駒子の備忘録

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コマーシャの博多旅日記~あの人に会わなければ、銀河を越えて冬を越えて~

2019年02月25日 | 澄輝日記
 私の初めての博多座遠征は2009年、大空さんのプレお披露目『大江山花伝/Apasionado!!Ⅱ』のときでした。じゅ、十年前…!? まさに一昔…! 勇気を奮い起こしてスタッフさんに声をかけ、入会案内をもらったのも良き思い出です。
 そこから私のヅカオタ人生第二期が始まったのですが(正しくは『太王四神記』東京公演マイ初日、かな)、思えば今の贔屓の初博多座出演演目でもあったのですねえ。奇遇さと縁の深さにクラクラします。
 このときは1回しか観劇しない日帰りでしたが、駅や空港からのアクセスの良さや周辺グルメが楽しいことはすぐわかったので、以後はなるべく泊まって遊べるよう算段して、何度も何度も通ってきました。
 ただ今回は、演目が好きすぎたのと、貸切などで阻まれることがほぼなかったので、フルフルで観劇予定を入れてしまい、かつ生来せっかちでケチなものですからタイトな時間の安い便を狙いすぎて、毎回かなりドタバタしました。今回はそんなお話です。

 まずは初日合わせの初回遠征。
 博多座公演の初日楽屋入り待ちは梅芸公演などと同じでお昼前後のことが多く、本公演のように前乗りが必要なくらいの早朝ではないことはわかっていたのですが、「まあいいか」と早起きを日和ってゆっくりめの便で飛びました。このときはキャナルシティのワシントンホテルがわりと安く取れていたのですが、キャリーバッグを引いて博多座駅から歩くのがちょっとかったるかったこともあり、空港からタクってしまいました。荷物を預けて身軽になって、すっかりおなじみの川端商店街を端から端まで歩いて、気になっていたうどん屋さんでごぼ天うどんをいただいたらもうチケ出しの時間でした。
 この日は珍しく出待ちもして、共に泊まるお友達とこれまた川端商店街の焼き鳥屋さんで祝杯を上げてからチェックイン。翌朝は入り待ちのあとベローチェでした。朝はたいていここかタリーズになりますね。チェックアウトして、2日目はダブル観劇でした。大休憩のランチはまたまた川端商店街でラーメンと餃子でした(笑)。
 で、初日が15時開演だったこともあり、私はこの日の終演時間を30分早く勘違いしていました。なので取っていた飛行機は19:15発です。しかして本当の終演時刻は18:35なのでした。 羽田なら20分前に保安検査場を通っていないとおいていかれます。しかしここは福岡、15分前で大丈夫だとは思われる、少なくともそうアナウンスされている。しかし本当に間に合うのか? 地下鉄ですぐとはいえ、かなりの綱渡りだぞ!? だが焦ってもなんせ安く取った便なので、もう変更は効きません。
 そして来たのはありがたくも1階上手通路席でした。プロローグの客席降りでそらの羽根飾りに頭わさわさ撫でてもらえるお席でした(笑)。カテコがないのはもうわかっていたので、ショーの幕が下りきった瞬間に席を立って小走りで客席を抜け、次は早歩きになってフロアを抜け階段を降り一番にキャリーを引き取って博多座を出、エスカレーターをガンガン歩き降りて(いけないことですよねわかってますすみません)地下鉄のホームに出て来た電車にすぐ乗って、福岡空港駅でもエスカレーターと歩く歩道をガシガシ歩いて上って空港ビルに入って混み合うフードコートをさっさか抜けたら、なんと北保安検査場を18:55には難なく通れていました!
 もう優先搭乗が始まっているくらいでしたが、せっかちな私は最後に乗って最初に降りたい派なので前方席の搭乗グループ4。コンタクトを外してメガネになって、乾燥対策のマスクもつけてコートも脱いで丸めて物入れに納めるだけにして、ゆうゆうオンタイムで搭乗したのでした。目をつけておいたしらすくじらで一杯できなかったのは仕方ない(笑)。定刻どおりの帰京となりました。

 その次の週末はお茶会合わせで2泊の遠征でした。
 数日前から関東は雪かも、という予報が出ていましたが、まあまあ早い便の予定でしたし、前日夕方にいつもどおり搭乗口を知らせるメールも来ていたので、空港まで行く電車が遅れると嫌だから気持ち早めに起きるかねー、くらいで運行を信じきって、ぐーすか寝ました。
 で、起きたら欠航だった(笑)。
 起きぬけのパジャマ姿のまま、寒いリビングで、スマホに来ていた欠航メールを見てさらに凍りつく私…普段から新幹線派で飛行機をあまり使わないので、欠航で振り替えといった作業をしたことがほとんどなかったので、どうしたらいいのかもよくわかりませんでした。メールには払い戻しやら振り替え案内もリンクされていましたが、飛んだ先のサイトのわかりづらさにわたわたしていると、LINEの会社ヅカオタ仲間トークルームで『群盗』を観に行くという同僚も伊丹行きの便が欠航であわてていて、そこに後輩がすかさず新幹線の空席状況を返信しているのを見て、やっとアタマが回ってのぞみを抑えることを思いつきました。最低限の化粧をして身支度してすぐ家を出れば1時間後の便には乗れるのですが、まあまあ席がなく、まだあった1時間半後の便のグリーン車をまず抑えてから再度飛行機を確認すると、振り替えようにも前後は満席か欠航で夜まで振り替えようがありませんでした。のちに親友に聞いたところによれば、こういうときはまず真っ先にコードシェア便が欠航対象になるんだそうですね。私の予約していた便はまさしくそれでした…
 やはり6時間かかろうとのぞみで行くしかない。しかし今の便では開演には間に合わない…
 ところで博多まで6時間、というのは私の古いイメージで、実際には今は5時間ちょっとで着くんですね。もう一本早いのぞみに乗れれば開演には間に合いそうなので、空席が出ないか東京駅の新幹線改札前でギリギリまで粘って待ったのですがついに出ず、とはいえ自由席に並ぶ危険を冒す勇気もなく、おとなしく予約できていた便に乗りました。長丁場だし、とお金を出してグリーン車にした自分を褒めたい。乗車までに時間があった分、お弁当や飲み物やお菓子なんかまで事前にきっちり買えましたし、グリーン車もさすがに満席でしたがなんと言っても快適でした。というか全車満席でデッキにも人があふれていたようで、大変だったようでした。
 この日の観劇は友人同伴予定でした。けれど前日に花組大劇場公演初日を観た足で福岡入りしていた親友と、早くも前日に成田からの便が欠航になることがわかっていたので早朝ののぞみですでに旅立っていたお友達が先行していたので、チケットの引き取りと劇場預けは頼むことができました。
 博多駅着は15:33でした。以前『うたかたの恋/Amour de 99!!』全ツを広島で観て小倉で観て福岡で観る、みたいなことをやらかしたことがあり、そのときに新幹線と博多駅を使っていたのでなんとなく駅の作りはわかっていましたが、構内図で調べた最短ルートで地下鉄ホームに降り地下鉄車両の最後尾に乗り、中洲川端駅では2泊用のやや大きめのキャリーを持っていたにもかかわらず流れるようにエスカレーターを歩き上がり(いけないことですよねホントすみません)、博多座ロビーに預けられていたチケットを受け取りキャリーを預けると、博多座の蛍嬢は慣れたもので華麗なリレーで私をエレベーターで二階席までこれまた流れるように案内してくれ、決闘場面くらいかなーと思っていたらその全然前の、歌い踊る北の勇者たちの場面で入場できました。
 ブロックのど真ん中の席だったので、足下に荷物を置いていた通路寄りの席の方数人にお手数をおかけしましたが、どうやら完全に地元の方たちだったらしく、終演後には「どこからいらしたの? え、東京!? え、雪で欠航!? え、わざわざ新幹線で!?」となんかやたらと気さくに話しかけてくれ、かつあきれられました…遠くからわざわざ観に来る人がいることにピンときていない様子のご婦人方でした。初宝塚観劇だったのかなあ。だからお芝居の驚きの展開に「そうだったのねえ、あのときのねえ」みたいにいちいち声出して感想言っちゃったり、ショーでもいちいちどよめいていたりはしゃいだりで、耳障りだけど微笑ましくもありました。おもしろかったです。
 同伴友人には平謝りして、出待ちはサボって3人で水炊きと鳥まぶしの宴会をし、飛行機で帰京する親友を送り出して解散。初めて泊まる祇園のホテルにチェックインしましたが、壁が薄くて隣室のいびきもアラームも聞こえて、しょんぼりなお宿でした…
 翌日は11時の回を観劇してお茶会、終宴後は中州の居酒屋でお友達たちと宴会して、地下鉄の終電を逃しました(笑)。夜が早いよ博多!
 翌々日はダブル観劇して(大休憩ランチはまたまた川端商店街で海鮮丼)、この日はある程度時間に余裕のある便で帰京しました。今度は南保安検査場で、まだ工事の途中っぽかったですが飲み食いどころもあったので赤ワインとフライドポテトで一服してから搭乗し、機内でもかぼすハイボールとのり天チップスとか買っちゃいましたホント飲兵衛ですんません。アルコール分解酵素のない贔屓の代わりにせっせと呑んでいるのです…(笑)

 続いてバレンタイン日帰りダブル観劇。5時起床で羽田に向かい、オンタイムで博多について、楽屋口に差し入れしてからチケ出しへ。大休憩ランチは狙っていた川端商店街のカレー屋さんがアイドルタイムか営業していなかったので、またまたラーメン。この日は出待ちもして毎度の同期惚気も堪能し、ポイントもらって地下鉄に乗ってまたまた流れるように南保安検査場を通ったらもう優先搭乗が始まっているような、ギリギリっぷりでした。

 次の週末は出張があって博多座には行けず、ラスト遠征はもう千秋楽合わせでした。
 これまた定刻どおりスムーズに福岡空港に着いて、またまたキャナルシティのワシントン泊だったのでタクってまず荷物を預け、川端商店街を歩いて今度は例のカレー屋さんに入れてカツカレーをがっつり。15時半開演の前楽を観て、出待ちもして、帰阪する友達を見送って、川沿いのバーで軽く呑んでからチェックイン。ツインはとても広くてリッチなホテルですが、シングルルームは残念ながら狭かったです。
 翌朝、入り待ちのあとは博多ベーカリーでパンを買って帰って部屋でいただいて、チェックアウトしてタクシーで空港へ。中洲川端駅までキャリーを引いて歩いてコインロッカーがいっぱいだったら目も当てられないので、空港のコインロッカーにキャリーを預けて(こちらもラストひとつでした!)地下鉄で中洲川端に戻り、12時開演の千秋楽を観劇。出待ちの解散は17時過ぎでしたでしょうか。地下鉄で空港へ行ってキャリーをピックアップしてレストラン街で豚骨ラーメンいただいて、どらきんぐと福岡限定一番搾りを買ったらもう搭乗時間でした。18:40発の便で帰京。
 今、この記事を推敲しています(笑)。

 インフルエンザにもはしかにも罹らず、仕事もなんとかやりくりして、博多座はどこでもとても観やすいですがとんでもない神席もいただいて、冷たい手にハイタッチもできて、ソーランで大声出せて、黒燕尾の美しさに泣いて、千秋楽翌日に専科へ異動する愛ちゃんに万感の拍手ができて、千秋楽の出待ちでは次の集合日が入った特製ポケカレみたいなラミネートカードを手渡しでいただけて、幸せな3週間あまりでした。
 お茶会もホントにアットホームで楽しかったです。博多座『王家』のときも楽しかったけれど、今回も本当に何もかもが幸せでした。お友達にも周りにも恵まれました。


 では、最後にプチ澄輝日記を。
 というか例の写真集の件なんですけれど、お友達たちとはアレは「姫ではなく殿でいくべきだったろう!」ってことで意見の一致を見たんですよね(笑)。ちょっと『白鷺の城』を引きずってますけど(というか公演中にこの写真集が出ていたらもっと萌えて観られたかもしれないのに!)、布陣としてはキキちゃんのお屋形さまに、ゆりかちゃんの軍師、澄輝冠者、春瀬冠者、お屋形さまのお小姓のあきも、です(笑)。で、あっきーが「殿」と呼んでお仕えしているのはゆりかちゃんなのです。あの澄輝冠者は殿の月見の警護に就いていて、殿から「月が綺麗だな」とか声かけられても「今は曇っておりますが…」とか返事しちゃうような朴念仁なんです。キャー萌える!!! そんな澄輝冠者を「なんだかなあ…」と残念な目で見つつ、ちょっとよこしまな想いがないでもない春瀬冠者。さらにお屋形さまのお小姓なんだけれど春瀬冠者にアレコレされちゃって春瀬さんに岡惚れしている秋音さんが、そんな澄輝さんを逆恨みしちゃうんです! キャー愛憎ドロドロの白鷺の城よ!!
 …とおバカな妄想をすぐさま繰り広げられるくらいにはまかあきに飢えているので、っていうかココ本当に需要あると思っているので、火祭り程度の絡みじゃもの足りないんですもっとくれ。でも『オーシャンズ11』もそんなには望めないんだろうなあ、残念…

 ことほどさように愛が重くて申し訳ございません。でもまたホイホイお稽古待ちにも通ってしまうことでしょう。
 演目に関する感想の記事はまたゆっくりまとめますが、『黒い瞳』でマーシャがニコライを救うべくペテルブルクを目指す場面、舞台としての演出や振付も素晴らしいんだけれど、何よりキャラクターのその心情に心打たれました。とんでもない距離を、ただ愛のためだけに超えようとするマーシャ…新幹線で博多に行ったとき観た回ではボロ泣きしました。自分のことやん、と思えたからです。
 イヤ命とかかかっていないんですけれどね私はね。でも新幹線も飛行機もきちんと定時で動いてくれているのは動かしてくださっている方々のおかげ、そのおかげで私は全国あちこちほぼ隣町までちょっとお出かけ、の気分で行けるのであって、何事もあたりまえではないのです。そのことに改めて気づかされ、感謝し、ありがたく利用させていただき、しっかりお金落として経済回して、引き続き愛を捧げたいだけ捧げていきたい、と改めて思ったのでした。
 いい遠征でした。遊んでくださった方々、かまってくださった方々、ありがとうございました。すれ違いやニアミスでお会いできなかった方、残念でした。またお声がけください。

 次は初めての集合日お稽古待ちなるものをやってみる予定です。たまたま行ける日のようなので。
 あ、やっとカテゴリーも作りました。ザルなことに日記の7がふたつあることが発覚しましたし、まだまだこぼれていて拾えていないもの、移せていない記事もありそうですが、ゆるくかまえておいていただけると助かります。
 心のままに、時のかけらを拾い集めて、これからもあれこれ更新していきたいと思っています。おつきあいいただけたら嬉しいです。






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4 コメント

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Unknown (さくらママ)
2019-03-12 00:53:15
博多座で黒い瞳を観たあと、たまたまこちらのブログを見つけて読むようになりました。
駒子さんの書かれる文章の面白さに惹かれ、遡って以前の投稿も読ませていただいてます。

今回の博多座、何度もいらしたようですね。
私は職場が近くで博多座会にも入会しているので、博多座では宝塚に限らず歌舞伎やその他のジャンルのものもよく観るのですが、駒子さんはじめ宝塚ファンの方の行動力は群を抜いてるなぁと思います。
あっ、SHOCKは同じくらいすごいかな笑

毎年集客が落ち込みまくる二月の博多座、連日昼夜満員御礼なんてはじめての体験でした。
2年前かな、二月の花形歌舞伎は平日の夜なんて半分しか埋まってなかったですもの、、、

これからもブログ楽しみにしています(^ ^)
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コメントありがとうございました! (さくらママさんへ)
2019-03-17 01:37:03
博多の方なんですね。博多座会、いいと聞いたことがあります!
地元にあんな素敵な劇場があって、毎月変わる演目をなんでも観にいく…とても素敵な暮らしだと思います。
確かに当初は集客が伸び悩む時期に招聘されたと聞きますね、宝塚歌劇の博多座公演は。
今は時期が定まらなくなりましたが…でもまた行きたいです!
これからも腰の軽さを大切に、観たいものを元気に観に行きたいと思っています。
また読みにいらしてくださいませ!

●駒子●
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Unknown (さくらママ)
2019-03-18 11:05:14
お返事ありがとうございます。

一昨日、2月23日の宙組以来3週間ぶりに博多座へ。
片岡愛之助の通し狂言鯉つかみを観に行ったのですが、一階後方や二階三列目以降は空席、、、土曜日の夜なのに。
この落差はいったい笑
鯉つかみは10役の早替わり、宙乗り、本物の水を使ったシーンもあり、なかなか面白いのですが。
改めて宝塚の集客のすごさを感じました。

今日は大劇場で月組観劇です。
新幹線で駒子さんのレポ読みながら向かってます(^ ^)
個人的にちゃぴの大ファンだったので、いなくなった今の月組をどう感じるかなぁと、、、怖くもあり楽しみでもあります。
ではでは!
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土曜の夜でそれは寂しいですね… (さくらママさんへ)
2019-03-29 16:52:09
演目によって客の入りが違う…というのはある意味で当然だとも思うので、
どんな駄作でも初日前から完売してしまう今の宝塚歌劇が異常なんですけれどね…(><)
ガラガラでも寂しいし、塩梅が難しいものですね。

月組はいかがでしたか?
私は来週新公も拝見します!

●駒子●
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