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白熱の朝青龍VS白鵬

(朝青龍VS白鵬優勝決定戦、朝青龍の下手投げ)

名古屋のかなくん一家が帰って行き、当家も静かになった。午後、昼寝から目覚めて、テレビを点けたら大相撲千秋楽の結び前の取組まで進んでいた。千秋楽は取組の進行が早い。外国人勢が大関横綱を占めて、どこの国の大相撲か判らなくなってから、大相撲を見ることはめっきり減っていたから、今日は久し振りに、朝青龍と白鵬の秋場所千秋楽結びの一番と優勝決定戦を見た。全勝の朝青龍を一敗で負う白鵬の千秋楽決戦である。

本割りの結びの一番は、白鵬の凄まじい気迫のこもった立会いに、遅れをとった朝青龍は圧倒されて土俵際まで下がり、白鵬の左からの上手投げに背中から土俵に落ちた。もっとも決まり手は、上手投げの前に朝青龍の左足が土俵を踏み切り、よりきりと発表された。これだけの気迫のこもった白鵬は今まで見たことがなかった。

優勝決定戦を前にした10分間の休憩、どっしりと腰を下ろして休む白鵬と、立ったまま決定戦の対策を練る朝青龍の、全く対照的な映像がテレビ画面に交互に流れていた。中でも、朝青龍が付け人相手に左前まわしを取る所作を繰り返しているのが注意を引いた。朝青龍は本割りで負けても同じ相手に2度負けることはほとんど無かった。この短い時間にしっかりと作戦を練ってくる。しかし今日の白鵬の気迫のこもった取り口を見ていると、今日はその記録も覆るかと思った。

優勝決定戦は朝青龍の大きくまわしを叩き、勢いよく塩を取りに戻る所作に、本割りと違った気迫を感じた。立会い、朝青龍は左から入り、左前まわしをガッチリとつかんでいた。それが朝青龍の決定戦の作戦だったのだ。それで白鵬の勢いは全く止まった。白鵬は巻き替えなどを試みたが左前まわしを朝青龍が放すことはなかった。引き付けられて白鵬の上体が浮き上がった。

最後は朝青龍の右下手からの投げで、土俵に重ねもちになった。朝青龍は両手を挙げたガッツポーズで喜びを表わした。横綱の品位を問われる行為だが、これを朝青龍から除いたら、気の抜けたビールになってしまう。大相撲の最高位を外国人に占められておいて、今さら品が無いと言ってみても、犬の遠吠えにしかならない。

白鵬の敗因は本割り勝利後の10分間の休憩の過ごし方にあった。決勝戦の対策を懸命に考えた朝青龍に対して、白鵬はただ本割りの相撲を繰り返すことしか考えていなかったように思えた。朝青龍が左前まわしを取りに来ることは予想できたはずである。それに対してどう対応するのか、考えていなくて、まんまと朝青龍に思い通りの相撲を取られてしまった。

久し振りに大相撲をみてモンゴル出身の力士の迫力に圧倒された。これに勝てる日本人力士は残念ながら見当たらない。
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