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「江戸繁昌記 ニ篇」 5 混堂(ゆや)3

(新東名を帰る)

午後、駿河古文書会で、静岡へ出かけた。今日の課題は大変難しく、オリンピックのテレビ観戦に時間を取られて、後半2ページほど、予習を諦めて出席した。当番も、なかなか判断が難しい所が幾つかあって、解読に苦労があったようだ。

古文書会からの帰りに、松坂屋へ寄って、デパ地下で、日曜日に帰る、かなくん達に御馳走するために、お寿司を買って帰った。支払いは、手元にあった商品券を使った。

帰る途中、東名の事故で、東名を降りた車が国一バイパスに集中して、渋滞が起きていた。夕食に間に合わなくてはと思い、藤枝で新東名に乗り換えて帰った。新東名は空いていて、思いの外、早く帰宅出来た。

「江戸繁昌記 二編」の解読を続ける。

浴室は今も昔も声が響いて上手に聞こえるのであろう。ついつい喉自慢も出ようというものである。

室内声高く有り、唱えて曰う、君を候(待)ち、君を候(待)ちて、蚊帳の外に在り。丁鐘、暁を報ずるも、妾(わらわ)が心、豈(あ)に悔(くや)まんや。
※ 君を候(待)ち、君を候(待)ちて -「おまえをまちまち」とルビあり。江戸時代天保二年頃流行した「はねだ節」に、「おまえをまちまち蚊帳の外」という歌詞がある。「蚊に食はれ 七つの鐘のなる迄は こちやかまやせぬ かまやせぬ」と続く。「こちゃえ節」といい、曲は「お江戸日本橋七つ立ち」と同じ。
※ 丁鐘(ちょうしょう) - 町の鐘。時の鐘のことであろう。


清声更に高し。曰う、竹、雪に碎(くだ)けり。雀、飢えに苦しむ。暁寒、骨を侵(おか)す。如奈(いか)んぞ遣(や)り帰さん。
※ 竹、雪に碎(くだ)けり。雀 -「ゆきおれささにむらすずめ(雪折れ笹に群雀)」とルビあり。端唄「雪折れ笹」に、「雪折れ笹に群雀、今朝の寒さに帰らりょか、たとえ年季の増せばとて」という歌詞がある。

暁、湯沸し易く、熱を訴えて児啼く。便(すなわ)ち、板壁を鳴らして水を呼び、送り瀉(そそ)がしむ。熱を好む者、憤(いきどお)り出で、曰う、(しっ)、敗せり。好湯、頓(にわか)曝潦と成り。
※ 叱(しっ)、敗せり -「いまへましい(いまいましい)」とルビあり。
※ 曝潦(れい)-「ヒナタミズ(日向水)」とルビあり。「潦」は「にわたずみ」雨が降って地上にたまったり流れたりする水のこと。


混雑、朝を崇(お)え、飄風漸く止む。暫時、客罕(まれ)なり。伴頭始めて朝食に就く。
※ 飄風(ひょうふう)- 急に激しく吹く風。つむじかぜ。はやて。
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