北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

トランポリンに見るリスクテイクのインセンティブ

2012-10-20 23:52:37 | Weblog
 第34回全道トランポリン競技選手権大会が釧路の湿原の風アリーナで今日と明日開催されます。

 トランポリンは1930年代に今の形に近くなり、日本に導入されたのは1959年とのことで、ちょうど私が生まれた頃のお話。この大会も34回を数えて、今や伝統ある大会となりました。



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 トランポリン競技の点数は、演技難度と美しさ、それに高さの三つの要素で採点されます。

 今回の大会は、この点数の高い順にクラスをAからCの三つに分けて、年齢制限なく参加できる方式を取っています。

 だから、クラスCに小学生のちびっこと大学生でも始めたばかりのような学生とが同じ組で演技をしていて、一風変わった印象ですが、やはり小さい子には高さが出ない分、ハンデがあるとのこと。


 採点項目のうち高さについては、機械に取り付けた歪み計で電気的に測定して、空中にいる時間を計ることで高さとみなして得点化するのだそう。

 計測器はロシア製で高価ですし、トランポリン自体もヨーロッパでパテントを取ったものだけが公認されているため、日本のメーカーでは作れないのだそう。


 【ぶら下がっているのが計測器】

 スポーツがビジネスであり、しかもヨーロッパに有利になるようにできているということをまざまざと思い知らされるお話です。


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 さて、残りの採点項目である難度と美しさのうち、難度については提出された事前申告を参考にしながら、その技をしたとみなされればそれだけで点が入るというもの。

 ただ選手は空中で予定した技を変更しても良いため、常に二人の審判がついて空中での技がなんであったかをチェックしるのだそう。

 そしてその技が美しかったかどうかはスキージャンプのように五人の審判が採点して、最大値と最小値を除いた残り三人の合計点が持ち点となります。

 この『難度と美しさを別々に評価する』というやり方はトランポリンが始めた採点方式ですが、これを後に取り入れたのが体操競技。

 考えてみれば、かつてコマネチが段違い平行棒で出したのは10点満点でしたが、今では「D難度の技」だとか「E難度の技」などという言い方をしていますね。

 難度の低い技を完璧にやって高得点を取るよりも、よりリスクが高い技を美しくやれば高得点が出るという採点の方法を取ったことでどんどん体操の技が高度化していったのはご承知の通りです。

 リスクを取った人を評価するとその世界は大きく発展するという典型的な例に見えます。


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 さて、2008年の湿原の風アリーナのこけら落としの際に誘致して行われたのはトランポリンの全国大会でした。

 このときに優勝した伊藤正樹選手は先のロンドンオリンピックで日本代表として出場し、4位というこれまでの日本選手で最高の順位で入賞を果たしました。

 この伊藤選手はそれまでなかなか勝ちきれなかったのが、この釧路の全国大会で優勝してからふっきれたようにめきめきと実力をつけていったのだそうで、今でもいろいろなインタビューの際には、「自分のターニングポイントは釧路の大会でした」と言ってくれているのだとか。

 今日の大会も、次回以降のオリンピック代表選手へのきっかけになると良いですね。

 時間が合ったら明日の決勝戦を見に行ってみてはいかがでしょうか。

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