北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

交通誘導員が足りない!

2019-05-24 23:54:46 | Weblog

 

 昨年あたりから舗装業者さんたちの中で「交通誘導員が足りなくて大変だ」という話がよく出てくるようになりました。

 一般に建設業は、建設車両が走るので歩行者や自動車交通に対する安全対策を講じなくてはならず、そのため警備業者さんに交通誘導員を派遣してもらって交通の安全を図ります。

 舗装工事では特に道路交通が多いところで作業をすることが多いですし、昨年の胆振東部地震の復旧工事の際は、施工業者さんは体制が整っているのに、交通誘導員が確保できなくて工事に着手できなかった、という事例が多発しました。

 このような背景から、漠然と「交通誘導員が不足している」と嘆くのではなく、まずは実態を調査することにしたものです。

 対象は我が(一社)北海道舗装事業協会と(一社)日本道路建設業協会北海道支部の会員84社で、80社からの回答があり、また複数の営業所があればそれもカウントする形で123件の回答を得ました。

 詳細のレポートは今月号の『舗装協会ニュース』に掲載しているのですが、やはり全体の93%で「なんらかの不足感を感じている」とのことでした。

 ただ、「冬期に雪が多いところでは冬も不足という声が多い」などの、道央と地方部での差がみられ、冬期の除雪時も大変なことがあるということでした。

 また「交通誘導員が不足することでどんな問題が発生するか」ということでは、「工程が伸びて工事がなかなか終わらないこと」や「交通誘導員に対する経費がかさむこと」などにより「工事の利益が低下する」ということ。

 さらに「誘導員の不足にたいしてどう対処しているか」では、「まずは少ないことを前提に工程を調整して、集められるときに施工をする」という工夫をしますが、それでもだめなときは「付き合いのある警備業者に増員を依頼」、「管内の警備業者に依頼」、「管外の警備業者に依頼」など、とにかく人数を集めるための努力を重ねるとのこと。

 こういう事態に対して今後どうしていったらよいか、ということについては、「工事を平準化」している人員を効率的に回すという声が一番多いものでしたが、機械化や警備のあり方まで含めた検討という声もあり、最後には「交通誘導員への処遇をもっと改善しないとだめだろう」という声も多数ありました。

 漠然とした交通誘導員の不足という声に対する具体的な分析ができたことで、今後のための良い資料が得られました。

   ◆

 ところで、こうした資料を内部で持っているだけでは事態は改善しないということで、今回は札幌商工会議所さんに働きかけて、舗装業界と警備業界で問題を共有して今後の対応を共に語ろう、という動きが出ています。

 こういうところは商工会議所のような経済団体の傘を最大限に利用させてもらえるメリットを最大限に生かしたいところです。

 そこで事前準備を進めているのですが、水面下で警備業界に打診をしてみたところ、先方も乗り気ということで面白い動きになりそうです。

 実は警備業法における警備業は、主に建物内の施設警備や巡回・保安・機械警備などを行う1号業務から、SPのような身辺警備の4号業務までの1号から4号に分類されています。

 このうち我々が求めるような交通誘導員は2号業務ということになっていて、業界関係者の話として、「警備業界全体の人員は変わっていないが、2号業務従事者は減っている」ということのようでした。

 わかります。

 室内にいて、外の天気に影響されない業務はまだやりやすいですが、野外で暑さ寒さに耐え、そのうえ自動車交通からの安全を守るというのは肉体的にもハードで成り手が減るのもわかるような気がします。

 しかし、それをそのままにしていては、建設業界としても困りますし、やはり災害復旧などのような緊急事態への対応も難しくなってしまうわけで、なんらかの対策を考えなくてはなりません。

 今回は札幌商工会議所さんの計らいで、この2号業務を多くやっている業者さんもお招きをして業界同士の意見交換ができるということなので、まずはこの行く末を見守りたいところです。

 まずは実態を把握し、連携して声を上げて教官の輪を広げてゆく。

 業界団体として頑張らなくては。

 

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