心の色を探して

自分探しの日々 つまづいたり、奮起したり。
マウス画・絵及び文章の著作権は このブログ作者(けい)にあります。

びっくりぽん!

2018年05月25日 | 母のこと
ちょっともじもじとしながら、昨日、母が話し始めた。

夜遅く携帯が鳴った。もう母も眠りに入る頃、夜の11時過ぎだったそうだ。
ん? こんな時間にかけてよこす? それも携帯に?
はっ! もしか○○(わたし)に何かあったのか?
そう思いながら枕元の携帯を手に取り、「もしもし」と言った。すると相手は男性。寝ぼけているので孫の○○○だと思ったらしい。
「○○○だか、どうした、風邪引いたのか」というと相手も〈風邪引いて」と答えたそうだ。そのとき声がわたしの息子の声に似ていたらしいので、母の考えではわたしから携帯の電話番号を聞いていたずら電話をかけてきたと思ったらしい。
それは少しの間だけで、その後は別の孫からだとすっかり思い込んで受け答え。
向こうが「おばあちゃん、何歳だっけ」と聞かれて「もう今年誕生日くれば86歳だよ!」と答えたり。
「毎日○○子(私のことね)が来て御飯支度してくれるから大丈夫だ」と言ったり。
向こうより母があれこれ話したそうな。
すると向こうが「おばあちゃん、俺酔ったから切るよ」と言ったので、「今度はこっちからかける」と言ったら、「いや、俺の方からかけるから」といって切ったそうな。

その話をわたしが行くとすぐに教え始め。
わたしはすでに夜遅く電話が携帯にあったという時点でおかしいと思っていて。
母が話している途中で、母がすっかり信じこんでいた孫の○○○の携帯番号をチェック。それとかかってきた番号を照合。

そのあと、「母さん、○○○にこの携帯の番号教えた?」と聞くと、首を横に振った。
これは、完全にオレオレ詐欺の予備段階じゃないですか!

母の携帯は、わたし以外にはほとんど知らない。
そしてわたしの番号から発信されると○子と番号の上に名前が着く。それをきちんと母に教えて、その他の登録している数名の名前を教えた。今回かかっていた番号には「詐欺」と命名。
「たぶん、別の番号で色々かかってくるだろうけど、登録している番号だったら名前が出るから名前が出なかったら出ない方が良いよ」と念を押した。

母はそうとうショックだったようで。まさか、このわたしが・・・と。だて、いつもオレオレ詐欺の報道があるたびに、自分は大丈夫だと自負していたんだもの。
でも、そういう人に限って・・・ということがあるらしいとこのときは話していた。
すっかり孫からだと信じこんでいたようだった。
でもね、相手がお金の話をする隙間を与えないで電話を切らせたからよしとしましょうよ。また後でかけるから、と言ったというけど、もうでなきゃいいんだからね。
一体、どんな手で母にお金の話を持って行こうとしたんだろうねと三人でその話題で持ちきりです♪

コメント (2)
この記事をはてなブックマークに追加

帰り際に

2018年05月22日 | 母のこと
帰り際に「今、盛りだから切って持って行けば」と、沢山咲いている中からお勧めのエビネをよこした母。二本でいいから、と言って急いで部屋に戻り、窓辺に飾っていた花瓶に挿した。

母の台所にはすでに裏庭から切ってきたエビネが挿してあった。
白より黄色の方が綺麗なんだけどね、今年は無理かもしれないなあ、と残念そうな顔をしていた。昨年あちこち移動させたので、すねてしまったかもしれないねと。

時々、母はわたしに庭の花を持っていけと言う。もう散ってしまうから綺麗なうちにと。綺麗なうちに飾ってあげたら、と思うのだろう。わたしはと言えば、言われるまで切るつもりはサラサラなく、いつも声かけされてから。もしかしたら母はわたしが「あの花綺麗だから持って行ってもいい?」と言われるのを密かに待っているのかもしれない。
それでも帰り際になると、すっかり庭の花のことなど忘れてしまい、急いで母の元から帰ってしまう。

花一輪さえも母の気持ちがあるようで、なんだか和んでくる。部屋に花があるだけでなんだか気持ちよい。
きっとその気分を味わってもらいたかったんだろうな。
そんなに急いで戻らなくても・・・と言いたいのを我慢しているのかも。
そういえばこの頃、叔母がいることをいいことにサッサと帰っていた気がする。反省・・・

コメント (4)
この記事をはてなブックマークに追加

本物?

2018年05月17日 | 母のこと
昨日のこと。母の薬を取りに行き、ついでに買い物を済ませて行った。
いつもの時間より少し遅れていったのは、息子のところに届け物があったからだった。ちょうど今から出勤だよと忙しく準備をしているところに出くわした息子だが、それでも少しの差し入れを置くと、ちょっと嬉しそうだった。
その帰りに母の所へ夕飯の準備で行ったのだった。

台所に行くと、すでに叔母が母の命令(笑)で、もらい物のフキを細く切っているところだった。炒め煮をする予定らしい。ひとつおかずがこれで足りるね、と予定していた焼き魚だけを残すのみとなった。
「じゃあ、焼き魚は食べる直前に焼くことにすればいいから、今日はあとやることないね」と言うと、母が
「だから今日はゆぅっくりお風呂に入ってあったまっていって」と追い炊きボタンを押した。

母は叔母が蕗を切るそばのテーブルで椅子に腰掛けていた。自分ひとりが居間にいるのは寂しかったのかもしれない。叔母とふたりでまたあぁでもないこうでもないと他愛ない話をしていた。

すると、テーブルの上に置いてあったガジュマルの鉢をまじまじと見た母が、素っ頓狂な声で
「あれ~! これ、もしかして・・・」というとガジュマルの枝先にあった葉っぱに触ると、ひょいとそれをつまんだ。
なんと、その枝がスポン! と取れたのだ。
これにはわたしもびっくり。

えっ? なんでなんで?

すると蕗の炒め煮を作り終えた叔母がそばにやってきて、ふふふふと含み笑いをした。
「ようやく見つけたね~。もう何日も前から挿していたんだけどちっとも気がつかないんだから」

母が何かお弁当とかに入ってきた葉っぱの作り物を綺麗だからと取って置いて引き出しに入れていたものだという。たまたま叔母が引き出しを開けたらあったので、これはもしかして・・・と思ってガジュマルの枝先に挿してみたら、スポッとはまったのだ。まるで本物みたいに見えるので、これにいつ姉が気がつくか、わくわくしながら待っていたというのだ。ところが、いつまでたっても気がつかないものだからいい加減種明かしをしようかと思っていた矢先の出来事。
これで叔母のドッキリ企画は大成功! というわけ。
お茶目な叔母に今回はしてやられた母とわたしだった。

ところで、どれが偽の葉っぱかわかるかな?

コメント (2)
この記事をはてなブックマークに追加

いちごちゃん

2018年05月16日 | 母のこと
母の庭にプランターで植えていたイチゴ。
それを昨年の秋に地植え。今年、叔母が来てくれて庭を整理してくれた。このイチゴも菊とごちゃ混ぜ状態の春先の様子を見て、母の監督下のもと、叔母が綺麗に地植えを整理してくれた。
結果、広々とイチゴが気持ち良さそうにしている。菊の花たちも間隔を置いて隣のスペースに植え替えていた。
すでに白い花がいくつか咲いている。このイチゴは結構美味しいので、実がつくのが楽しみだ。
気をつけないといけないのはカラスとか野鳥。見つかるとわたしたちの口に入る前に食い散らかされてしまう。

少し空いた場所には植えたことのないものが出てきていた。
三人で首をかしげていたが、結論は「ご近所さんが鉢植えしていた野いちごが飛んできたのではないか」ということに落ち着いた。



これはこれで小さな可愛らしい黄色の花。

母の玄関。風除室に大きな椅子を置いた。背もたれがついているラタンの椅子。そこに母はお昼過ぎの時間、叔母がお昼寝している時間にそっと座る。叔母の睡眠を邪魔したくないためだ。
そしてひとりでは歩いていけない向かいの庭を眺めている。離れていても白い花と黄色い花は見えるらしい。それが毎日色を増やしていく様子が嬉しいと言う。
さらに玄関前の庭に昔から植えていたカリンの木。それは昨年三つだけ実を付けた。それが母には最高に嬉しかったらしい。そして今年はなんと、赤い小さな花がたくさんついている。数えたら30個は軽くあるよ、とこれまた顔を崩して報告しえくれた。叔母とふたりで花がついている場所を探す、それがこのところの日課になっているらしい。

叔母が来てくれて、母にとっては心強いものがある。毎日庭のどれをどうするか、その話し合いに気持ちも弾むというわけだ。読書好きな叔母が「本を読む暇がないんだよ」と笑って言った。読書は好きだけど草取りが一番好きなんだそうだ。わたしには無理だなと思った。
明るい叔母がいてくれて、母も笑ってばかりいるみたい。笑う門には福来たる、本当にそうだねってわたしもふたりから笑顔をもらい笑顔がこぼれる。

この叔母がいてくれて本当に良かった・・・
イチゴが出来たら今年は一番に叔母に食べてもらおう♪

コメント (4)
この記事をはてなブックマークに追加

母の好きな紫陽花を

2018年05月13日 | 母のこと
母は紫陽花が好き。だからわたしも叔母も紫陽花をプレゼントすることが多い。叔母はずっと何年も紫陽花を送ってくれたそうだ。その送ってくれた鉢植えの紫陽花を庭に植え替えて、ずいぶん大きく育ててきた。
わたしが母の好みを知ったのは、ほんの14年ぐらい前のこと。それまでは母が紫陽花好きだなんて知る由もなかった。
というのも、実家にわたしが頻繁に顔を出すようになったのは、このアパートに住む14年ほど前から。それまでは事情があって疎遠になっていた。一人暮らし、それも療養の身となってからの話だ。

その頃は父もまだ健在(とも言えないが)で、二人共わたしの病後をいたく心配したようだ。そんな心配をかけてしまった娘がこのわたしだ。子どもというのは親の気持ちを慮るのはかなり遅い気がする。若い頃は子育てや仕事に夢中で、親が自分のことをどんなに心配しているか、なんて考えたこともなかった。そして親は何かあったら手助けしてもらう存在だとばかりに、幼い我が子たちの面倒を任せたり。1ヶ月ぐらい頼んだこともあったなあ。
なぜ頼んだのかはまだまだここでは語れない。が、その当時のことを振り返り、母がときどきあの頃の孫の様子を語る時がある。それは大変だったけど、楽しかったんだよ、という口調だ。

楽しかった、と言われると、なんだか重しが軽くなっていく。自分が都合の良い時だけ親を頼みにしてきたという気持ちがあるからだ。

そんな昔話はさておいて、母が紫陽花を好きだということを知ったわたしは、何度か変わった紫陽花をプレゼントしてきた。今回も買うつもりで入ったわけじゃないけど、ホームセンターの入り口付近に特別コーナーとして紫陽花の鉢が並んでいたのが目に入った。見事なピンクでまん丸のや、群青色のや、薄い紫のや、様々な紫陽花がここぞとばかりに並んでいた。
わたしはそれらを眺めながら、どれが母のお気に召す紫陽花だろうかと思案した。

母は派手なことを嫌う。かといって平凡なものも嫌だろう。
ということで、ど派手ピンクまん丸は退けた。群青のもいい色だなと思ったけど、はかなげな色の方が好きそうだ。
決定したのが冒頭の紫陽花。品種改良なので地植えは無理かもしれませんと言われたけど。仕方がないね。

持ち帰って早速「早いけど母の日のプレゼントだよ」と玄関に置いた。
ちょうど母と叔母が玄関先で庭仕事について話しているところだった。
「綺麗な色だね~」
母の顔がぱあっと輝いた。

数日前のそのときの母の顔を今思い出している。
今日は母の日。
これから先ずっとこうして母の笑顔が消えないでいてほしい・・・

コメント (8)
この記事をはてなブックマークに追加

競馬番組を見ています

2018年05月06日 | 母のこと
競馬はやったことありません。← こういう表現でいいのかな。

競馬や競輪、競艇など会場に行ったこともありません。そういうことには興味が無かったのです。
ところが、最近、日曜日に入る競馬のテレビ番組を何度か見ています。きっかけは四月だったかに入った競馬番組をたまたま母のところで見たことでした。母が
「馬ってどうしてこんなに綺麗なんだろうね~」と言いながら画面に釘付けになっていました。そこでわたしもつい画面を見たのです。レースが始まる前の様子を見ていると、その立ち姿や歩く姿が一頭一頭違うことに気がつきます。それぞれの馬を見ながら、母があぁでもないこうでもないと品定め。
わたしも画面に映った一頭の馬を見てなかなかいいなと思ったのです。別にどこがどういいのかってわかりませんけど。

そして頭に浮かんだその馬のナンバーを見て
「このレースはこの馬が一等になる!」と予想したのです。母は母で別の馬を予想。

そしてレースが始まったら、なんとわたしが予想した馬が一等!
母もわたしもキャーキャー。
「お前買えば良かったのに」
「何言ってるの、今頃は売ってないよ」と笑いました。

そんなことがあって次の回、またしてもふたりで見ることになりました。この間は当ったという話で盛り上がり、そのまま番組を見ていました。母は入場する馬の様子を見ては、この馬は落ち着きが無いとか指摘しています。わたしは競馬の馬のことも全然わからないので直感を頼りに。またふたりで当てっこしました。

なんと! 今度もまたわたしが言った馬が一等に!
これには母もわたしもびっくり。

今日は、叔母が母のところに泊まっているので三人で見ました。母が叔母に「○子は二回とも当てたんだよ!」と教えていました。叔母が競馬のことをあれこれ訊いてきます。
でもね、わたし競馬のこと全然知らないんだけど。ただたまたま見ていた時に一等を当てただけなんだけど・・・それなのに競馬のことを知っているかのごとく当然答えが返ってくるものと叔母も母も色々質問してくるのよ。
番組中、色々聞かれても返答に窮するわたし。
そのせいか集中できずに(笑)、今日は散々でしたわ。

母が競馬番組を見るようになったのは、亡くなった父と二人で見てから。世の中にこんなに美しい生き物がいるのかと驚いて見ていたそうです。たてがみが風にたなびく様子や細い足が駆ける様子、よく手入れされた胴体が照り輝く様子、そのどれもが美しいものとして目に染みこむのだと言います。父と目を細めてふたりで仲良く見ていたであろう番組。解説の方の顔を見ながら「この人はずっとやっているんだよ」と父との思い出を振り返るように語っていました。
思い出の番組が競馬番組というのもまた母らしいのかなと思ったり。

馬券を買おうとは思わないけど、こうしてどの馬がいいかななんて楽しみながら母たちと見ている時間もまたわたしにとっては至福のときなのかもしれないな、きっと。父の代わりにはなれないかもしれないけどね。

コメント (2)
この記事をはてなブックマークに追加

もらい泣き

2018年05月02日 | 母のこと
母が台所に立つわたしを呼んだ。TOKIOの4人のメンバーの会見が始まるからと。
「え~、質問も同じようなことを聞くだけじゃないの?」と言うと、一緒に見ようと誘う。
どうもひとりで見たくないらしいので、しぶしぶわたしもコタツに向かった。

松岡くんが何度も泣きながら話すのを見た母が、
「もう見るの止めようかと思ったけど、この人だけは本音を言ってる気がするからね~。後の人たちは何かなかなか自分の意見を言えないものがあるんだろうね~」と言った。
「松岡くんはわたしがTOKIOの中で一番好きだった人だよ。後輩に兄貴、兄貴って慕われているらしいよ」
「やっぱりなあ」

結局、母は最後まで会見を見ていた。途中、松岡くんが語るたびにもらい泣きしている。

きっと母は今日から松岡くんのファンになったに違いない・・・

わたしも昔、松岡くんのこと好きだったよなあ、と改めてあの頃好きになっていた自分を思い出していた。
これからどうなっていくんだろうね。それにしてもSMAP解散から次々と出てくるね、問題が。
メディアと芸能界の力関係に変化が出てきたのかな、なんて考えてしまうこの頃だ。

コメント (2)
この記事をはてなブックマークに追加

どこへ行った

2018年04月24日 | 母のこと
母の手仕事は、体調のいかんによって変化する。調子がいい時は服のリメイクに結構時間を取っている。
最近は、もう外に着ないであろう春夏物の上着を家の中で羽織るチョッキに変身させたいとあれこれ痛い手を使っていた。袖をほどく作業はわたしが手伝ったのだけど、ほどいた後のしつけをかってデザインを考えるのは母だ。何度もセーターとかをチョッキに変身しているので、母の頭の中にはすでにこういう姿に、というアイデアがあるのだろう。

大きくなってしまった(脂肪がついた)お腹をカバーできるようなもの、それがいつものパターンだ。
上着についていたジッパーを外してあげたら、取った袖を利用して左右の前身頃に足す。袖ぐりには買ってと頼まれたバイヤスを使っていた。別の部屋から持ってきてと言われたミシンをコタツに置くと数日はそのままだ。
「他の人が一日とか数時間で出来るものを何日もかかるからなあ。そのたびにあっちの部屋からミシンを持ってきてもらうのも悪いし。当分はコタツが散らかるけど仕方ないよ」
そう言って、コタツに広げていた。

昨日、月曜日までの期限の仕事があったので、母のところに行ったのはいつもよりかなり遅かった。途中、買い物もしていったので、車を駐車しトランクから荷物を運び出してから家に入ると。
母が縁側の椅子に腰掛けていて、カーテンを開けていたのかクルリと振り返った。
「お前がいつこっちを見るかじっと見ていたけど、ちっとも見てくれなかったよ」と苦笑いしていた。
「あ~! なんだ窓から見ていたんだ。全然気づかなかったよ」
「お前はいつもそうだからなあ。周りのことに注意がむかないんだから」
そうなんだな、自分でもわかってる。目の前のことに夢中で周りに目がいかない。そういうことがしょっちゅうだ。これは直せと言われても簡単には直せない。

コタツにはやりかけの服が置いてある。それを指さし
「最後は手で縫おうかと思っているから・・・」と母が言う。
「わかった、あっちに持って行けばいいんだね」
「悪いね」
「いつでも言ってくれれば運ぶから」と言ってミシンを向こうの部屋の定位置へと運んだ。

仕上げは手縫いにするといった母だが、すぐにはやらず。なにやらごそごそ動いている。どうしたのかと新聞を広げて読もうとしていたわたしは顔を上げた。
「どしたの?」
「いや、眼鏡が見当たらないんだよ。コタツの上にあったんだけど。午前中に使ったのに」
一緒に探した。こたつをめくり、その周辺を探しても見つからない。その間母が心配そうに
「いよいよ、ボケてきたのかな・・・」と言う。
「なんでよ。そんなことぐらい誰にもあるでしょ」
「でも午前中はちゃんと使ったんだよ」
わたしも真剣に探した。

わたしは案外捜し物がうまい。そのわたしでもなかなか見つけることができない。時間が経つほどに母の不安そうな顔が目に付く。
とうとう、見つけた!
母が座ってるソファの脇にストンと落ちていた。
「あー、お昼食べるときにいったん服を寄せたんだ。そのとき落ちたんだな」
ふたりとも胸をなで下ろした。

しばらくして「お風呂が湧きました」という声が聞こえた。先にわたしが入ることにした。
母に「お風呂先に入るよ」と声をかけると
「今度は裁ちばさみが無い」と言い出した。大きな裁ちばさみだ。あの大きさのものが無くなるとは考えにくい。
「ハサミが足に刺さったら大変だ」
お風呂そっちのけで探した。今度はそんなに時間がかからなかった。というのは、さきほど見つけた眼鏡と同じ場所にストンと挟まっていたのだ。きっとふたつとも同時にコタツの上からするりと落ちたに違いない。

「こんな風に裁縫やってると針を探したりする時間ばかり多くて、ちっともはかどらないから。もう後は止めた」
そう言う母の言葉を背にお風呂に入った。
上がるとテレビの時代劇を見ていた母が振り返って、手を広げた。その手にはさっきもう止めたといったはずのリメイク途中の服があった。ニコニコしながら
「テレビを見ながらだから、ここまでしか出来なかったよ」と満足そうな顔で言った。

好きだからしょうがないね。こりゃ止められないわ(笑)。


コメント
この記事をはてなブックマークに追加

少しずつ少しずつ

2018年04月17日 | 母のこと
母の庭も少しずつ少しずつ・・・
ちらほらと緑が見えてきました。雪に埋もれて斜めになっていたプランターには菊の小さな芽がぴょんぴょんと伸びていて、斜めを元に戻し、土をかけてあげました。もちろん、母の指示でね。
わたしはそういうことは全然疎くて気がつかないけど、母が物置の窓を開けて庭を見たら、そこに無残にプランターが斜めになって見えて、わたしに出動命令が下ったというわけ。母は窓から顔を出し、わたしにあれこれと指示。プランターがまっすぐになるように下の石をならすことから始め次は根が見えそうになっている部分に土を探し、かけてあげることを指示。

娘のわたしは偉大なる(笑)母の指示には逆らえない。
なんといってもガーデニング○○年の年季が入っているものね。父はそういうことには疎くて、あっわたしは父に似たんだね。
逆に亡くなった弟が母とは趣味があっていたね。弟もガーデニングはよくやっていて、二人であぇでもないこうでもないと。母に頼まれてよく花の苗を買いに行っていた弟だった。可愛い草花を見る事も写真に収めることも好きだったね。

同じ姉弟なのに、趣味というか興味の対象が違うって面白いね。わたしは父に似ていたんだろうなあ。でも囲碁は出来なかったけど。
父がガーデニングには少しも興味がなかったので、母はまだ体が丈夫だった頃(といっても痛み止めが効いていただけだけど)レンガや土を自分で好きな風に使って裏庭と前の庭を自分なりに作り上げた。それが今では小さな草さえも取るのが困難になっている。どれだけ悔しいことだろう。
最近、母の口癖は
「今年も○○(母の妹)、来てくれるよな」だ。叔母は草取り大好きで、母のところに滞在している間、庭がきれいになった。母も嬉しかったに違いない。
その叔母がいつ自分のところに来てくれるのかと心待ちにしているこの頃だ。
それというのも、娘のわたしが不甲斐ないからだけど。草取りの仕方も分からない。これって覚える気がないからだろうね。今年こそはちゃんと覚えようと思っていたんだけど、母には全てお見通しのようで、叔母に期待をかけている。わたしは眼中に無い、頼りにならないと思っているようだ。

その叔母がいつやってくるか、首を長くして待っている。わたしも母も♪
遅すぎた春は、叔母と共にやってくるのかもしれない。

コメント (4)
この記事をはてなブックマークに追加

「気持ちいいね」

2018年04月14日 | 母のこと
火曜日、母の診察付き添い。市内といっても郊外だから車でもちょっと時間がかかる。
市内にある大きな総合病院はまだ新しい雰囲気が満載だけど、こちらはやっぱり年季が入った感じのする病院で、診察科目も三つだったかな。でも、小上がりの畳がいくつかあって、広く感じる造りが母と「いいね」と話している。
その日はCT検査も急に入ったので、いつもより時間がかかったけど、それでも午前中に終了した。
事務手続きを終え、車いすの母に
「ここで待っていてくれない? 車取ってくるから」と言って玄関先に運ぼうとしたら、母が指さした。

「あれ、いいよね」って。

指さした先にあった生け花。
「あらぁ。いいね~」
母をそこまで連れていった。

二人で眺め、感心しながら見入った。隣にもあった。



「こっちはスッと立っている感じで、器もそれに見合った感じだね」と母。
「そうだね~。この花器がまたいいね~。そっちはまた違った雰囲気で可愛らしいね」
「そうだよなあ。なんかこういうのがあると気持ちいいね~」
「気持ちいいね~」

ふたりでしばらく眺めていた。
ほんっと、気持ちいいほど綺麗な生け花だった。この病院、あちこちにこうした生け花が置かれている。誰か生け花をたしなむ方が職員にいるのだろう。花があるだけでこんなに和やかな気分になる。見つけたわたしたちは気分も上々。

病院に行って、気分いいねって言えるのもまたいいものだなと思った。
コメント (6)
この記事をはてなブックマークに追加