主人公を滑稽本作者志願だからセリフが地口調で、狙いには違いないだろうけれど大泉洋の調子の良い演じっぷりにもかかわらずリズムに何か蓋をしているようでやや不自然。文語体が混ざっているからか。
満島ひかりの役柄はお妾さんなのだが、眉を剃ってお歯黒をつけている。お歯黒をつけると「心中天網島」の正妻おさん役の岩下志麻のようにいかな美女でも台無しになると思っていたが、ここでは美女はお歯黒をつけても美女という線に入っています。
正妻の戸田恵梨果がつけていないのでちょっとあれと思う。当時はお妾さんでもお歯黒はつけていたのでおかしくはないのだが、むしろ亭主に対する本気度に応じてつけるかどうか決めているのかもしれない。
原作(タイトルでは原案)の井上ひさしというとDVの人というイメージが拭えないわけで、暴力をふるう亭主をどう位置付けるのだろうと思ったら、さすがに復縁を迫る(それ自体は本気でもおよそあてにならない)のは認めていません。出版物をやたら厳しく取り締まる幕府の高官の扱いも、失脚するところを見せていない。そういうことをする奴が失脚すれば解決するという性格の問題ではないからだろう。
医者で文学者という造形は近代文学に通じる造形だろう。
「わが母の記」の山葵同様、山で薬草が育っている風景などの自然美、数々の寺や見事なセットの建築美が堪能できます。
(☆☆☆★★)
![](https://www.geocities.co.jp/Hollywood-Theater/1109/img3338.gif)
本ホームページ
公式ホームページ
駆込み女と駆出し男@ぴあ映画生活
映画『駆込み女と駆出し男』 - シネマトゥデイ
満島ひかりの役柄はお妾さんなのだが、眉を剃ってお歯黒をつけている。お歯黒をつけると「心中天網島」の正妻おさん役の岩下志麻のようにいかな美女でも台無しになると思っていたが、ここでは美女はお歯黒をつけても美女という線に入っています。
正妻の戸田恵梨果がつけていないのでちょっとあれと思う。当時はお妾さんでもお歯黒はつけていたのでおかしくはないのだが、むしろ亭主に対する本気度に応じてつけるかどうか決めているのかもしれない。
原作(タイトルでは原案)の井上ひさしというとDVの人というイメージが拭えないわけで、暴力をふるう亭主をどう位置付けるのだろうと思ったら、さすがに復縁を迫る(それ自体は本気でもおよそあてにならない)のは認めていません。出版物をやたら厳しく取り締まる幕府の高官の扱いも、失脚するところを見せていない。そういうことをする奴が失脚すれば解決するという性格の問題ではないからだろう。
医者で文学者という造形は近代文学に通じる造形だろう。
「わが母の記」の山葵同様、山で薬草が育っている風景などの自然美、数々の寺や見事なセットの建築美が堪能できます。
(☆☆☆★★)
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