まちにはマスク姿が目立ち始めました。「マスク姿」が春の季語になる日も近いのでしょうか。
【札幌シティガイド検定フォローアップセミナー】
午後に札幌商工会議所の(札商)で、札幌シティガイド検定の合格者に対するフォローアップセミナーを開催しました。
札幌シティガイド検定は札幌商工会議所が主催するご当地検定です。
札商によると「札幌のことを多くの方々に学んでいただき、観光で訪れた人々や、未来を担う子供達にその魅力を伝えていただくための検定」で、「札幌の歴史や文化、自然環境や観光名所などを総合的に学ぶことで、札幌の魅力を自信を持って案内できる人材育成を目指します」と言っています。
今回私のところへは、「この合格者に対するフォローアップセミナーを行いたいのですが、北海道開発局でも観光について何かお話をしてくれるのでしょうか?」というご相談にこられたのですが、そういう趣旨であれば制度の説明のようなものではなく、開拓と開発の歴史の物語や、なかでも札幌に関係する「へぇ!」と思うような話が良いだろうということで、やらせていただくことにしました。
会場には約70名ほどの方がいらしていますが、総じて年齢層はやや高めで、稀に私と同年代の女性や男性の姿がちらほら見える、といった感じです。
しかし、何しろボランティアとはいえ札幌を紹介しようという意欲に燃える皆さんですから、私などよりははるかに詳しい知識を持っている方もいるに違いないと、少し緊張をしたのでした。
* * * *
さて、行政がおかしがちな失敗は、自分たちが話せることだけをただたんたんと述べておいて、『話したのだから伝わるだろう、できるだけのことはしたのだから伝わらなくても自分たちの責任ではない』、というあたりにしか結果の目標をおいていないことです。
だからおもしろさが伝わらないし、聞いてくださっている人たちのさらなる興味を引き出すことにもつながらない。とにかくまず『話は面白くなければならない』し、聞いている皆さんの興味を引いて、心を存分に開拓することが重要です。
聞いてくれている人たちの心が開かれて初めて、今に至る北海道の近世の北海道開拓とそこから受け継がれる現代の開発事業への興味と、その意味が少しだけでもわかっていただけることでしょう。
しかしそのためには、まず自分自身が「へぇ!」「なるほど!」「これはすごい!」と思うような内容の商品を取りそろえなくてはなりません。
語り手の側に、一つは話の内容として「これだけは伝えたい!」「これってすごいことでしょう?おもしろいでしょう!?」という、まるでセールスマンが自分の売る商品に絶対の自信を持って売る喜び、伝える喜びがなくてはいけないのです。
そして次にはこの商品をより良く見せるための陳列や演技、話術というスキルがなくてはなりません。
いや実は結構苦労しました。
* * * *
苦労したのは、北海道の開拓と開発の歴史のものがたりのなかでも、やはり札幌を紹介しようという皆さんですから札幌に関するお話が良いわけで、さまざまな物語の中から札幌に関わるものを選別しなくてはならないことでした。
また、それらを並べてみて全体として背景がよく分かり、そこに小ネタあり、感動あり、「へぇ」と思わせる話をちりばめて、流れるような一つのストーリーがつくりあげることがまた一苦労。
今回は札幌ですから、やはり豊平川の治水史と道路開拓のものがたりを中心にしようと思いましたが、そう思うと「なぜ江戸時代末期から明治にかけて北海道に人々の関心がそそがれてきたか」という時代背景の説明が必要になりました。
すると今度は近世における北海道を舞台にした日露関係、北方警護の危機感といったものが見えてきて、そこにまさに天の配材としか言いようのない、最上徳内や近藤重蔵、松浦武四郎、伊能忠敬といった探検家・冒険家が物語を生んでくるのでした。
そういう危機感に端を発した蝦夷地開拓の必要性が分かって初めて、これに尽力をした報徳精神の申し子、大友亀太郎の物語が繋がり、大友堀、創成川、そして札幌発展のための豊平川の治水の歴史に繋がり、道路開削の歴史につながるということになったのです。やっと自分の中のストーリーができあがりました。
今回の講話では、河川部隊からは河川計画の説明資料のパワーポイントファイルを提供してもらい、道路部隊からは近代道路建設の物語ビデオを提供してもらいましたが、これらの素材をどう組み合わせるかは私次第。一品ものの講演会は精神を使いますね。
* * * *
最近は公共事業が談合事件の温床で、悪いことのような印象をもたれがちです。しかしその原点は、次の時代を良くしようという人々の物語であったわけで、これからの時代を語るためにはその原点を確認することが必要です。
私はそのためにも行政側には「聞いてもらえる」「聞きたいと言われる」ような話をする能力が必要で、これこそが「戦略的広報」なのだと思うのです。
さてさて、今回のことでは私にとってもだいぶ勉強になりました。開拓の時代背景や豊平川治水史に本願寺道路。
先人の苦労が偲ばれます。
【札幌シティガイド検定フォローアップセミナー】
午後に札幌商工会議所の(札商)で、札幌シティガイド検定の合格者に対するフォローアップセミナーを開催しました。
札幌シティガイド検定は札幌商工会議所が主催するご当地検定です。
札商によると「札幌のことを多くの方々に学んでいただき、観光で訪れた人々や、未来を担う子供達にその魅力を伝えていただくための検定」で、「札幌の歴史や文化、自然環境や観光名所などを総合的に学ぶことで、札幌の魅力を自信を持って案内できる人材育成を目指します」と言っています。
今回私のところへは、「この合格者に対するフォローアップセミナーを行いたいのですが、北海道開発局でも観光について何かお話をしてくれるのでしょうか?」というご相談にこられたのですが、そういう趣旨であれば制度の説明のようなものではなく、開拓と開発の歴史の物語や、なかでも札幌に関係する「へぇ!」と思うような話が良いだろうということで、やらせていただくことにしました。
会場には約70名ほどの方がいらしていますが、総じて年齢層はやや高めで、稀に私と同年代の女性や男性の姿がちらほら見える、といった感じです。
しかし、何しろボランティアとはいえ札幌を紹介しようという意欲に燃える皆さんですから、私などよりははるかに詳しい知識を持っている方もいるに違いないと、少し緊張をしたのでした。
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さて、行政がおかしがちな失敗は、自分たちが話せることだけをただたんたんと述べておいて、『話したのだから伝わるだろう、できるだけのことはしたのだから伝わらなくても自分たちの責任ではない』、というあたりにしか結果の目標をおいていないことです。
だからおもしろさが伝わらないし、聞いてくださっている人たちのさらなる興味を引き出すことにもつながらない。とにかくまず『話は面白くなければならない』し、聞いている皆さんの興味を引いて、心を存分に開拓することが重要です。
聞いてくれている人たちの心が開かれて初めて、今に至る北海道の近世の北海道開拓とそこから受け継がれる現代の開発事業への興味と、その意味が少しだけでもわかっていただけることでしょう。
しかしそのためには、まず自分自身が「へぇ!」「なるほど!」「これはすごい!」と思うような内容の商品を取りそろえなくてはなりません。
語り手の側に、一つは話の内容として「これだけは伝えたい!」「これってすごいことでしょう?おもしろいでしょう!?」という、まるでセールスマンが自分の売る商品に絶対の自信を持って売る喜び、伝える喜びがなくてはいけないのです。
そして次にはこの商品をより良く見せるための陳列や演技、話術というスキルがなくてはなりません。
いや実は結構苦労しました。
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苦労したのは、北海道の開拓と開発の歴史のものがたりのなかでも、やはり札幌を紹介しようという皆さんですから札幌に関するお話が良いわけで、さまざまな物語の中から札幌に関わるものを選別しなくてはならないことでした。
また、それらを並べてみて全体として背景がよく分かり、そこに小ネタあり、感動あり、「へぇ」と思わせる話をちりばめて、流れるような一つのストーリーがつくりあげることがまた一苦労。
今回は札幌ですから、やはり豊平川の治水史と道路開拓のものがたりを中心にしようと思いましたが、そう思うと「なぜ江戸時代末期から明治にかけて北海道に人々の関心がそそがれてきたか」という時代背景の説明が必要になりました。
すると今度は近世における北海道を舞台にした日露関係、北方警護の危機感といったものが見えてきて、そこにまさに天の配材としか言いようのない、最上徳内や近藤重蔵、松浦武四郎、伊能忠敬といった探検家・冒険家が物語を生んでくるのでした。
そういう危機感に端を発した蝦夷地開拓の必要性が分かって初めて、これに尽力をした報徳精神の申し子、大友亀太郎の物語が繋がり、大友堀、創成川、そして札幌発展のための豊平川の治水の歴史に繋がり、道路開削の歴史につながるということになったのです。やっと自分の中のストーリーができあがりました。
今回の講話では、河川部隊からは河川計画の説明資料のパワーポイントファイルを提供してもらい、道路部隊からは近代道路建設の物語ビデオを提供してもらいましたが、これらの素材をどう組み合わせるかは私次第。一品ものの講演会は精神を使いますね。
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最近は公共事業が談合事件の温床で、悪いことのような印象をもたれがちです。しかしその原点は、次の時代を良くしようという人々の物語であったわけで、これからの時代を語るためにはその原点を確認することが必要です。
私はそのためにも行政側には「聞いてもらえる」「聞きたいと言われる」ような話をする能力が必要で、これこそが「戦略的広報」なのだと思うのです。
さてさて、今回のことでは私にとってもだいぶ勉強になりました。開拓の時代背景や豊平川治水史に本願寺道路。
先人の苦労が偲ばれます。
それと私のサイトでも簡単に感想を書かせていただき、TB張らせていただきました。これからも時折、覗かせていただきます^^
「もっと報徳について勉強したい」という方もいらっしゃって、やはり大事なことはあちらこちらで発信して行かなくては行けないな、と思いました。
また、わが組織の宣伝ということではなく、訊いて楽しく思う内容の中に、開拓だとか開発といったことの魂があるということを伝えるほうが、聞き手の心に訴えるだと思っています。
これからもときどきこのブログにお立ち寄りください。ありがとうございました。