goo blog サービス終了のお知らせ 

駒子の備忘録

観劇記と乱読日記、愛蔵コミック・コラムなどなど

宝塚歌劇月組『Bow Singing Workshop~月~』

2016年11月02日 | 観劇記/タイトルは行
 宝塚バウホール、2016年10月31日15時。

 このワークショップ・シリーズのトリ。宙組版の感想はこちら、星組はこちら、雪組はこちら。花組は観られませんでした。
 どの組も94期が長を務めていますが、今回は煌海ルイセ、スター枠は98期のありちゃんと、どこよりも若いというか知らんがなな下級生ばかりの印象…が、なかなかに健闘していたと思いました。欲目もあるかもしれませんが。
 音に聞こえた歌上手としてははーちゃんと周旺くんくらいかなと思うのですが、意外や意外、歌える子がかなりいて、たとえ歌唱力はそうでもなくても(^^;)みんな芝居心があるというか、「こう歌いたい、見せたい」「この想いを伝えたい」という意志がある生徒が多い気がして、観ていて好感を持ちました。

 オープニングは「With a Song in my Heart」、同名のショーより。このショー自体は権利関係の問題かスカステでもまったく放送されませんが、この曲は月NW!でも歌われていたし、大丈夫なのかな? ゆかしげでいい曲ですよね。
 全員による自己紹介のご挨拶のあと、トップバッターはあちくんの「情熱の翼」、『ル・ボレロ・ルージュ』より。これも最近だと月NW!でみやちゃんが歌っていましたよね。トップバッターって難しいと思うんだけれど、あちくんは舞台度胸があるタイプなのか、自分で振り付けたという踊りもキザにガンガン見せて、歌は決して上手いとは言えないと思うんだけどとにかく楽しそうにノリノリで歌っていて、パワーを感じました。その意気やよし!
 続く桃歌雪ちゃんは『ポカホンタス』より「カラー・オブ・ザ・ウインド」。歌上手娘役ちゃん枠なんだろうけれど、ちょっとパンチが足りなかったかな…宙で歌ったせとぅーの方が情景が見えた気がしました。
 続いて礼華はるくんの「夕映えの飛鳥」、選曲が渋いぞ!? でもいい歌だよね、いい声でしっとり聴かせました。てかスタイルが良くて手足が長くて明るい温かなオーラがある人ですね、垢抜けたら沼な予感しかしませんね…『A-EN』も印象的でしたもんね。
 彩音星凪くんは『アルジェの男』より「ジュリアン・クレール」! きりやんも新公のゆりちゃんもよかったよねー、名曲! いい感じでしたが燕尾服の肩が合っていなかった気がしました。がんばれ!
 麗泉里ちゃんは私は可愛い子ちゃん枠かと思っていたのですが、なんと歌えたんですねー! 「O Mio Babbino Caro」、リリカルで素敵なソプラノでした。
 続いて天紫珠李くんと結愛かれんちゃんの「君の名を呼べば」、『砂漠の黒薔薇』より。ハモり出したらきれいだったけれど、緊張していたのかちょっとつたなかったかなー。
 ぐっさんの「Paradiso」はもっとノリノリでやってもよかったと思う! でもパンチがあってよかったです。
 空城ゆうくんが『銀ちゃんの恋』より「ひとり」、これまた渋いな! これまた決して上手くないんだけれど、すごく丁寧に歌っていてハートがこもっていて、ああ好きなんだなファンなんだなって気がしました。いいことです。
 そして驚いたのが風間柚乃くんの「Where In The World」ですよ! これまた『A-EN』でのピックアップぶりが印象的でしたが、こんなに歌えるとは! 宙でもえこが歌ったけれど、個人的にはもえこより響きました。すごい!
 さらに蘭尚樹くんが「我が愛は山の彼方に」、渋い…これまたハートがこもっていていい! あと、当初変に上げられていたときよりお化粧が綺麗になって、落ち着いてきましたよね。よかよか。
 メンバー半分で「I Got Rhythm」、はーちゃんがノリノリのディーバぶり!
 そこからさくさくの「I Will Always Love You」、うーんちょっと私が期待しすぎてしまったか、もっとドカンとくるかと思っていたんだけれどそれほどでもなかった…
 続くルイセくんの「目の前の君」も、丁寧に歌っていると言うよりは探りながら歌っているようで、ああ歌の人じゃないんだな…という印象で残念。
 しかしそこからのはーちゃんの目の覚めるような「Someone Like You」の歌姫っぷり! これぞプリマドンナでしたよ、この場面だけでミュージカルになっていたもん!!
 そして畳みかけるように周旺くんが「EL VIENT」、ガンガン重なる陰コーラスにまったく負けない圧巻の歌唱!
 これで一幕トリがありちゃんって荷が重くない!?と心配していたら、かつてアサコが歌った「奇跡~大きな愛のように~」がまったく危なげないどころか上手くておおらかで素晴らしくて、なんならうっかり泣きました…! あのなんだかよくわからなかった『指針』新公はどこへやら、なんなら『FALSTAFF』のあまり冴えなかったロミオもどこへやら、素晴らしい幕の下ろし方でしたよ!!!

 二幕はもう半分のメンバーの「Apasionado!!」から。やっぱりいいよね、手拍子が楽しい!
 こちらのトップバッターは結愛かれんちゃんの「グッド・バイ・マイ・ラブ」、『Misty Station』よりってなってるけど単なる歌謡曲ですよね。ちょっとアイドル歌唱チックだったかな…
 続いて天紫くんの「One Song Glory」、宙でも聴いたけれど歌自体がちょっと難しすぎる気がしました。
 桃歌雪ちゃんは今度は「夢やぶれて」、情感たっぷりで良かったです。
 そして風間くんがまたまた『A-EN』から「Le toreador」という選曲で、これがまた朗々としていてなんなんだこの下級生は…!と震撼。
 なのにさくさくがまたまた選曲で損していて、「Fruhlingsstimmen」、こういう歌は観客がおいていかれちゃうと思うんだよねー…(><)
 そして空城くん、彩音くん、礼華くんというなかなか暴力的に美しいトリオで「愛のおののく花」、名曲だよね! パートの分担具合も美しかったです。
 さらに泉里ちゃんの「You Raise Me Up」…定番の歌ではあるんだけれど、浄化されました。
 そして蘭くんがまたまた「風雲に生きる」をぶっこむ…宙NW!でずんちゃんが歌った方がそら上手かったんだけど、なんか本人がノリノリで楽しそうなのが本当に良かったです。でもカラオケチックではない、自分に酔っているわけではない。そこがいい。
 さらにあちくんが星組版の「チュシンの星のもとに」をぶっこみ、ラストのコーラス部分まで歌うもんだから愛しいやらおもしろいやら…
 で、周旺くんがハイハイ起きますと言わせんばかりの「誰も寝てはならぬ」、陰コーラスも従えて素晴らしい。
 MCは上級生四人、なんとここにありちゃんが入るんだからホント若い! 他の生徒が歌っていて自分でも歌ってみたい歌、を語り、その子たちの練習風景も語る、いいコーナーでした。
 ラストはその上級生コーナー、ありちゃんのショーヴラン「鷹のように」は迫力あったけど、ちょっと力んでいたかなー? でもいつかやれそうな気配がありました。
 ぐっさんが『夢の浮橋』より「琴時雨」。どんな歌かすっかり忘れていたんだけど、しみじみ聴かせていい歌だなーと堪能しました。こういうのって、すごい。
 そしてはーちゃんが『パパラギ』より「心はいつも」。もう号泣。はーちゃんが上手いのは知っていたけど、こんなにも甘く優しく豊かに歌えるなんて…! 一刻も早く本公演ショーで使ってくれ!! いつまでもすーちゃんに歌わせている場合じゃないですよ!!!
 ルイセくんが「愛の旅立ち」を丁寧に歌って名曲を聴かせ、フィナーレは全員で「LOVER’S GREEN」、もうほとんど卑怯。素晴らしすぎました。

 新生月組、安泰だなあ。だからイシちゃん、博多座でショーに出るにしてもソロとかなるべく遠慮してよね、若手を使ってよね…(ToT)








コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 宝塚歌劇月組『アーサー王伝説』 | トップ | 『遠野物語・奇ッ怪 其ノ三』 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

観劇記/タイトルは行」カテゴリの最新記事