北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

田舎から都市への人口流動が問題だ

2018-05-12 23:54:39 | Weblog

 

 地方都市の舗装会社の社長さんが挨拶に来られて、話題が最近の若者の採用事情になりました。

 どの企業も若者の採用がままならないと悩んでいますが、そもそも若者人口が減っているのですから、厳しくなるのは当然です。

「それに、地方の高校も少なくなると、高校生活を地方の中核都市で過ごすようになります。そうなると就職の時に目が故郷だったはずの地方の町には向かないんですよ」

 今の若者は、学校を選ぶ段階で、地方市町村→地方中核都市→札幌→東京というように、次第により大きな都市で暮らすようになり、そこでより大きな都市の暮らしとその便利屋楽しさを覚えてしまうと、田舎には戻りにくくなってしまうのだと。

「以前、建設業の親を持つ子供は、建設業に入ってきやすいし、辞めないという話を聞いたことがありますが、そういうことは感じますか?」

 するとその社長さんは、「ありますね、それは感じます。ただ、先日も子供さんが大学の理工学部に行った建設会社社員の方にあったので、『子供さん、故郷に戻ってうちの会社にどう?』って訊いてみたんです」と言います。

「おお、どうでした?」
「それが答えは、『いやあ、うちの息子に期待しないでください。息子には息子の生活があるし、大きな町に就職してくれれば、いつか私もそちらに引っ越したいと思いますし』と言うんです。親自身が、息子に自分の住む田舎に戻ってきてもらおうとは思っていないのですから、これでは地方は人が減るばかりですね」

 
 こういう話を聞くと、人口が偏る原因は地方と大都市の"魅力の差"に行きついてしまいます。そしてポイントは、人口減少なのではなく、人口流動なのだと思います。

 大都市には、様々なお店があったり映画館や美術館など文化や楽しみがあり、それを日々味わえます。

 本当は毎日そんなところへ行っているわけではありませんが、「いつでも行ける」という思いは豊かさそのものです。田舎と大都市の間のギャップをどう埋めたらよいでしょうか。


       ◆


 以前、京都大学の小林潔司先生はある講演でこうおっしゃっていました。
(北の心の開拓記 2014-05-20「人口減少でも幸せな町にするために http://bit.ly/2GbpDXz

 『…さて、人々が過疎中山間地域に住み続け、幸せに生きる行動原理とは何でしょうか。
 社会を支える つのことは「仕事」→「くらし」→「楽しみ」ということです。
 まず安定的で収入の見込める仕事が地域にあること。次に健康や福祉や教育、買い物などの暮らしを豊かにする社会装置が備わっていること。
 そしてそれらが揃ったとして、日常を幸せにするものは「楽しみ」で、それはつまり「遊ぶ」「遊べ」ということなのですが、現代日本人は実にこの遊ぶと言うことが下手くそな民族です。遊ぶということを田舎でもちゃんと考えた方が良い』

 問題は、仕事だけではだめで、それがあったとしても、病院や買い物・教育などの暮らしがあって、最後には遊びという要素が必要になるということ。

 それらが田舎は大都市に見劣りするということから、若者は大都市を目指してしまいます。

 仕事を作って、暮らしは大都市を道や交通で結んで、そこを利用させてもらう。楽しみも、大都市には確かにあるけれど田舎にだって面白いことはたくさんあるはず。

 僕は釣りや野遊びなんかがその代表だと思っているのですが、仕事から暮らし・遊びまでをトータルで考える政策ってなかなかありません。

 政府にあるのも「まち・ひと・しごと創生本部」ですものね。

 「仕事・暮らし・遊び創生本部」にして、良い意味で遊び半分のふわっとしたプランというのはどうでしょう。

 地方と大都市の間の人口の流動は止められないとしても、田舎での仕事とくらしそして遊びについて考えてみてはいかがでしょうか。

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