※※※
見上げると
そのかすかな枝枝に
さらにかすかな枝わかれ
春空に
わずかに芽吹いた新しい枝が
その手を伸ばそうとしている
どこもかしこも
樹はその手の先に連なるいのちを
さらに高く広くと
伸ばしている
いのちは
伸ばした先でふんわり空となじんで
陽炎のような不確かなぼんやりとした姿となっている
やがて春空に溶け込んだ
枝先のいのちが
空の風に運ばれて
町を駆け巡る
ふんわり
ぼんやり
町は春に包まれる
※※※
新録の季節の樹も好きだけど
春の樹がいっとう好き
曇り空でも晴れ渡る空でも
樹の周りはどこかぼやけて見えて温かい
見ているだけで温かい
運転しながら空に手を伸ばした枝先を見る
黙ってずっと見ていたくなる
そのまま車のフロントガラスを飛び出し
空に向かって飛んでいきたくなる
欅の街路樹がわたしを呼んでいる
そんな狭いところにいないで
こっちへおいでよ と
あぁ、
そうだった
春は生きている
※※※
樹はいつもわたしを喜ばせてくれます。
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見上げると
そのかすかな枝枝に
さらにかすかな枝わかれ
春空に
わずかに芽吹いた新しい枝が
その手を伸ばそうとしている
どこもかしこも
樹はその手の先に連なるいのちを
さらに高く広くと
伸ばしている
いのちは
伸ばした先でふんわり空となじんで
陽炎のような不確かなぼんやりとした姿となっている
やがて春空に溶け込んだ
枝先のいのちが
空の風に運ばれて
町を駆け巡る
ふんわり
ぼんやり
町は春に包まれる
※※※
新録の季節の樹も好きだけど
春の樹がいっとう好き
曇り空でも晴れ渡る空でも
樹の周りはどこかぼやけて見えて温かい
見ているだけで温かい
運転しながら空に手を伸ばした枝先を見る
黙ってずっと見ていたくなる
そのまま車のフロントガラスを飛び出し
空に向かって飛んでいきたくなる
欅の街路樹がわたしを呼んでいる
そんな狭いところにいないで
こっちへおいでよ と
あぁ、
そうだった
春は生きている
※※※
樹はいつもわたしを喜ばせてくれます。
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