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北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

南茅部の中空土偶が北海道から初の国宝に

2007-03-18 23:07:50 | Weblog
 今日の朝も5センチくらいの雪が降っていました。ここへ来て冬が相当頑張っています。

 朝からのどが痛くて薬を飲みました。季節の変わり目です、皆さんもご注意を。
 
【中空土偶が国宝に】
 昨日の北海道新聞が、旧南茅部町で出土した中空土偶が国宝とするように答申されたと報じました。

 ***《2007/03/17北海道新聞より》***
 中空土偶、道内初の国宝に 旧南茅部町出土 縄文時代で3件目

 文化審議会(石沢良昭会長)は十六日、一九七五年に函館市尾札部町(旧渡島管内南茅部町尾札部)の畑から見つかった中空(ちゅうくう)土偶を、国宝に指定するよう伊吹文明文科相に答申した。中が空洞の薄手の土偶で、縄文時代後期(約三千五百年前)に作られたと推定される。道内から国宝が指定されるのは初めて。縄文時代の遺物が国宝に指定されるのは三件目で、土偶では二件目。
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 北海道の南部は縄文時代の遺跡の宝庫で、なかでも今では合併して函館市となった旧南茅部(みなみかやべ)町の遺跡からは縄文時代のさまざまな遺物が出てきます。

 これが津軽海峡を渡ると青森市の三内丸山遺跡が有名なところですが、北海道だって決して負けてはいません。縄文時代は海を越えた交流が盛んだったのですね。

 歴史がないと言われる北海道にあって、数少ない歴史的な訪問先は函館市や松前町あたりくらいしかしられていませんが、少し足を伸ばして渡島半島の東海岸を巡ると縄文時代の豊かな遺跡があるのです。

 以前にここを訪ねたときに教えてもらったのですが、縄文時代は全般的に暖かかったものの、時代が下るに従って竪穴式住居の炉が大きくなり、やがて家そのものが小さくなるという傾向にあるのだそうで、このことは時代の後半になるに従って気候が寒くなってきたことを表していると推測されるのだそうです。
 
 考古学って推理小説に似た面白みがありますね。

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 今回の中空土偶が国宝になると、縄文時代では三つ目で土偶では二つ目なのだとか。

 縄文時代の資料では、長野県茅野市の「縄文のヴィーナス」(棚畑遺跡出土土偶・平成7年指定)が最初です。

 次には平成11年に新潟県十日町市の火焔型土器をはじめとする笹山遺跡出土品群が、国宝に指定されました。笹山遺跡出土品では深鉢形土器57点がまとめて国宝になっているのだとか。
 ここでの火焔土器の愛称は「縄文雪炎(じょうもんゆきほむら)」と名付けられています。北国らしくていいですね。

 これらの次に国内三番目の縄文時代の国宝に指定されるのが、今回の中空土偶です。

 北海道から国宝が指定されたのは初めてなのです。新しい観光資源として注目したいですね。

 函館に行く機会があったら、少し足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。
 
コメント (3)
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