴力をふるっていた今は刑務所にいる父親で、このクズをビョンホンが罵倒するあたりが、愛情物語の面とは別にぐっとくる。

「それだけが、僕の世界」 - 公式ホームページ

「それだけが、僕の世界」 - 映画.com

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