サムイズダート・ロシア

めざせロシア式菜園生活!ダーチャごっことロシア&北海道のお話あれこれ

興味と好奇心

2010-01-19 | ロシアコラム
「そうそう、こないだ借りた本返すわ」とロシア女性S先生。
お貸しした本というのは世界各国のインテリアの本。
「見たけどつまんないわね。ありきたりだわ。
こんなのどこにでもあるわよ」と例によって得意の酷評。
「あ!でも、内容に興味(интерес)はないけど
好奇心(любопытство)をもって拝見しました!ありがと!」

S先生はよくこういう言い方をする。
興味がなければ借りてまで見る気もしないと思うんだけど、
ロシア語では興味と好奇心は別物なのか。
興味のないことにも首をつっこむ好奇心をもつことが
幅広い視野をもつ知識人の証だということらしい。
うーん、なんか屁理屈っぽいけど。

「興味はないけど好奇心があるわ。ぜひ行きましょう!」
と東京ドームにタトゥーを見に行ったのは何年前だったか。
長々と続く前座のDJに辟易してS先生は爆発寸前、
おそらく会場内の最高齢者であったろう同行のUさんなど、
大音響のなかでバク睡。誘った手前、冷や冷やものであった。
それでもタトゥーが登場すると立ち上がって大はしゃぎ、
そこそこ楽しんで見ておられたのに、そういうのは
「興味をもって見ていた」とは言わないらしい。
「ウージャス!最低!ひどかったわね~!
でも、好奇心をもって見ました!」
うーん、いまいちトゲのあるエリートな表現だなー。
たとえ気に入らなかったとしても「それなりに面白かった」などと
とりあえず肯定的な表現に落とし込んで、
誘った相手を立てる術をもつ日本語はなんと謙虚であろうことか。

さてコンサートも無事終了すると、S先生いわく
「いい経験ができたわ。Uさん、チケットありがとう!」
え?いつUさんがチケット代おごることに??
立替えてただけなのに「いえいえ」としか言えないUさんであった。
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