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柿の実が落ちる

(裏の柿の木 - 今年は生り年)

裏の畑の次郎柿は今年は生り年で、たわわに実がなっている。そろそろ赤らんで収穫の時期も近い。午後、裏に回ってみると、実がパラパラと落ちていた。薬を掛けないから、青く小さい時に大量に落ちる年はあったけれども、収穫直前にこんなに落ちるのは初めてのような気がする。籠を持ってきて拾ったところ10数個あった。

よく熟れて落ちたもの、虫が付いて落ちたもの、どこも傷無しに収穫直前の状態で落ちたもの、まだ青いまま落ちたもの、見るだけでは落ちた理由がわからない。ほとんどは落ちて間が無いように見える。けれどもこのところ雨風が強かったことも無い。雨が少ないからだろうと女房は言うが、なぜ雨が少ないと落ちるのかが判らない。熟れたものを幾つか皮をむいて食べた。それは十分に食べごろになっていた。

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今朝、出勤すると訃報の通知が机の上に載っていた。I氏の名前があったので、祖父母でも亡くなったのだろうかと、見ていると「本人」とあった。これはどういうことと聞くと、土曜日にI氏本人が亡くなったのだという。何でそんなに突然に。どこか悪くて入院していたとは聞かなかったし、心臓に病気を持っていたようでもない。I氏は39歳、進行性ガンでもそんなに早く人の命を取ることはない。I氏とは部署が違い、直接上司部下の関係だったことはない。しかし、時に交渉を持ったことはあった。出来る男だという印象だった。

半信半疑でいるうちに、色々とうわさに近い情報が流れてきた。しばらく前から腰が痛いと言っていた。少し前に会ったら声を掛けられないほど暗い顔をしていた。I氏は将来を嘱望されていて、若くして大きな役割を負っていた。最近、仕事が変わったけれども、前職の仕事も引きずっていた。大事には至らなかったが、新しい仕事で部下に大きなミスがあった、など。

どこまでが本当で、何がデマなのか、真偽のほどは判らない。どうして死んだのかという皆んなの思いから、色々な憶測が生まれる。

ショックで一日気分が落ち込んだ。I氏のちょっと神経質な暗い顔つきが浮かんでくる。皆んなで御神輿を担いでいるつもりでも、しっかり支えようと自覚を持った人に、荷はずんずん掛かってくるものである。時々肩を外すいい加減さを持ち合わしていないと、その重荷に押しつぶされることにもなる。

青くて熟さないまま落ちた柿の実を見るようで、落ちる前に何か打つべき手が無かったのだろうかと、残念でならない。
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