我が町は盆地で、周辺にはそんなに高くない山があります。
その中の高い山にひときわ目立つものがあります。それは「大」という文字。
夏、8月16日には大文字まつりがあり、夜の8時にはこの大に松明がともされ、送り火となります。
この大の文字が赤くともされやがて少しずつ夜の闇に消えていくのを見ていると、あんなに暑かった夏がもう山の向こうに去って行くのだなあと感じます。
この大という文字が、冬の始め初冠雪と共に町で一番早く白く染まるのです。
冬まっただ中では周りが皆白くなり、どれが「大」なのかわからなくなりますが、最初は見事に「大」の字が浮かび上がり、夏とはまた違った風情があります。今年は雪が少なかったのですが(まだ3月もありますが)、それでも山と里では違います。すでに町中は雪の残骸が道路脇に並べられ、ほこりっぽい道路となっています。
白い山がやがてどんどん茶褐色の肌を見せていくのもそう遠くないでしょう。今はまだこんな風に「大」の文字がある部分だけが白くなっていますが。
遠くに見える山の頂上近くが白くなっているのが「大」の文字がある部分です。
「大」がやがて春の装いを始めます。
わたしの町の春は「大」が姿を現わすと本格的にやってきます。
そして町中の庭先で少しずつ花芽が待ちわびたように膨らんでいるのです。
母の玄関先でも君子蘭の芽が。
まだ溶けかけた雪で土は見えませんが、庭の草花も今か今かと待っていることでしょう。
白い「大」が消え、土色の地肌を見せる頃、南から上ってくる桜前線が長木川の土手沿いの桜の木々を揺り起こしてくれるでしょう。
春が来るってほんとに嬉しくなります。待ちわびるという言葉がすごく似合う季節だと思うのは雪国に住んでいるからかなと思ってしまいます。
その中の高い山にひときわ目立つものがあります。それは「大」という文字。
夏、8月16日には大文字まつりがあり、夜の8時にはこの大に松明がともされ、送り火となります。
この大の文字が赤くともされやがて少しずつ夜の闇に消えていくのを見ていると、あんなに暑かった夏がもう山の向こうに去って行くのだなあと感じます。
この大という文字が、冬の始め初冠雪と共に町で一番早く白く染まるのです。
冬まっただ中では周りが皆白くなり、どれが「大」なのかわからなくなりますが、最初は見事に「大」の字が浮かび上がり、夏とはまた違った風情があります。今年は雪が少なかったのですが(まだ3月もありますが)、それでも山と里では違います。すでに町中は雪の残骸が道路脇に並べられ、ほこりっぽい道路となっています。
白い山がやがてどんどん茶褐色の肌を見せていくのもそう遠くないでしょう。今はまだこんな風に「大」の文字がある部分だけが白くなっていますが。
遠くに見える山の頂上近くが白くなっているのが「大」の文字がある部分です。
「大」がやがて春の装いを始めます。
わたしの町の春は「大」が姿を現わすと本格的にやってきます。
そして町中の庭先で少しずつ花芽が待ちわびたように膨らんでいるのです。
母の玄関先でも君子蘭の芽が。
まだ溶けかけた雪で土は見えませんが、庭の草花も今か今かと待っていることでしょう。
白い「大」が消え、土色の地肌を見せる頃、南から上ってくる桜前線が長木川の土手沿いの桜の木々を揺り起こしてくれるでしょう。
春が来るってほんとに嬉しくなります。待ちわびるという言葉がすごく似合う季節だと思うのは雪国に住んでいるからかなと思ってしまいます。