15日から二泊三日で道東方面へ旅行をしてきました。
宿泊は斜里町。
札幌からは北回りの高速道路で遠軽まで行き、そこから南下するコースで斜里へと向かいました。
旭川紋別自動車道で遠軽へ行く途中に「遠軽町白滝ジオパーク交流センター」があるので、まずはずっと行きたかったこちらに立ち寄ります。
立ち寄りたかった理由は、この6月にこちら遠軽町白滝の「北海道白滝遺跡群」で出土した黒曜石の石器などが国宝に指定されたからです。
国宝に指定されたのはこの遺跡群から出土した黒曜石の石器とともに、石器を製作する際に出た数百点の破片を接合してできるだけ元の形に近づけた「接合資料」などを合わせた1965点とのこと。
北海道では函館で発見された縄文時代の中空土偶に続いて2例目の国宝ですが、1965点というその数に驚きです。
わたしのこれまでの知識としては、白滝の黒曜石は矢じりやナイフ代わりに使われて交易で結構広いエリアにまで運ばれている、というくらいのものでした。
あまり真剣には勉強したことがありませんでしたし白滝の黒曜石展示場も見たことがありませんでしたので今回は良い機会です。
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黒曜石の展示場所は、旭川紋別自動車道の白滝ICを下りてすぐのところにある「遠軽町白滝ジオパーク交流センター」、役場機能も入った複合施設です。
一階に黒曜石とはどんなものかとかどうして白滝に黒曜石ができたのかなどといっ地球の動きや火山などの地学的な知識を前段階的に学べる展示コーナーがあり、こちらは無料。
建物の二階に上がって受付で大人料金320円を払って特別展示室へと向かいます。
特別展示室には、槍先は矢じり、ドリルや肉をそぐ石刃、さらにはカミソリ状の薄い黒曜石を木や角に埋め込んだ細石刃などが展示され、黒曜石が多様に用いられたことが分かります。
黒曜石の石器にも〇〇型というような各地での特徴的な型があると初めて知りました。
また、石器のつくり方も説明されていて、大きく割り出したものから最後は鹿の角なのでゆっくり力を加えることで薄い石片が得られるというのも初めて知りました。
複雑に割られた石片を集めて元の形に戻した「接合資料」も展示されていました。
よほど根気のいる仕事だなあ、と思う反面、石器を取った残りを組み合わせることでどうやって石器が作られたかが分かるという、すごい仕事だなあ、と感心しました。
こういう接合資料が作れるだけの破片があるという事は、この地域の遺跡では石器がシステマチックに作られた証でもあり、それらが国宝指定の大きな理由になったわけです。
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展示室には「重要文化財指定」の文科省発行文書が掲載されていましたが国宝指定の書類がありません。
「国宝指定の書類って飾られないのですか?」と訊いてみると、「それがまだ届いていないんです」とのこと。
「国宝指定の書類が届けば重要文化財指定の書類をお返しすることになるんですけどね」
こちらでは体験コーナーも充実していて、事前予約なしに黒曜石を使った作品作りもできるので、次回はそれらにチャレンジしたいところです。
北海道で二つ目の国宝はわが国で一番古い旧石器時代のものでした。