いよいよ来年から介護の勉強を始めようと、まずはスクールに受講の申し込みをしました。
私が申し込んだコースには注釈がついていて、「特定一般教育訓練給付金対象コースです」と書かれています。
(特定一般教育訓練給付金とはなんだろ?)
公務員でいた人生が長かったので、労働行政にはほとんど接する機会がなく、まずは調べるよりほかありません。
すると特定一般教育訓練とは、民間事業者の行う講座のうち、即効性のあるキャリア形成ができ、社会的ニーズが高く、かつ、特に就職実現・キャリアアップとの結びつきの強さを客観的に評価できる教育訓練として厚生労働大臣が指定したもの、と出てきました。
つまりとにかく仕事についてもらうために特に役に立ちそうなキャリア講座に対して魅力を増すように、給付金という形で払ったお金の何割かを戻すように給付するというのがこの制度なのです。
なかでも「特定一般」とつくのは、一般教育訓練のなかでも特に職業の安定につながりやすいものを指すとのことで、介護職員というのは職を探しやすい…というか、まずは人材が不足しているのでできるだけ育成して増やしたいという思惑なのでしょう。
教育訓練給付金には二種類あって、「一般教育訓練給付金」は払ったお金の2割が、また「特定一般」の方はなんと払ったお金の4割が資格取得後に給付されるそうです。
労働行政というジャンルが個人への給付という形で、人材育成にいかに力を入れているのかがよくわかるというものです。
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ところがこのより多くのお金が戻ってくる「特定一般」の方も誰でもが簡単に給付してもらえるというわけではありません。
まずは自分に受給資格があるかどうかを確認しなくてはなりません。
確認の場所はハローワークで、そこで受付で「受給資格確認に来ました」と告げると、必要な書式を渡されてそれを指定された窓口に提出します。
その要件では、①(現在雇用されている場合は)雇用保険の被保険者期間が3年以上あること、②以前に教育給付金を受給してから3年以上経っていること、とあります。(失業中の場合は割愛)
この場合、公務員の現職の人は雇用保険に入っていないことから公務員は対象になりません。
今の民間会社に入ってからちょうど3年が経過したところなので、まさに受給資格を得たばかりというのは偶然の事でした。
また、さらにその資格を有することに加えて受講前に「キャリアコンサルティングを受けてジョブカードを作成する」ということが求められます。
ジョブカードというのは、自分の経歴や免許・資格を整理したうえで、自分自身の興味や価値観、自分自身の強みなどを自己診断し、そして将来取り組みたい仕事などを掲げて自分自身というものを紙に書きだして見極める作業と言えるでしょう。
(何を言っている?俺には十分な経歴と経験があるんだ!)と勝手に思い込んでも、それを実際に書き表してみることが大切。
これは、ネットでも「マイジョブカード」という厚生労働省によるサイトがあり、将来にわたる自分の職業意識・職業能力を整理して上書きしてゆくことができます。
転職を厭わずより良い職場を目指す向上心があるような方にはこれで自分自身を見つめ直すことは労働能力を見える化する意味で意義あることでしょう。
※【参考】「教育訓練給付金.JP」(https://kyoikukunren.jp/a/242#toc12)
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私はこの書類をネットではなく書類をプリントして提出することにして、事前予約をしてハローワークでキャリアコンサルティングを受けました。
書類やその中身に特に問題はありませんでしたが、会話の中で「小松さんはこちらのキャリアコンサルタントになってもやっていけそうですね」と言われたのにはちょっと笑いました。
世の中にはいろいろなところにいろいろな職業があるものなんですねえ。
さて、キャリアコンサルタントを受けてその証明をもらうとまた今度は同じ建物のハローワークの窓口で必要書類を提出して面談の上、教育給付の認定を受けることができました。
今後は講座を受講して修了後に修了証書や領収書などの必要書類を揃えて提出すれば、給付金が下りるという算段です。
私自身、この給付金の受給に強い執着があるわけではないのですが、もらえるお金に期待することは意味ある事です。さらに、知らない世界としての労働行政手続きを勉強できたのは収穫でした。
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それにしても、雇用保険の被保険者という条件で公務員が排除されているのは考えさせられました。
要は簡単に倒産や失職をすることは稀なので、転職のための誘導をする必要はないということなのでしょう。
その一方で政府は「リスキリングに5年間で一兆円を投資する」とのことで、学びなおしや新たな労働市場への移動がしやすい社会を作るとされています。
まあ衰退産業からこれからの成長産業への労働力の移動促進という観点であれば、公務員は衰退しないし簡単に動かれても困るということなのかもしれません。
労働行政に浸ってみて、なんとなくその一端が垣間見えた気がします。
さあ自分の能力を見極めて、成長産業へ人材を移動させましょう。
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