デビット・スーシェ演じる
『ポワロ』シリーズを
レンタルで45巻以上観てきたが、
かの『オリエント急行殺人事件』が
ないのが不思議に思っていた。
そして、仕方なく
映画版を借りて観たが、
2009年製作のスーシェ版が
満を持して放映された。
ストーリーも結末も知っていたが、
さすがにスーシェ版は重厚で、
その結末でのポワロの葛藤を
見事に描いており、
この作品がアガサ・クリスティの
名作である所以がよく解った。
映画版はオリエント急行や
それに乗る貴族やセレブたちの
華麗な一面を描いていたが、
スーシェ版ではむしろ地味な列車で
過剰な装飾はなされていなく、
背景よりもむしろ噺の方に
焦点を合わせていたのがさすがだった。
そして、クライマックスでの
ポワロを殺害しようとする
中佐と共犯の乗客たちの葛藤シーンは
迫力があり見応えがあった。
そして、すべてを呑みこんで、
ポワロ自身が判事の立場になり、
陪審員の役目を果たした12人に
無罪を宣告しながらも、
真実を重んじるという
自らの信念を曲げたことに苦悩する姿が
ラストの見事な演技で表現されていた。
やはり『オリエント急行』は
ポワロ・シリーズの白眉であった。
堺正昭調に
「星三っつ!!」
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