映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

マレフィセント(2014年)

2015-12-24 | 【ま】



 あの、「眠れる森の美女」でオーロラ姫に呪いをかける邪悪な妖精マレフィセントの物語。彼女は生まれながらに邪悪だったわけではない。オーロラ姫の父親ステファン王に裏切られたことが、彼女を変えたのだ。

 、、、という、実はイイ人でした物語。でもアンジーの顔は十分コワい。
 
 
 
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 公開時に駅にでっかいポスターが貼ってあって、そのアンジーの顔が結構コワくて興味があったので、このほど見てみた次第です。

 んん~、まあ、作品としてはかなり喰い足りない感じですねぇ、、、。 邪悪な者が、実は良いヤツでしたって、そもそもあんまり好きな話じゃないんですが、本作は、マレフィセントが徹底的に良い人、じゃなくて妖精として描かれており、なんというか、道徳の教科書みたいで白けました。

 そんなに邪悪な存在ってのはヒロインとしてダメですかね。私は、実人生で身近に邪悪な女がいたら、そらイヤですけど、映画や小説の中で徹底的に邪悪な女性って見てみたいですし、全然アリだと思います。

 邪悪な女性の物語と言って、パッと浮かんでくる映画はクルーゾーの『悪魔のような女』とか、ハネケの『ピアニスト』とかかなぁ。『エレンディラ』のおばあさんとかも邪悪の権化みたいな人だけど、あれはヒロインじゃないか。そうそう『何がジェーンに起ったか?』のジェーンですかね、極めつけは。でもあれも、そうなる原因がちゃんと描かれていたし、、、。何でそんなに邪悪なのか、もともとなのか、理由があってのことなのか、分からないのは『悪魔のような女』でシモーヌ・シニョレ演じたニコルですね。怖いけど凄く魅力的なヒロインだったと思うんですけれど。

 マレフィセントも、生まれつき邪悪だった、ってのでも良いじゃないの。でもそれじゃ、子どもには見せられない、ってことでしょーか。

 果たして、生まれつきの邪悪な存在、ってのはあるのでしょうか。まあ、私は正直に言うと「ある」と思っています。現実に起きている事件等のドキュメントを読むと、そう思わざるを得ない話がゴマンとありますので、、、。

 そこまで極端な例ではなくても、今まで出会った人々の中で、生まれつきとしか思えない性格の悪さを隠すことなく発揮している人が、少なくとも2人思い当たります。私も自分の性格が良いとはまるで思っていませんが、多少なりとも「隠す」ことは知っているわけです。それは、自分が良く見られたいというよりは、そうしないと社会生活をある程度円滑に営めなくなるので自分が困るからです。それは多分、小学生の高学年くらいで自然と身に付ける処世術みたいなものです。しかし、このお2人は違う、全然隠さない。接する人たちに例外なく不快感を刻み込む。イイ大人なのに地でやっちゃうのがスゴイと、尊敬すらします。ある意味、ああいう人は邪悪なんじゃないでしょうか。

 、、、いや隠す方がひねくれていて邪悪、という見方も出来ます。……となると、世間のほとんどの人は邪悪ですね。おー、こわっ!! みんな邪悪なくせに善人みたいな顔して生きているんだ!!

 というか、だからこそ邪悪であることを否定するような作品をわざわざ作る必要なんてないでしょ、と思うわけです。性善説? 結構。でも、私は人間は性悪説だと思う部分もかなりあるので、こういうお話を見聞きすると、なんかむず痒くなってくるのです。

 とはいえ、本作は見どころはたくさんあって、何しろ映像がキレイだし、ラナ・デル・レイの歌う主題歌もイイ感じ。美術・衣装も素敵。アンジーのマレフィセントはアニメにイメージがピッタリです。そして何と言っても、オーロラ姫が目覚めるための「真実の愛」のキスですね。通りがかりの王子さまのキスで、オーロラ姫は目覚めない。真実の愛じゃないから。大体、あの王子様、何のために出てきたのさ。

 、、、それにしても、ディズニーの王子様路線からの変更は近年目覚ましいですね。本作は一部ネットであの「アナ雪」(未見)にそっくりだといわれておりました。まあね、王子様が女子の人生の難題を解決なんぞしてくれないと誰もが気付いている昨今、王子様のキスで目覚めるお話はさすがに描けませんよね。

 でも、いずれ揺り戻しが来そうな気がしています。やっぱり、イイ男に幸せにしてもらいたい図々しい女子は、大勢おいでのはずなんで。夢見たい女子のための王子様物語。ケネス・ブラナーの『シンデレラ』は割とそれっぽかったですけれど。






オーロラ姫は絶世の美女、、、のはずでは?




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