駒子の備忘録

観劇記と乱読日記、愛蔵コミック・コラムなどなど

朽木祥『オン・ザ・ライン』(小学館文庫)

2015年11月16日 | 乱読記/書名あ行
 ウルトラ体育会系だけれども活字中毒でもある文学少年、侃(カン)は高校でテニス部に入ることになった。初めて手にするラケットだったが、あっという間にテニスの虜になり、仲間と一緒に熱中した。テニス三昧の明るく脳天気な高校生活がいつでも続くように思えたが、ある日、取り返しのつかない事故が起きる…少年たちのあつい友情と避けがたい人生の悲しみ、切ないほどにきらめく少年たちの日々の物語。

 ジュブナイルというかヤングアダルト小説で、ベタですが瑞々しく、ラストは泣きながら読みました。
 一点だけ残念なことが…電子書籍で読んだのですが、奥付によると「本文イラストレーション」なるものがどうやら底本にはあったようですね? それが電子化の権利が取れなかったのか、作中の人物達がやりとりする絵はがきの絵などがすべて、イラストではなくその内容、情景を文章で表現したものになっていました。
 イマジネーションを喚起する…と言えるかもしれませんが、やはりフツーに絵で見たかったです。電子書籍は発展中のアイテムで、こういう問題がまだまだいろいろとあるのでしょうけれど、うまく整っていくといいなと思いました。

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