北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

9月18日(水)に都市地域セミナー開催 ~ 次世代へのバトンの渡し方

2024-09-05 22:24:11 | Weblog

 

 私が所属している(公益財団法人)日本都市計画学会北海道支部では、来る9月18日(水)の夜に都市地域セミナーを開催します。

 参加は無料でリモートでの聴講も可能となっており、参加の資格は問いませんので、興味のある方は本文末尾の申し込み先までお申し込みください


 さて、今回のテーマは「次世代へのバトンの渡し方」としました。

 その趣旨は、「超少子化、超人口減少下にある北海道の諸都市。その経営は『税収減少』との闘いとも言える。これからの時代のまちづくりは創意工夫を重ねて新たな一歩を踏み出すことが必要だろう」としています。、今回は弟子屈町様よりふるさと納税を活用した廃ホテル除去の取り組みの話題提供をいただいて、次世代へのバトンの渡し方について考えたい、と思います。

 プログラムでははじめの話題提供者として弟子屈町の徳永哲雄町長に自らご登壇いただき、『ふるさと納税を活用した廃ホテルの除去事業』について話題提供をいただき、続いて国立公園における全国的な視点として、環境省自然環境局国立公園課の植竹朋子課長補佐にご登壇いただいて、『国立公園ならではの宿泊施設との連携方策検討について』というテーマでお話をいただくことになっています。

 その後に当支部の副支部長でもある北海道大学農学部の愛甲先生にコーディネーターをお願いして、徳永町長、植竹課長補佐とのパネルトークを行っていただくことになっています。

 なお、徳永町長、植竹課長補佐のお二人はいずれも地元からのリモートでのご参加とのことです。


      ◆


 今回のセミナーのテーマは、私から提案した話題が採用されました。

 以前私のブログにも書いたのですが(2024年6月30日ブログ 「弟子屈町の廃ホテル除去事業 ~ 次世代に負債を残すまい https://bit.ly/47mMzBx )、 それは6月に私が徳永町長とお会いした時に、「今弟子屈町内ではふるさと納税を使って廃ホテルを除却しているんだ」と直接聞かされたことがきっかけになっています。

 国立公園の中にあるともいえる弟子屈町ですが、かつて大変な賑わいを見せた川湯温泉ではブームが去り温泉街への客足が減ったことで、古いホテルが使われなくなり廃ホテルとして放置されてきました。

 それは景観的にも土地の再利用としても問題がありながら財源もなくなかなか対処できない課題でした。

 その一方で近年外国からのインバウンド観光客への日本の魅力を高めるために国立公園がもっと頑張って魅力を増し地域の経済を活性化させたいという国家的な方針が打ち立てられています。

 環境省ではそれを「国立公園満喫プロジェクト」と名付けて、全国の国立公園での誘客促進を図っていますが、さらにこの7月には政府として全国35の国立公園すべてに2031年までに高級リゾートホテルを誘致するという方針が示されました。

 随分と動きが急すぎるようにも思いますが、そうした国の取り組みを受ける中で、肝心の国立公園の中にかつての栄華の跡の廃ホテルのような負の遺産があるところも多いわけです。

 これまでもこの負の遺産の除去ができなくて苦しんでいた地元自治体ですが、そんななか、弟子屈町ではふるさと納税による降って湧いた様な資金を利用して廃ホテルの権利を取得してこれを除去するという取り組みを始めたのでした。

 私も釧路にいた時から弟子屈町の徳永町長には可愛がっていただき、私も町長のことを見識、実行力に優れた首長として私淑していたところです。

 今般弟子屈町での事業を知り学会の幹事会でお話をしたところ、大いに盛り上がり、今回のテーマとなった次第です。

 ふるさと納税って、たくさん集めた自治体のことが話題になりますが、ではそれがどのように使われて地元や住民のためになっているのか、についてはあまり触れられることがありません。

 よしんば地元のためになっているにしても、弟子屈町の様に現在の負の遺産を未来の子孫には残さない、という決意で事業を進めているのは珍しいと思います。

 実はそういいながら徳永町長はふるさと納税にも冷ややかで、「ふるさと納税なんて制度はいつなくなるかわからないからね。恩恵を受けていられるうちにやれることをやっておかなくてはならん」と明快です。

 多くの自治体の方にも参考になることが多いと思います。

 チラシにあるようにメールでの申し込みが可能ですので、ふるってご参加ください。

 

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