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「江戸繁昌記 三編」を読む 26

(庭のハクチョウソウ/5月7日撮影)

ご近所から苗をいただいた花で、ハクチョウソウという。ハクチョウは「白鳥」ではなくて「白蝶」であるが、いずれにしても、名前がそぐわない。この白花が一般的で名前が付いたが、最近はこのような赤花も増えて来たという。別名、ヤマモモソウ。ガウラ。北アメリカ原産。

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「江戸繁昌記 三編」の解読を続ける。「侠客」の続き。

隻言の耳に煩(うるさ)く、一挙(いっきょ)の眼に横ぎる有らば、虎(うそ)ぶき、龍驚き、好(よしみ)を壊して、仇(かたき)を尋ね、風を呼び、雲を嘘(は)く。故を以って、献酬の間、風止み、濤(なみ)貼す。千人会(富くじ)、第一牌を刺す時候と、一般やゝ似たり。
※ 隻言(せきげん)- ちょっとしたわずかなことば。ひとこと。
※ 一挙(いっきょ)- 一つのふるまい。
※ 嘯ぶく(うそぶく)-(猛獣などが)ほえる。


乃ち、彼此(ひし)穏當なれば、則ち列位の好漢、咸(みな)曰う、唯々(いい)。中人、便(すなわ)ち請う。為に、玉手を挙げよ。(拍手信を表す、都下風俗)僉(みな)の曰く、。万掌一拍、響き山岳を崩す。掌を鼓す九点(回)、法と為す。前二番六点、並びに緩(ゆる)く連鼓す。後の一番三点、皆な急ぎ一点を踊(よう)す。以ってこれを闋(とじ)る。
※ 唯々(いい)- 同意・承諾を表す語。
※ 玉手(ぎょくしゅ)-(「玉」は美称)相手を敬って、その手や手紙をいう語。
※ 諾(だく)- 承知すること。引き受けること。


これよりして後、東西席を破り、献酬交錯す。また杯、また盤、また羹(あつもの)、また膾(なます)酒雨点、肉霰集、一辺は三頭、一辺は六臂(ひ)、左は歌い、右は舞い、虎嘯(うそぶ)き、龍躍り、轟飲一場、また天地を驚閙し来たる。
※ 雨点(うてん)- 雨のしずく。
※ 酒雨点、肉霰集 -(喧嘩の場面で、「雨点々、霰集々」とあり、それを受ける)
※ 轟飲(ごういん)- 大いに酒を飲むこと。豪飲。
※ 驚閙(きょうとう)- 驚かせ、騒がすこと。
※ 天地を驚閙し - (喧嘩の場面で、「天を驚かし、地を閙(さわ)がす」とあり、それを受ける)


読書:「ゆるキャラの恐怖」 奥泉光 著

最近は頓に軽い本ばかり読んでいる。図書館から色々借りては来るが、寝床に入ってからでは、重い本(物理的にも)は読めないようだ。
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