北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

コロナ対策の和歌山モデル ~ 地方自治体の矜持

2021-06-07 23:21:59 | Weblog

 地方自治体ごとのコロナ対策を調べていて、「和歌山モデル」という表現があることを知りました。

 もう一年以上前からニュースでは話題になっていたのですが、情報に紛れて気づかずにいたものです。

   Yahooニュース「和歌山モデルの陣頭指揮を執る仁坂知事に聞く」 https://bit.ly/3gl4ONP

 この和歌山モデルは、仁坂吉伸知事肝いりのやり方でのコロナ対策で、波のように訪れる新型コロナウィルスに対して感染者を少なく抑え込むことができ、緊急事態宣言を発出せずに済んでいるのです。

 しかも隣県は感染爆発、医療崩壊した大阪府という悪条件の下でです。

 そのやり方とは、県として積極的な疫学調査に取り組み、県民にはできるだけ行動の変容を求めなかったというもの。

 新型コロナの始まりの頃に政府の専門家委員会が「症状が重くなければPCR検査をしなくても良い」と言っていたのに対して和歌山県では『それは間違っている』として、いきなりPCR検査をどんどんやったのだそう。

 国の言い方に対して地方自治体として独自路線を取り、積極的疫学調査を行って早期発見に努めたのです。

 県内の保健所は県による保険医療行政ですが、ここをがっちりとグリップして中核市である和歌山市の保健所と県内の保健所による「統合ネットワーク」を形成して情報連絡と対応を一元化することができました。

 さすがに変異株が増えてきたときにはコロナ感染者の数が増えてきて、いよいよとなった4月に初めて県民に不要不急の外出の自粛要請をお願いしたのですが、それに県民が協力してくれてまた感染者の数が減少傾向になりました。

 仁坂知事は、「『まず人流抑制ありき』ということが間違っている」と言います。

 知事は続けて「感染症法があるアジア諸国は隔離ができるけれど、それがないヨーロッパはぎりぎりまで自由にさせて、それでだめならドカンと強い罰則付きでロックダウンせざるを得ない。そこがアジアとヨーロッパの違いで、保健所が中抜きできる制度が頑張れているから感染者や死者が少なく抑えられている。あまりそういう話が聞こえてこない」と言います。

 とにもかくにも、自分たちの住民は自分たちが守るという意思があれば地方自治体はかなりのことができる、という優れた事例として注目されています。

 6月6日現在の高齢者に対するワクチン接種率が公表されていますが、これを見ても和歌山県は都道府県単位で断トツの一位。

 わが北海道は…、うーん、ちょっと残念であります。頑張れ!

    ◆

 自治体の姿も与えられた条件も様々ですが、分解してみると

 ①都道府県や市町村同士の信頼・連携関係
 ②首長のリーダーシップ、指導力
 ③物理的面積:広いかコンパクトか
 ④医療資源の多寡・偏在:
 ⑤市町村の住民状況の把握、距離感
 ⑥市町村職員の力量
 ⑦財政力

 などの条件に自治体ごとの差があります。

 日本中が同じレベルの行政サービスは受けられないのが現実です。

 しかしそれでも住民である我々も、行政を批判するばかりでなく、選挙に行くことだけではなく、より良い暮らしを実現できるよう地方自治体の一員として行政を支え参加し協力するという務めを果たすべきでしょう。

 行政の仕事はコロナ対応だけではありません。

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