prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ズールー戦争 野望の大陸」

2015年06月22日 | 映画
ダグラス・ヒコックス監督、バート・ランカスター、ピーター・オトゥール、サイモン・ウォード、ボズ・ホスキンズ、デンホルム・エリオット主演といったかなりの豪華キャストなのだが、日本では劇場未公開に終わった1979年作。

サイ・エンドフィールド監督、マイケル・ケイン主演の「ズール戦争」(1963)と間違えて見たのだが、同じ戦争の前半イサンドルワナの戦いを描いたのがこれ。
アフリカのズールー族の大群に対してイギリスが大敗する戦いで、その後ケイン版で描かれるロルクズ・ドリフトの戦いで修道院に立て籠もったイギリス軍がズールーの大群を撃退し(よくアラモの戦いと並べられる)、最終的にはイギリスが勝つのだが、ここではイギリス軍は相手をなめきってボロ負けを喫して終わることになり、かなりざまあみろという気分で見ることになる。サイ・エンドフィールドは脚本に参加していて、前作では描ききれなかった前段階を描いたということになるのだろう。

植民地支配の傲慢さとバカさ加減を1968年の「遥かなる戦場」ほどではないけれど相当徹底して描いている。植民地支配に対する反省といった気運が常識化してきた時期ということになるだろうか。

アイリッシュの代名詞といっていいピーター・オトゥールがアイルランド人をバカにするセリフを言うのが皮肉。

なんといっても六万人と言われるズールーの大群が圧巻で、イギリスの赤い軍服の隊列や白いテント、ズールーの褐色、そして随所に現れるアフリカの朝日と夕陽といった色彩設計と映像美も見事。

火器で武装した英軍に対して、ズールーは槍と盾だけで向かっていくが、何しろ数が多いという描き方。ホスキンズが「弾丸はなくなるが、槍はなくならない」と言うのが効いている。今だとアフリカ現地人も武装しているからコワい。

エンド・タイトルを見ると第二班監督がピーター・マクドナルドとデヴィッド・トンブリン(マクドナルドは兼撮影)。マクドナルドは「ランボー・怒りのアフガン」で監督になるし、トンプリンはインディ・ジョーンズ・シリーズの製作に関わるといった具合に、この大がかりな撮影がいい経験になったということらしい。

やはりエンドタイトルでロケはアフリカとだけ表示されるのがいかにも雑。一口にアフリカっていうけど広いぞ。

ダグラス・ヒコックスとしては「スカイ・ライダース」(1976)に続く、キャリアで最大の大作になった。1988年に59歳で亡くなったが今はイギリスのインディー系の映画賞に名前を残している。


6月21日(日)のつぶやき

2015年06月22日 | Weblog

#父の日なんで好きな父親キャラ晒す 「遠い空の向こうに」の厳しくけれど愛情深い父親役のクリス・クーパー。絶品。 pic.twitter.com/2OQ5fQFlEn


#父の日なんで好きな父親キャラ晒す I never sang for my father 父メルビン・ダグラスをついに愛せない息子ジーン・ハックマンの厳しいドラマ。ダグラスの老いたるライオンといった貫禄がすごい。 pic.twitter.com/dT12LPJMti


#父の日なんで好きな父親キャラ晒す 「飢餓海峡」の弓坂刑事(伴淳三郎)。原作にはない家庭人としての顔を描きこんだ鈴木尚之(父親が田舎の警察署長)の脚色に原作者の水上勉が驚嘆し、自分が舞台用に脚色するのに取り入れた。 pic.twitter.com/6T0TRSWpUu


#父の日なんで好きな父親キャラ晒す 「父の祈りを」のピート・ポスルスウェイト。息子に連座して冤罪で投獄された父親があきらめずに無実を訴え続け、しょぼくれたオヤジに見えた父親が不屈の男であることがわかってくる。 pic.twitter.com/QrqJuO0ODI


#父の日なんで好きな父親キャラ晒す 「十二人の怒れる男」のリー・J・コッブ。反抗して家出した息子と陪審員として裁く少年とをごっちゃにして敵意をむき出しにしていたのが、最後に理非に従って折れる男の辛さの見事な表現。 pic.twitter.com/1EAOEVDcDk


「未来では仕事はみんな機械がやってくれるので人間は働かなくて済む」ではなく「仕事はみんな機械がやってくれるので働かなくて済む人間しか生き残れない」これが現在と未来予想のギャップの間にあるミッシングリンクだったんだろうね。

家畜人六号【小暮 宏】さんがリツイート | 161 RT

下村文科相が国立大学の文学部の廃止を通達した。文学は何の役に立つのか?と言う輩がいるが、経済学が日本の不況を救ったか?地学が東日本大震災を予知し人々を救ったか?科学が原発の爆発を予防したか?皆、役立たずなのである。役に立つかどうかで学問を判断するのは下品である。下品な文科相である

家畜人六号【小暮 宏】さんがリツイート | 1591 RT

yapoono6さんの脳内は「妄」15%「金」10%「嘘」20%「厨」10%「友」10%「繋」15%「人」15%「好」5% ポイント:250pt ランキング:63650位 twimaker.com/?ref=yapoono6 #twimaker


『ミツバチのささやき』の素晴らしい画を作った撮影監督ルイス・クアドラドは、この作品の撮影中から視覚を失い始め、ついには自殺してしまう。こんな残酷な話があるだろうか。何度でも見られるなどと思わずに、一度一度、瞼に焼き付けるつもりでないと罰が当たる。

家畜人六号【小暮 宏】さんがリツイート | 117 RT