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中国でチベット問題を考えた

(高級リゾートホテルの広い部屋)

7日、8日の二晩、杭州で銭塘江に近いホテルに2泊した。合弁会社が手配した杭州薔薇園リゾートホテルで、最近出来た高級リゾートホテルだという。林間にある中国にしてはすばらしい環境のホテルである。部屋は広くて家具も立派なものである。

韓国製の大きな薄型テレビでは中国各地の何十という番組が見られるが、日本のBSは視ることが出来ない。唯一英語のCNNのニュース番組を見ていた。こちらなら判らないながら、想像が出来る。

ところが、時々、放送が短時間だが中断する。電源を落としたと思われるような切れ方であった。だんだん判ってきたことは、誰かが検閲していてチベットの暴動が取り上げられると人為的に落としているようである。なぜなら、前のほうが流れ始めあわてて落とされるケースもあるからである。

中国のテレビにチベットの暴動のニュースはまったく報道されない。だから、中国人はチベットで暴動があったことすら知らない。自分も中国人とはチベット問題は話題にしないようにしてきた。同じベースで話が出来ないからである。その徹底振りは通常の中国人民は見ることの無いCNNテレビまで及んでいた。

9日は杭州市内の日本人が多く利用する杭州香溢大酒店に泊まった。ここではNHKのBS1を見ることが出来る。杭州でBS1が見えるホテルは少ない。余り過激なものは無かったが、ここでは検閲されていないように思えた。

中国政府はチベット問題を内政問題で、口を挟む他国に対して内政干渉だという論調である。しかし、国内でも一切報道しないということは、内政問題にもなっていない。内政問題だというなら、国内でしっかり議論して解決する努力が無ければならない。

中国政府はいまだに報道を統制して人民を統治するという、報道メディアが出版、放送しかなかった時代の手法が、今でも通用すると思っている。しかし、ネット時代になって、報道に対する人為的な統制がすでに不可能になったことは歴史が証明している。

人為的報道統制の怖さは、たとえば、チベットの暴動を報道せずに、世界の聖火リレーの妨害だけを報道すると、中国が行う国家的行事に世界の国々が妨害しようとしている構図に写るであろう。中国人民を大きくミスリードすることになる。ミスリードが大変な事態を起こすことは、何年か前に起きた排日デモが証明している。

ところで、日本では小さなビジネスホテルでも設置するようになったものに、ウォシュレット(普通名詞では何というのか)がある。一泊した杭州香溢大酒店で、中国で初めてウォシュレットの設備された部屋に泊まった。パナソニックの製品であった。二晩泊まった新しい高級リゾートホテルにも備えてない設備である。
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