prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「グランド・マスター」

2013年06月23日 | 映画
アート系監督がやや大衆よりの娯楽アクションに移行する先例としては「HERO」や「グリーン・ディスティニー」があるが、ウォン・カーウァイは相変わらずゲイジュツしてます。いや、これまでのだってゲイジュツ寄りでアクションを楽しめたわけではない。

やたらとスローモーションを多用したアクションのブツ切れ的モンタージュに美男美女のアップの切り返しと、美的に飾りたてたショットの連続で、乱暴な言い方をすると何をスカしているのかと思ってしまう。カンフーを見る楽しさとはおよそ別物だし、武術史を知る楽しみというのとも違う。拳法家が寄って立つ肉体も精神もすっぽ抜けているのだから。
まあ、チャン・ツィイーはじめ綺麗に撮れていることは撮れてますけど。

時代背景からして当然抗日戦争が出てくるのだが、元の字幕では「抗戦」になっている。中国を「侵略」したのは日本だけではないはずだが。
西暦1932年は民国21年と表記される。清朝が倒れて一応袁世凱による中華民国による暦です。メイン・タイトルでの人名表記は全部漢字。最近、中国系の映画見るといちいちそういうところが気になる。

どういうわけか、エンニオ・モリコーネの「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」や、梅林茂の「それから」の音楽が流れる。他の映画の音楽を使うというのは、「ジャンゴ」に自作が使われたモリコーネも批判していたけれど、余計なイメージがかぶさってしまうので感心しない。「ワンス…」の音楽はアヘン吸引のイメージとだぶることはだぶるけれど、それほどつっこんで描いているわけではない。
(☆☆★★★)

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6月22日(土)のつぶやき

2013年06月23日 | Weblog

上野の芸大美術館にて夏目漱石の美術世界展。 pic.twitter.com/W6yLZ1pkMh


混んでるのでびっくり。漱石の装丁を担当した橋口五葉が、樋口一葉に見えて困る。


上野公園に妙に集まっている、あるいは集められている集団あり。前に見たホームレス狩りに似てるけど、またやってるのか?