prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ヴェノム」

2018年11月17日 | 映画
前半、トム・ハーディのジャーナリストが人体実験をしているらしい巨大企業を強引に取材しようとして圧力をかけられてクビになり、のみならず恋人までクビになって別れる羽目になって、すっかり落ちぶれる。

で、その企業がやっている研究というのが宇宙から来た謎のアメーバ状の生物と人間とを合体させ、人間を宇宙でも生きられるようにするというマッド・サイエンティスト的なもの。
研究所に潜り込んだトムが実験台になっていたかねて知り合いのホームレスの女性からその生き物を寄生させられてヴェノムになるという次第。

生き物は宿主から宿主に移り、体質が合わないと宿主を殺してしまったりする一方でトムのようにうまく合体するとすごいパワーを発揮して大暴れするわけだが、一方で寄生したヴェノムとトムとの体と意識がくっついたり離れたりする、出来の悪い二人羽織というか「ど根性ガエル」みたいな状態になるのが笑わせる。
サンフランシスコの坂を生かした昔の「ブリット」の残響が響くもの凄いカーチェイスあたりまでは快調。

企業つきの女性科学者ジェニー・スレートが美人でちょっと気になったのだが、トムを研究所に手引きする重要な役なのにあまり説得力のない心変わりをしてあっさり退場するあたりから建てつけが悪くなる。

フィリピンに落ちて勝手に逃げたヴェノムの仲間(ライオットRiotというらしい)が宿主を変えながらアメリカに来るもう一つの筋がほとんど忘れてしまうくらい描きこみが薄くて、最終的にライオットはトムに圧力をかけてクビにした敵役の企業トップのリズ・アーメッドとつるむわけだが、トムにとりついたヴェノムが彼らの世界ではトム同様の落ちこぼれなのに対して、リズにとりついたライオットはあちらの世界のエリートらしき存在で、落ちこぼれチームvsエリートチームという図になるまでが駆け足すぎてぴしっとキャラクターの配置が決まらない。
それに寄生されるとリズがエリートらしくなくなるし、敵役としての芯がぶれてしまう。

何より、ヴェノムとライオットの見かけがほとんど変わらないので、最後の大々的な対決がどっちがどっちだかわかりにくいのが困る。

リズ・アーメッド(こういう記事を見かけた)は色が浅黒いのでインド系かなと思ってみていたが、父母の代にパキスタンからイギリスに渡ってきてオックスフォード大学を卒業している。それにしても、インド人は理数系に強いというイメージからきているキャスティングだろうか。
製作に中国系のテンセントが入っているせいか東洋人のキャストが多いような気がする。

つい先日スタン・リーが亡くなったので、恒例の特別出演シーンが粛然とした感じになった。

それにしても、毎度の事ながらエンドタイトルの後に映像がありますとわざわざ初めに字幕で断っているのだけれど、この手のCGばりばりの大作の常でタイトルがバカ長い上にその予告編的映像がまたかなり長い、しかもマーベル作品に疎い人間にはどういう意味なのかよくわからないのに正直かなりうんざりした。

「ヴェノム」 公式ホームページ

「ヴェノム」 - 映画.com

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