最近は音楽番組も見せ方が変わったなあ、と思いながらテレビを見ています。
紹介したい音楽番組の一つ目は、毎週日曜日の夜11時からテレビ朝日系列で放送の「関ジャム完全燃SHOW」。
こちらはジャニーズタレントの"関ジャニ∞"が出演して、司会は村上君が務めている、様々なジャンルの音楽紹介番組です。
音楽番組と言うとかつては、その時代のヒット曲を歌う歌手やバンドに流行歌を歌わせるか、逆に懐かしの歌手たちに思いきり懐メロを歌わせて高齢者層を狙うか、はたまた芸能人や素人を交えてカラオケの旨さを競わせる、といった感じのものが多くありました。
懐メロは安定のファン層がいるとして、それ以外の流行歌になると今ではアーティストが皆youtubeで動画を流しているので、別にわざわざテレビを見るほどのニーズはありません。
そこでこの「関ジャム」では、様々な音楽アーティストやプロデューサーを集めて、彼らに楽曲の裏側やテクニック、関連情報などを縦横に紹介して、音楽文化を楽しんでもらうということが番組の趣旨になっているように見受けます。
中でも、音楽プロデューサーたちが「〇〇のココがすごいんです!」と推しのポイントを語るシーンでは、やはり素人とは違うプロの見立てが面白く、音楽がもっと深く、また重層的に楽しめて実に興味深い音楽教養番組にもなっています。
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そして「音楽教養番組」と言えば、今年2021年4月から始まったNHKのBSeテレで毎週木曜夜10時から放送の「クラシックTV」もなかなかに面白い番組です。
こちらはイケメンピアニストの清塚信也さんと歌手でモデルの鈴木愛理さんが司会を務めていて、基本的にはクラシックの楽曲の面白エピソードを紹介したり、清塚さんが華麗に楽曲を引くのが売りです。
こちらもクラシックをただ聞かせるのではなく、クラシックの作曲家に光を当てたり、クラシックの楽曲が現代音楽にどのように関わっているかなど、クラシックを中心に据えながらその周辺情報を紹介するという趣向の番組です。
その扱う幅はずいぶん広くて、先週はイギリスの世界的音楽バンドQUEENのボヘミアンラプソディとオペラの類似性を探るような企画でしたし、今週は人気ユーチューバーピアニストを5人集めて、彼らの音楽的才能を一堂に会して披露するという、NHKにしては切り込んだ切り口を見せてくれています。
音楽を耳からだけの楽しみではなく、縦横に解釈して解説することで、演奏だけならyoutubeで見られるところを、それ以上の価値を与えるような企画になっているのです。
youtubeというプラットフォームを相手にしていながら、ユーチューバー一人ひとりでは扱いきれないような解説に付加価値を見出している点で、「関ジャム」も「クラシックTV」も新しいジャンルの音楽番組になっていると思います。
ここは個人からの発信が多いyoutube動画とは一線を画して、お金のある組織だからこそできる企画と言えるでしょう。
ただ、netflixを始め、世界的大手の動画配信サービスが巨額の資金で番組を作ればもっと面白いものもできるのかもしれませんが、音楽をより面白く見せてくれている点で、良いところに目をつけたものだと感心します。
youtubeなどのネットを相手にした既存テレビの対抗策はどこまで通用するでしょうか。
見逃し配信もできるようになりつつあるので、ぜひ一度見てみてください。
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