北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

「人に会う」ということの真髄

2016-07-26 23:23:23 | Weblog

 

 旭川から札幌へ戻る途中で思いつくままに様々な機関を訪ねて営業活動をしてきました。

 場所によっては会いたかった責任者の方がいないこともありましたが、事前にアポを取っていないので仕方がありません。そういうときは名刺だけ置いて帰ります。


 人に会うときには二つのやり方があって、一つは事前にアポイント(約束)をとりつけて日時を決めて訪問するというやり方。そしてもう一つは事前に約束なしでふらっと訪ねて会えれば会うというやり方です。

 前者のメリットは『確実に会って話ができること』で、特に何かを教えてほしいというお願いの時は資料の準備などがあるので時間の余裕があることは礼儀です。
 しかしながら事前に心の準備ができているので、唐突感や意外な感じはありません。

 それに対して後者のやり方は会えないことも多いのですが、時間を指定しないので自分の空いた時間を自由に使って情報収集や情報提供ができます。また、会えた時には意外な印象を与えます。
 もっとも、事前にお知らせをしないと会ってくれても相手の予定を潰す迷惑にもなるので、会合を短時間で終わらせるタイミングをしっかりと自分でコントロールする意識が重要です。
 

 かつて仕えた掛川の榛村市長(当時)さんは、後者の会い方を得意にしていました。特に霞が関のお役人をめぐるときは「日中は会議や打ち合わせが多いから、仕事が終わってからふらっと会いに行くのがいいんだよ」と霞が関での回り方のコツも教えてくれました。

 夕方5時以降の残業時間になると霞が関の官僚たちは日中の会議から解放されて残業時間に入るのですが、そんなときに突然訪ねると「わざわざ訪ねてくれたのか」と意外性を強く感じて、実によくもてなしてくれたものです。
 
 榛村さんはマメにA4一枚のレジメを作る方でしたが、それをちゃんと用意して、こちらから伝えたいことをきっちりとそして後に残る形で置いてゆくことで、しっかりと印象付けるとともに情報を提供できるのでした。

 これを繰り返すことで、中央官僚の中には「地方の様子でわからないことがあったら榛村市長さんに聞いてみよう」というファンを確実に増やしているのでした。

 情報提供は最低限の仕事で、それを好印象を持って伝えるというワンランク上の情報伝達術。私もマネ事のようにやってはいるものの、さてどこまで榛村さんの域に近づいていることやら。

 まだまだ到底及ぶものではありませんが、私にはそういう優れたお手本があるのが救いです。もう私もそうした優れた人との会い方を後輩たちに伝えなくてはならない身になりました。

 人に会うという事は、少ない時間の中で魂が火花を散らすような渾身の作業なのだ、ということを理解している人がどれくらいいることでしょう。

 それは、礼儀・伝えたい事・資料・セルフコントロール、そして運も含めた、人間力を発揮すべき総合的技術なのです。

 「人に会う」ということの奥深さをしっかりと考えるとよいですよ。
 

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