駒子の備忘録

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『ウェディング・シンガー』

2010年02月18日 | 観劇記/タイトルあ行
 日生劇場、2008年2月27日ソワレ。

 1985年、ニュージャージーのリッジフィールド。結婚式を盛り上げるウェディング・シンガーとして働くロビー(井上芳雄)は、明日には自分の結婚式を迎える。同じ結婚式場でウェイトレスとして働くジュリア(上原多香子)は、4年越しの恋人グレン(大澄賢也)からのプロポーズを待っている。お互いの恋愛観・結婚観で意気投合したふたりだが…音楽/マシュー・スクラー、脚本/チャド・ベグリン、ティム・ハーリヒ、作詞/チャド・ベグリン、上演台本・訳詞/飯島早苗、演出/山田和也。2006年初演のブロードウェイ・ミュージカルで、元になっているのは1998年公開の同名映画。

 何もなさそう、ヒロイン女優が不安…ということで見送っていた舞台でしたが、ひょんなことからチケットを譲られて、前楽に出かけてきました。

 リピーターが多くなっているのか、最初からバカみたいに盛り上がって手拍子をする客席にドン引き…私ダメなんです、こういうの…

 とても楽しい、80年代の青春をひたすら謳歌するハッピー・アメリカン・ラブコメディ・ミュージカル…という企画意図はわかるのですが、お芝居部分はもうちょっとだけ、コミカルに流すのではなくしっかりやってもよかったと思います。
 ロビーがジュリアを意識する瞬間、ジュリアがロビーを意識する瞬間、やきもち、あきらめ…ていねいにやってもよかったと思う。というかそういうのがないと、結局キャラクターに感情移入できず、彼らが楽しく歌い踊るシーンに乗り切れなくなると思うのです。だって他人事になっちゃうもん。

 事実、私の隣の席のカップルは、舞台初心者の女性を仕事相手の男性が招待したような形らしく見えましたが、女性が舞台の見方がわからず周りの熱さに引いていて男性もおたおた…というふうに見えて気の毒でしたもん。ま、私も彼女に合わせて、無理に手拍子など打たずに観られて楽でしたけれど…

 井上くんは、パンフレットの扮装の髪形がひどすぎて心配しましたが、舞台ではとても素敵で安心しました。
 アイドル人気があるミュージカル俳優さんですが、私自身は今まで好きでも嫌いでも特になく、意識したことはありませんでした。が、上背があって顔も大きく手足も長くて、実に舞台映えする役者さんだなあと今回初めて実感しました。あの大澄賢也が負けてましたもんね。
 上原多香子は歌はさすがにしっかりしていて文句なし。初舞台も観ていますが、がんばってきているのではないでしょうか。しかし芝居はしどころがないせいもありますがやはりカマトトで、うーん…
 一番元気、でも無駄に元気だったと言っていいのがジュリアの親友ホリーを演じた樹里咲穂でしたでしょうか。芸達者で歌って踊れて芝居が明瞭ですばらしかったです。
 タカラジェンヌからはロビーの祖母ロージーを演じた初風諄、ジュリアの母アンジーを演じたちあきしんがさすがの芝居っ気としっかりした歌声でこれまた場をさらってくれました。
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