映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

マジック(1979年)

2017-10-31 | 【ま】



 以下、上記リンクよりストーリーのコピペです。

=====ここから。

 コーキー(アンソニー・ホプキンス)はカードを扱う手品師だったが、スターダストというナイトクラブでは、客に受けず、やがてやめ、1年のちにファッツと名付けられた人形を操る腹話術師となって再び同じクラブに現われた。

 これが大受けし、スターとして、ベン・グリーン(バージェス・メレディス)というエージェントがつくまでになる。しかし、ニューヨークに進出したコーキーは、急にベン・グリーンと手を切り、クロッシンジャーという、彼の生まれ故郷に帰ってしまう。

 彼は湖畔にあるコテージを借り、その持主デューク(エド・ロータ)の妻で初恋の相手でもあったペギー(アン・マーグレット)と再会した。今は夫との愛もさめていたペギーは、コーキーの出現で、久方ぶりの性の歓びを感じた。

 しかし、縁が切れたと思っていたべン・グリーンは彼の跡を追って、突然姿を現わし、執念深く食いさがってきた。空恐ろしくなったコーキーは遂に人形ファッツの手をかりてベン・グリーンを殺し、さらに、旅行から帰ってきて、嫉妬心に燃えるデュークまでも殺し、自分も自決するのだった。
 
=====ここまで。

 若き(と言っても42歳)アンソニー・ホプキンスは、意外にイケメン……?? 

   
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 大昔にリストに入れておいたDVDが送られてきました。どうしてこれをリストに入れたのか、、、。でも、結構面白かった!


◆人形のファッツに操られていくコーキー

 アンソニー・ホプキンスというと、レクターのイメージが強烈過ぎて、何だか“怖い系”という勝手なキャラ設定をしてしまうのだけれども、本作で演じているコーキーはその設定のド真ん中ではないものの、端によってはいるものの、ややキワモノ的な感じで、かなり不気味。

 というか、ホントに不気味なのは、コーキーが操る腹話術人形のファッツなんだけどね。もちろん、ファッツとコーキーは表裏一体であって、コーキーの本音をファッツが担当している。でもって、このファッツ人形の造形が、不気味度をアップさせている。目がどろんとして、薄笑いを浮かべたような、ちょっと間の抜けた顔。一言で言うと“胡乱”。でも、そんなちょっと間の抜けた顔から飛び出す言葉はメチャメチャえげつない。

 考えてみれば、そらそーだよね。ファッツはコーキーが普通では口に出来ないような本音を、コーキーに代わって言葉にしてあげているわけだから、ファッツから飛び出す言葉の数々はえげつなくて当然。おまけに、間断なくしゃべり続けるから、ものすごくコーキー以外の人間の神経を逆なでする。あんな人形と、私は1分と一緒の空間にいられない、、、。

 でも、この、見た目と言動のギャップのおかげで、コーキーは売れっ子マジシャンになる。エージェントまでついて、テレビのシリーズ番組出演まで果たそうかというその矢先、コーキーは田舎にすっこんでしまう。もちろんこれには理由があり、テレビ局が健康診断書を出せと言ってきたからである。テレビ局としては、シリーズものである以上、出演者に病気で降板されては困るからだ。コーキーとしては、自分の精神的な歪みを自覚していたから、健康診断書を出すことによってそれが明るみに出ることを恐れたため、これを拒絶し、ベン・グリーンの前から突然姿を消したのだ。

 ううむ、、、千載一遇のチャンスを、こんなことで棒に振るなんて。アメリカの健康診断書がどんなもんか分からないけど、そんな精神科の検査まであるのかね? 日本だったら純粋に身体の検査だけじゃない? それに、精神科の病気なんてそんな簡単に診断がつくものじゃないだろうし、、、。

 でも、人間、弱みというか、負い目があると自意識過剰になっちゃうのだよね。それでますます卑屈になるというか、ドツボにハマるというか、、、。コーキーもまさにそれ。挙げ句、本当に、ファッツに操られるようになる。 


◆ファッツより怖いのは、、、

 しかし、そういう隠したいことほど、すぐにバレるもの。コーキーが、ファッツと共に狂ったように部屋の中で喚いているところを、グリーンにバッチリ目撃されてしまう。グリーンは瞬時にコーキーが自分の前から姿を消した理由を悟り、コーキーを医者に診せようとする。が、コーキーは、例によってファッツに間断なくマシンガントークをさせてしまう。そこでグリーンに言われることが、、、、

 「ファッツを5分間黙らせろ!!」

 コーキーは、何だそんなことくらい、とファッツを自分から離してソファに置くものの、1分も経たないうちに観念してしまう。このときの、ホプキンスの演技が凄みがあって怖い。冷や汗をかき、もういてもたってもいられない、というのが画面からヒシヒシと伝わってきて、こっちも手に汗握ってしまう。

 ファッツはコーキーの腹話術人形だけど、明らかに、コーキーを操っているのはファッツで、コーキーはファッツを制御できなくなっている。最初はファッツに本音を言わせていただけのつもりが、いつのまにか、コーキー自身でさえ思考の及ばない言葉を発するようになっている、、、。

 結局、こうして、第三者にファッツとの異常な関係性を知られたことを機に、コーキーはどんどんエスカレートしていき、コントロール仕切れなくなったファッツを腕にグリーンだけでなく、ペギーの夫デュークまで殺し、最後は自分も破滅するわけだが、ラストシーンが今一つピンとこないというか、、、。

 自分の腹を刺して虫の息のコーキーを訪ねてくるペギー。コーキーのコテージに歩きながら「決心したわ。あなたと町をでるわ、コーキー」と笑顔で叫ぶ。そして、ファッツの口調でこう言うのだ。「こんなうまいチャンスってないぜ」

 ペギーは、このとき、デュークの死を知らないはずで、あくまで駆け落ちのつもりでコーキーに「あなたと行くわ」と言っているはずなんだけど、見ようによっては、もしかしたらデュークをコーキーが殺したことを察しているのかも、、、? という気もしてくる。いや、多分、そうなのだろう。ということは、彼女は、人殺しと駆け落ちしようとしていることになるわけだ。

 このペギーという女が、正直なところ、本作の中で一番解せない登場人物だった。夫との関係は破綻していて、コーキーと関係を持つんだけれども、でも、夫と別れることにも躊躇し、、、と、非常にどっちつかずなのだ。それに、中盤で、コーキーに、カードを使った読心術を、「やってみて、自分にやってみせて」と執拗に頼み、コーキーを追い詰めるシーンがあるんだけど、どうもそういう“オカルト”的なものをイイ歳して信じているっぽい、ちょっと頭がよろしくない感じなのである。

 下半身が緩く頭も緩い女、、、。これが最後のシーンで高笑いしている。……って、結構怖くない??


◆その他もろもろ

 この、ファッツの腹話術だけれども、てっきり私は、後から音声を被せたのだと思っていた。見終わってから調べたら、何と、ホプキンス自身が腹話術を完璧にマスターし、自らが演じたのだという。……まあ、彼ならそれくらいやりそうだけど、すげぇ、、、。いっこく堂も真っ青だね。

 42歳のホプキンスは、まあ、それなりにイイ顔しているけど、どうしても役柄のせいもあるんだろうけど、ちょっとイッちゃってる感じが上手すぎてイイ男には見えないんだよなぁ。ジャケットの写真だけ見て、ホプキンス主演と知らされなければ、これがホプキンスと分からない人も多いのでは? 顔が丸くなくて細面だもの。

 バカっぽい女を演じたアン・マーグレットは中年女の色気全開でセクシー。なかなかの豊満バディで、あれなら、コーキーでなくてもイカレちゃうのは分かる。顔も美人だし、不可解な女を上手く演じていたと思う。

 アッテンボローというと、私の中では、ドリトル先生という刷り込みが強い。子どもの頃、よくテレビで放映されていたと思う。だからだろうけど、ああいう、自然の映画の人、みたいなイメージが勝手に出来上がってしまっているのだよね。でもそれは、同じアッテンボローでも、お兄さんのデヴィッド・アッテンボロー……。









ホプキンスのイカレっぷりをご覧あれ




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