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携帯電話と放射線

2012-02-06 | ロシアコラム
昨年、仕事の関係で放射能対策の情報を集めていたとき、
ロシア在住スタッフが送ってくれたのが、Youtubeの動画リスト。
現地で放映されたテレビの特番らしく、
「ラジアツィア(放射能)と暮らし」というタイトル。

早速見てみると、真っ先にとりあげられていたのは携帯電話。
携帯電話がいかに有害か、それに対しどう対処すべきか?
という流れで、放射線をシャットアウトする携帯ケースや
防弾チョッキみたいな子供用放射線防御服が紹介されていた。
ん? なんか期待した内容と違うんですけど。

番組では、ついで一般家庭に潜む危険を検証。
電子レンジやテレビをどこに置くべきか、
人のいる空間からどのくらい離すべきか?
などなどの話が続き、さらに電波塔など屋外での危険、
そして最後にようやく原子力発電所のお話が少々…。

ううむ、今の日本が欲する情報とはちょっとズレてる。
結局あまり参考にはならなかったのだが、
理系にうとい私には、ラジアツィアの定義がよくわからん。
NHK・BSのワールドニュースでも、同時通訳さんが
「携帯電話で被ばくする」という訳し方をしていたことがあって
我が耳を疑ったのだが、携帯電話から出る「電磁波」も放射線なの?
英語ではラディエーション、ロシア語ではラジアツィア、と
原発から出る放射線もいっしょくたに同じ言葉を使ってるけど
これ、何が同じで何が違うの??

そこで放射線の専門家の先生に疑問をぶつけてみました。

「どちらも放射線ですが、性質が違うんです。
一般に放射線と呼ばれているのは、正確には『電離放射線』です」

ますますわからん。が、この「電離性」という性質が、
DNAに損傷を与えるなどの悪さを引き起こすらしい。
(詳しくは『放射性物質を除く食事』綜合図書・参照)
一方、携帯電話から出る電磁波は、非電離放射線の一種とな。

「かといってまったく害がないわけではありません。
例えば電子レンジは、水の分子を振動させて熱を上げます。
同じように携帯電話も、脳の細胞内の水を振動させるんです」

ということは、乱暴にいえば、携帯を耳にあてるのは
電子レンジに頭をつっこんでいるようなもの??
ひゃー、携帯キライでよかった。

WHOが「携帯電話から出る電磁波には限定的ながら
発がん性の可能性がある」との見解を発表したのは、
東日本大震災の約2カ月後。それどころではなかった日本では
あまり大きく報道されませんでしたが、事は結構深刻。

・通話は控え、なるだけメールを使う
・ヘビーユーザーはイヤホンを使う
・子供の携帯電話の使用を控えさせる

などの対策が、各国では常識になりつつあるようで、
ロシアのテレビ番組の警告もそのひとつだったのだ。
それに比べると日本は、利用者もメーカーも危機意識が薄すぎ!