先日、今絶賛公開中の映画「ラストマイル」を観てきました。
【映画「ラストマイル」公式ホームページより】
舞台は大型eコマースの会社で、主演の満島ひかりさんは同じく主演の岡田将生さんが勤める会社に突然やってきた上司。
eコマースの会社は物の注文を受け付けて、商品を売る会社から取り寄せて物流会社を通じて注文主の元へ届けるサービスを提供する会社。
商品の流れはシステム化されて、商品も大きな工場の中でロボットやベルトコンベアに運ばれて流通会社にもたらされ、流通会社はそれらを小型トラックに乗った運送会社に運ばせて注文主へ届けます。
そうして運ばれた荷物の一つが突然爆発炎上し、受け取り主が亡くなるという事件が発生します。
犯人は誰でなぜそんなことをしたのか、システムをかいくぐってなぜそんなことができたのか、爆弾は一体いくつあってどこにあるのか…。
そんな事件の背景には、物流を支えるたち人の苦労と買いたたかれている現実も垣間見えて、社会問題への批判を織り込みながらスリリングな展開が続きます。
様々なキーワードが最後には回収されてゆき、実によくできた映画です。
実は封切り早々に観に行こうと思ったのですが、どの時間帯も事前予約での席がほとんど埋まっていて、良い席が取れずに日をずらして観に行かなくてはなりませんでした。
それだけ評判が良くて出足の良いヒット作になっているという事でしょう。
タイトルの"ラストマイル"とは物流の用語で言う"ラストワンマイル"だと思うのですが、出荷元から発送された荷物を送り届けるための最後の配送の区分の事。
トラックで家まで運んでも、不在で再配達を余儀なくされたり、それでいて収入は非常に安くたたかれていることから、このままではこのラストマイルを支えるエッセンシャルワーカーが不足したりいなくなるのではないか、という社会問題にもなっています。
映画の中でもそうした現実に一石を投じ、処遇に不満を持つ人たちやそれでもその境遇に耐えながら仕事に誠意を尽くそうとする人たちに光を当てたものになっていて、いろいろと考えさせられる場面が多々ありました。
面白かったのは、そうしたラストマイルを支える人たちの苦労を知ってか、映画が終わった後の女性二人組が「もうこれからネットショッピングに頼みにくくなっちゃうじゃん…」とつぶやいていたことです。
私たちの快適なサービスがどのような人たちの苦労で支えられているかを知ることができる意味でも映画がもっとヒットすればよいと思いました。
映画「ラストマイル」、十分に見る価値のある映画でした。
エッセンシャルワーカー