4日(木) MINTON HOUSEにて。
ヴォーカル中本マリ 大石学(p) 米木康志(b) セシル・モンロー(ds)
ライブ。
初めて生で聞いた中本マリ。
わたしはカウンター脇の冷蔵庫の前に陣取り 缶ビールを出す役をこなしつつ・・・(笑)
ちょうどマリさんが歌う姿が隠れてしまう場所だったので 見ることができなかったが、ときどき前のめりになると拝見できた。
マイクいらないんじゃないの?と思えるほど マイクをずーっと離して使っていた。想像していたのと全然違う声。ハスキーで太い声にビブラートが広くやわらかくかかる。
こなれた歌詞が まるで分身のように空間に溶け込んでいった。
脇を固めるトリオの演奏もまた素晴らしかった。決して前に躍り出るというわけではなく それでいてしっかりと自分の領分を抑えながら うまいスタンスで見せてくれた。ピアノの大石さんの前に陣取った同級生は 大好きなピアノだから堪能しただろう。幸せの余韻に浸っているのがわかった。途中で大石さんが
「今回はこれなので(キーボードを指す)30音ぐらい少ないから 選曲に迷ったんですよ」と話していた。
それでも少ない音階を縦横無尽に使いこなしている姿に圧倒される。時に甘く 時に大胆にヴォーカルにまとわりつきながらもヴォーカルのここぞというときには 少し離れて弾きこなす。
ヴォーカルとの相性のいいピアニストだなと思った。なかなか難しいものだと思うが、彼はそれをやりこなすことのできるピアニストだと思う。貴重な存在だ。
マリさんが歌うテネシー・ワルツは圧巻だった。目を閉じると目の前に光景が浮かんできそうな 時がさかのぼる気がした。これが長年歌ってきた経験というものの重みなのだろうか。
ところでメンバーが来店するほんの数秒前に女性のお客様が入ってきた。それがどういうわけかマリさん風?の方で 一瞬みんな 間違えそうになった(拍手をしそうになった) すぐに次にマリさんが入ってきたので みんな爆笑。マリさんもそれに気がついて ライブの途中で
「そこのあなた お名前なんというの?」と奥に座った彼女に。
「○○子です」
「じゃ 今からわたしは○○子ね、あなたがマリよ(笑)」と。これにまたまたみんな爆笑。終始 こんな風に和やかな雰囲気でライブは行われた。
わたしはマリさんの姿が見えない場所だった代わりに ドラムの手だけが見える位置だったので ドラムの動きを堪能した。途中からは米木さんの古いベースの背中だけが見える位置に座ったので その鈍い輝きをずっと目で追いながら、演奏を味わった。
演奏終了後 米木さんに尋ねたら、あのベースは150年ぐらい前の物だそうだ。あちこち修理がほどこされているらしい。こすれた後がとても美しいベースだった。大事に大事に使われてきたのだろう。ベースのことを話す米木さんは恋人のことを話すように嬉しそうな顔をしていた。
大石さんがアルバムを出したということでマリさんが何度か宣伝した。持ってきていたCDは完売した。後でわかったことだが、マリさんはご自分のCDを一枚も持ってこなかった。すべて大石さんのニューアルバムだけ。その心意気にみんなマリさんを好きになったと思う。(スタッフ打ち上げで)
メンバーとの打ち上げは最高に楽しかった!
大石さんのアルバムにサインをいただき、マリさんはアルバムが無かったので、チケットにサインをお願いした。
大石さんとの会話はとても面白くて この方ギャグが出まくりで、わたしはもしかしてコケにされた?と思うほど。それでもそういう時間とライブの高揚感でわたしの中でしあわせ感が増幅しまくりだった。
しあわせ。素晴らしい演奏をそばで聞けるしあわせ。思いがけない演奏者の素顔?を見れたしあわせ。
わたしは しあわせな時間を持てたんだなぁ・・・♪
中本マリ公式サイト
大石学公式サイト
『Steppin'Up』
最初のラップをドラムのセシルが演奏しているのにまず驚き。シンセを巧みに使いこなす大石さんの魅力にノックアウトされました!もちろんアコースティックも冴えわたってます。抒情的な曲は目の前を風が吹いていきそうな気がします。
旋律がいいんですねぇ。オリジナルだというからますます気に入りました♪