心の色を探して

自分探しの日々 つまづいたり、奮起したり。
マウス画・絵及び文章の著作権は このブログ作者(けい)にあります。

『千の風になって』(CDブック)

2007年01月31日 | 紹介します

新井満が作曲し歌うCDが入っている『千の風になって』を 書店で見つけたのは少し前のことだった。
運転しながらCDを聴いてみようと思っていたのだが、まだCDを聞いていない。先日 実家で偶然BSで彼が歌っているのを聞いた。暖かい声だった。

この本は 写真集でもある。彼自身が写したのであろう(彼は写真家でもある)美しい風景に短いことばが重なる。それが実に心に沁みる光景となっている。
四季のそれぞれの一番いいところを取り出している そんなものばかりだ。
そのなかで 短く添えられた言葉が 溶け込んで 写真を見ているだけで、その風景をかすめる風が ささやいている気がしてくる。

死と再生の詩だと 彼は言う。

彼と妻との会話がおもしろい。
自分の方が先に逝くだろうから、葬儀のときは自分が歌うこの歌を流してくれと妻に言うと、妻が わたしの方が先に死んだらどうするんですか というが、彼は絶対おれのほうだと言う。
それに対して 妻が「一生のお願いがあるんだけど」という。「何?」と聞くと「(生まれ変わるのに)ナマコだけはやめてください」と答える。ナマコは妻の大の苦手なものだという話が書かれていた。
仲の良いお二人だなと その様子を想像し微笑ましくも思えた。

彼は この英語詩がどこでどうやって作られたのか?という疑問にある仮説を考えた。それがまた心に響く。

ページ数も少ないのであっというまに読んでしまうが、この本は何度も何度も開いてしまう。
昨年 亡くなった父もきっとわたしたちの周りで見守っているのだろうなと 思えてくる。
泣かないでください・・・という言葉に 救われる気がする本だ。

Yahoo! Japan 文学賞!

2007年01月29日 | 紹介します

Yahoo! JAPAN 第2回文学賞!決定
「FUNFUNFUNを聴きながら」やまもとはるみさん

おめでとう!
といっても さっき初めて知ったんだけど。
どんな作品かなぁと思って ちら見をしようと飛んでみたら・・・そのままぐいぐい読んでしまった。読み終えるのに そんなに時間はかからない。枚数も少なくコンパクトにまとまっているからだ。
でも内容は とても自然でなんだか重い内容のはずなのに どこかしあわせな部分を感じて 羨ましくもあり。
これがもっと枚数の多い状態ならば どんな文章になるのかな?と興味を持った。書いた本人は若い女性だが、内容は50歳代か60歳代が主人公。同世代の主人公だと書きやすいだろうけど、あえて自分の母親?世代に焦点を合わせたところが心憎い。しかも可愛いなと思わせてくれる。

文学賞 色々な文学賞があるけど、時代の波はネットの文学賞まで作ってしまった。芥川賞も今年は若い方だった。青山七恵さん
どんどん若い人たちが小説を書いて評価される時代になってきたのは 携帯やネットの普及もずいぶん手助けしていると思う。
時代の波・・・はたして波に浮かべなかったものは もう底にいるしかないのだろうか?と ふと思う。

デジタルな世界とアナログな世界を浮遊するものは こうもりのように自分の存在の置き場所を都合よくあわせていければ 自分をうまくコントロールできるのかもしれない。

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興味ある本

2007年01月17日 | 紹介します

以前見たDVD。
『ホテル・ルワンダ』
とても強烈で しばらくその驚愕から抜け出せなかった。
わずか10日間で100万の人間が虐殺されたという事実。それが映画を見ていると ひしひしとわかる。これでもかこれでもかという過酷な現実が牙をむいて襲ってくる。その怖さは 今のぬくぬくしたわたしからは到底理解できないものだった。それが・・・朝日新聞にあった記事で、もう一度思い出させられた。

ルワンダの虐殺を生き延びた体験を本にしたイマキュレー・イリバギザさん。という人がいることを知る。
『生かされて』という本をアメリカで昨年 出版したそうだ。(PHP研究所)
ルワンダの争いはツチ族を中心に約100万人が犠牲になったと言われている。彼女の両親はツチ族の指導者だったため、助けを求めて集まった数千人の群集と共に殺される。彼女自身はフツ族の牧師の家出一坪のトイレのなかで7人の女性と91日間、残飯を分け合いながら生き延びる。

その過酷な日々を本にしたという。
先の映画ですでにその悲惨さを味わったわたしだが、この記事を読み、さらに当事者である彼女自身の言葉をしっかり受け止めたいと思った。
彼女自身 今は前よりももっと人間を信じられるようになったと言っている。その言葉だけでも 救われる気がする。
あの映像を見ると、人間の愚かさがここまで来るのか?と思うが、考えてみると、同じことを歴史は繰り返しているのかもしれない。
人間はなぜ同じ人間を殺しあうのか?この日本においても。
殺しあったあとに残されるのは何か?
日本も戦争の傷跡を抱えている。だが、その傷跡をリアルタイムで知っている人間が残り少なくなっている。こうした『ホテル・ルワンダ』を見たり、彼女の『生かされて』を読んだりしたより多くの人が 人が人を殺すことの不条理を考えることが大切だと思う。

100万人ですよ。映画のなかで靄のなかから現れる 虐殺されたツチ族の人々が道端にゴロゴロと投げ捨てられている様子を見たときのショック。ことばが出てこなかった。狂ってる・・・そうとしか思えなかった。
今 彼女は新しい人生を歩んでいる。ようやく体験を書けたのは虐殺から6年後。それだけ受けた心の傷がひどかったのだ。
彼女の本、今日 探してみた。地元の本屋にはなかった。今度はネットで探してみようと思う。

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いよいよ始まります!

2007年01月12日 | 紹介します
わたしのお気に入りのお店『MINTON HOUSE』のマスター 佐東明氏の近作展が開催されます。昨年の11月には京都市のJAZZ喫茶YAMATOYAさんの二階ギャラリーで個展を開きましたが、今回はそのときの作品を含む15点だそうです。
水彩画で ここまで表現できるのか?といった驚きを感じます。

というのも 今日 実はミントンに近作展開催のお祝いを届けに行って、作品の一つを見せていただいたのです。照明が暗いので、もっと会場では素晴らしい色合いだろうなと思いながら見せていただきました。
マスターの作り出す色の世界は 言葉で表現するのは難しいです。
ぜひぜひ 青森県弘前市近郊の方は足を運んで 絵を見てほしいなと思います。

特に深みのある青 さまざまな青の変化 時折ピリッとアクセントを醸し出す赤 その微妙な色のバランスはうっとりします。

1月12日(金)~1月14日(日) 午前11時から午後7時(6時ぐらいかな)
最終日は午後5時までだそうです。
場所は 弘前市立百石町展示館

実はわたしもその場所よくわからないのです。
だから 久しぶりに(何年ぶりかわからないほど/笑)弘前の街をゆっくり歩いてその場所を尋ねてみようかなと思っています。

素敵な絵と出合えるために てくてく雪道を歩く。
それもまたなんだかいいなと思えてきます。
みなさん、お近くの方で興味のある方 ぜひぜひ行ってみてくださいね♪

『プルートで朝食を』

2007年01月11日 | 紹介します

久しぶりに TSUTAYAで借りてきたDVD。
以前から気に入ってみていた海外TVドラマ『プリズン・ブレイク』8巻から出ていた。ほんとは全部借りたかったんだけど、ちょっとずつ見ていこうと思い、一巻ずつ借りることにした。
後は新作の中から 選択。

これは 良かった。
『プルートで朝食を』

キリアン・マーフィー主演の1970年代のアイルランドとイギリスが舞台。
教会の前に捨てられていた赤ちゃんが彼だ。彼は養子にもらわれるが、綺麗な洋服やアクセサリーに興味を持つ。アイルランドの小さな町ではとても違和感を持って「変わり者」に見られたが、彼はとても前向き。明るくて友達も幾人かでき、長く友達でいれた。彼の魅力の一つだろう。
友人のひとりがイギリスに反発するテロ活動IRAの仲間に加わったり、彼自身が母親探しの旅で知り合ったロックバンドのリーダーがテロ活動と関わっていたりと伏線がいろいろあるのだが、彼自身はどこにいてもピュアな印象が強い。

だんだん彼自身が綺麗になっていくのがわかる。
母親を探してイギリスに来て、生きていくために様々な人と出合う。仕事も色々。間違って警察に捕まり 問い詰められたときも、とうとう警官たちが根負けする。世間の常識?からはずれたところにいる彼の言動に警官たちも彼の扱いに手を焼くのだ。と同時に彼の天真爛漫な魅力に惹かれている。のちに警官が彼を合法な仕事に世話してあげたというのもその現れだろう。(ここが印象に残ったという点では私はニール・ジョーダン監督の意図するところにばっちりはまっていたということだ)

食うや食わずの もう駄目かと思われるときでも どこか彼には放っておけなくさせる魅力があって 誰かが手を差しのべる。それはきっと 彼のひたむきさを感じるからだろう。母親に焦がれてイギリスまで来ても会えず、父親もわからず、自分というものの存在を認めてくれる人に会いたい!という気持ち、それが伝わっていくのだろう。

彼は諦めなかった。
諦めなかった先にあったもの。
自分を愛してくれていた父親がいたという喜び。
生涯通じて友情を分かち合える友人(女性)。
生きていてよかったね、諦めなくてよかったねと心のなかでつぶやいていた私。
きっと また借りてくるだろう。キリアン・マーフィーの演技にノックアウトされたから・・・

この映画は 吹き替え版は必要ない気がする。彼の声を楽しむのもまたこの映画の醍醐味だ。彼がだんだん女性らしい口調になっていく様子を味わうのもいい。
そうそう、肝心なことを忘れていた。1970年代にふさわしい、バックに使用されている音楽も楽しみの一つだ。
「シュガー・ベイビー・ラヴ」(ザ・ルベッツ)
「傷ついた心」(ハリー・ニルソン)
「キャラバン」(サント&ジョニー)などなど13曲が流れる。歌も楽しめる。

公式サイトの「監督コメント」を読むと、この映画の深さをもっと知ることができると思う。興味をもたれた方はサイトを訪問してみてくださいね。

『繋音』(つなぎおと)

2007年01月09日 | 紹介します

久しぶりにDVDでも借りてみようと TSUTAYAを覗いてみた。お目当てのDVDを見つけ、何気なく出入り口付近の書籍コーナーを立ち読みした。
新刊書が積み上げられているコーナーの端にちんまりと目立たない本があった。
装丁も他の本に比べると かなり地味めだ。
なんとなく開いてみると・・・

なんと地元の方の詩集!しかも500円!!安い・・・
思わず衝動買い。製本されて500円か、電子書籍だと最低でも300円だ。もっとわたしも内容の濃いものにしないとだめだなと反省の念がむくむく。

カバーを開くと 本体は



こんなふうに黒に。こういう作り方もしゃれていていいな。

作者は 楪 久美(ゆずりは くみ)さんという方。ペンネームだ。
著者 五十嵐 久美子さん。
小坂町の方。隣町の方だ。俄然 親近感を覚える。
発行元は ㈲大館孔版社。0186-42-1260 ネットでは売っていないかも?
定価 500円。

あとがきにはこういう言葉が。
「人と出逢うことは、音と音が繋がるようなものだと想います。
 美しい旋律であったり、非道い旋律であったり、二転三転するような旋律もありました。これからも色々な音が生まれるだろうし、今までよりも もっと生まれるのだと想います。~」
ここから タイトルの『繋音(つなぎおと)』が生まれたのですね。

タイトルと同じ題名の詩がある。

『繋音』
空で消えた小鳥は
どこへいった

二人の糸が
ほどけたとしても
愛しい音たち

あなたの愛が
愛であるがゆえに
開け放たれた光

私はもう
かるがるしく
愛してるなんて言わない
ずっと側にいたいなんて言わない

※※※
全編に背景に音楽を感じる気がする。彼女が真夜中に聴くのはどんな音だろう。わたしが一番惹かれたのは『真夜中の想い』という詩。
どこか似ていて、どこか違う。だけど 確かにこんなことを感じた瞬間、時間があったよね?そう思わせてくれる彼女のことばの世界。
なんだかとても嬉しくなった。
近くでこんなふうに自分の言葉の世界を形にできている人がいる!

彼女の世界は一つのようで それでいて変化に富んでいる。きっとこれから彼女が生きる道で出会うだろうたくさんのことが さらに彼女の繊細な言葉を深くしていくだろうに違いないと確信する。
畳み掛けるような強い言葉ではなく、それでいて芯の強さがあちこちから伺われる。何かを決心したからなのか 生きることに前向きだと感じる部分も見受けられた。
なによりも飾らない言葉が好きだな。素直にことばがスッと入ってくる。
読むのにはたいして時間がかからないけど、何度も開いてみたくなる。
開くと右側に詩が出てくる。左側は白いままだ。

この本。わたし流に変えてみよう。
左側の白いページに 絵を描きこんでみたいな。少しずつ。
今年のわたしのやりたいことが見つかった。この本に挿絵を描いていこう!