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「江戸繁昌記 三編」を読む 15

(裏の畑のロウバイの実)

畑の柿の木の下にひっそりと実が成っていた。これは何だと、調べてみたらロウバイの実であった。長さが7~8センチと大きく、毎年実を付けていたはずなのに、今まで全く気づかずにいた。食べれそうに見えるが、毒があるらしいから、口には出来ない。

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「江戸繁昌記 三編」の解読を続ける。「祇園会」の続き。

都人縦遊、皆な、この夕を以って、傍観、佇(たたず)み聞き、を品し、を評し、下俚巴人に遇(ぐう)す。調謔これを攪(みだ)し、次に悪声を以ってす。騒人韻士は別に眼目を着し、を指し、点じ、細かにその画図を品して、観を取る。孰(だれ)か思わん、この雑叢裏(内)に大展覧を挟まんとは。元信なり、雪舟なり、宋画明筆、一巡歴、名流百家の墨を認む。
※ 縦遊(しょうゆう)- 気のむくままに遊ぶこと。気ままに諸方をめぐり歩くこと。
※ 傍観(ぼうかん)- 手を出さずに、ただそばで見ていること。その物事に関係のない立場で見ていること。
※ 竹(たけ)- 竹製の笛、尺八などの管楽器。
※ 絲(いと)- 琴、琵琶、三味線など弦楽器。
※ 下俚巴人(かりはじん)- 下品な俗歌の人。
※ 調謔(ちょうぎゃく)- あざけりからかうこと。
※ 騒人(そうじん)- 詩人・文人のこと。また、風流を解する人。
※ 韻士(いんし)- 風雅を愛する人。詩文を作る人。文人。
※ 障、屏(しょう、へい)- 障子と屏風。
※ 点じる(てんじる)- 選定する。点検する。


本日昧爽、山車鼓譟、次を以って挽(ひ)き出す。その数、山王四十五両、明神、則ち三十六。友人某、神田祭の歌の句に云う。棚車(山車)三十有六輌、車上の傀儡、造り得る新たなり。
※ 昧爽(まいそう)- 明け方のほの暗い時。
※ 鼓譟(こそう)- 太鼓をにぎやかに打ち鳴らすこと。
※ 傀儡(くぐつ)- 歌などに合わせて舞わせる操り人形。


沐猴、冠(かんむり)を戴く、楚王の剌(らつ)しり。野雞、鼓に棲む、庭の獅子奮迅、花、錦を作し。海神激怒、浪、銀を翻す。皎月秋深し、武蔵野白鶴。春、康(やす)らかなり、鎌倉の浜。
※ 沐猴(もっこう)- 猿の類。
※ 楚王(そおう)- 中国における諸侯王、あるいは地方政権の君主の王号。楚王に封じられた、あるいは号した人物はたくさん居る。
※ 虞(ぐ)- 古代中国の伝説上の王朝名。
※ 晨(あした)- あした。あさ。よあけ。
※ 獅子奮迅(ししふんじん)- 獅子がふるい立って暴れまわるように、激しい勢いで物事に対処すること。
※ 皎月(こうげつ)- 明るく輝く月。明月。
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