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「江戸繁昌記 三編」を読む 20

(城北公園のヒトツバタゴと富士山)

今朝、思い立って、女房と、静岡城北公園のナンジャモンジャの木(ヒトツバタゴ)を見に行く。時期は少し遅くて、終わった部分もあったが、新たに雪を頂いた富士山と、これも雪を戴いたようにみえるヒトツバタゴが一緒に写せた。




(城北公園のヒトツバタゴ)

その後、商品券があったので、駅前のデパートで惣菜や御菓子などを買って帰った。

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「江戸繁昌記 三編」の解読を続ける。「侠客」の続き。

丹波大夫、鉄(鉄鉦)(あやつ)りて節を拍(う)つ。妓女錦木翠被を抛(なげう)ち、白刃を蹈む。当日の光景(ありさま)、想(こころ)すべし。奮(ふる)うべし。居士、嘗(かつ)て謂(い)わく、倡優三舛赭顔突鬢素襖を被(ひ)し、長袴(ながばかま)を踏み、大喝、武を扮(ふん)し、数首を一刀揮下に砍(き)り飛ばす。これを家芸と為す。これ蓋し、古人眼中の観の、今に存するものなり。
※ 妓女(ぎじょ)- 芸妓。また、遊女。
※ 錦木(にしきぎ)- 江戸吉原玉屋の遊女。義侠心が強く、侠客鐘弥左衛門と親しむ。弥左衛門が茶亭で侠客小喜田権兵衛と喧嘩を生じた際、両者の刀をうちかけで覆って仲裁、その器量と度胸で世に名を謳われた。
※ 翠被(すいひ)- 翠鳥(かわせみ)の羽で作った肩掛け。
※ 倡優(しょうゆう)- 役者。
※ 三舛(みます)- 歌舞伎俳優市川団十郎。その紋所が「三舛」ゆえ。
※ 赭顔(しゃがん)- 赤みがかった顔。あからがお。
※ 突鬢(とつびん)- もみあげ、耳際の髪を立てた状態。(無礼な格好とされる)
※ 素襖(すおう)- 男性の伝統的衣服の一種。室町時代にできた単仕立ての直垂。江戸時代に平士・陪臣の礼服になった。
※ 大喝(だいかつ)- 大きな声でしかりつけること。また、その声。
※ 揮下(きか)- 振り下ろすこと。


前日、侠客の盛り、兄弟、党を結び、大小、社を締(むす)ぶ。乃ち、神祇、唐犬、鉄棒、鶺鴒(せきれい)などの号を作し、雁陣魚貫衡行(おとこ)を売る。因って或るは、士人(武士)好事(ものずき)、また往々これを為し、柳(緑)を転じ、花(紅)を抹し、武を弄(ろう)して、争いを惹(ひ)く。戯(芝居)に、刑政之厳、仁徳之薫、侠客殄戮。衡行(横行)跡を滅す。
※ 神祇、唐犬、鉄棒、鶺鴒などの号 - 万治・寛文(1658~1673)頃、江戸市中で勢力のあった旗本奴の六つの団体。鉄砲組・笊籬組・鶺鴒組・吉屋組・大小神祇組・唐犬組。
※ 雁陣(がんじん)- 列をつくって空を渡る雁の形。
※ 魚貫(ぎょかん)- 魚を串にさしつらねたように、おおぜいの人が列をなしてつらなって行くこと。
※ 衡行(こうこう)- 横行。自由気ままに歩きまわること。
※ 殄戮(てんりく)- 殺し尽くすこと。皆殺しにすること。
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