わいはまいね 能面三昧

写真付きで趣味の能面製作を紹介するブログ

蛇3 その3

2016年03月10日 | 能面

これまで紹介した写真には、材料に割れ目が出来ていた。これは最初から割れ目があったのだが、後で補修をしつつ彫っていこうと考えていたところ。その部分が上の写真だ。これは3月2日に補修材を埋め込んで、幾日か経った後の姿。右側に大きく傷があるのが見える。

本来は割れ目や節(ふし)がある材料を使う場合、顔の表面ではなく裏側に向くようにする。そうすることで裏彫り過程で節が削り取られたり、割れ目が見えなくなる場合がある。今回、割れ目が表面に来たのは、実は「節」と「割れ目」が表側と裏側に有り、節を削り取る方を優先して、これを裏側に持って行った。結果的に裏側の節は削り取られたが、割れ目が表面に来たという話。

割れ目の処理方法としては、単に木工用ボンドを割れ目に流し込む場合と、割れ目に添って数ミリ単位で彫り込み、その部分に鋸くずとボンドを混ぜた「補修材」を埋め込む方法がある。今回は補修材を使う方法を用いたが、そうすることで接合部分が滑らかになる場合が多い。

単に割れ目にボンドを流し込んだ場合には、その割れ目がきちんと埋まらずそのまま表面に残る場合も多く、従って、面倒でも補修材を使う方法が良い。ただ、それでも埋めた内部にわずかな空洞が出来る事もあって、微妙なところ。

10日の段階だ。眼球の黒目も出来て、口の内部も歯、牙、舌の造作なども一応出来上がっている。もちろん仕上げ彫りの段階でもあるから、注意をしながら細かい作業を進めているところだ。ここまで来ればほぼ8割ほどの完成と言えよう。裏彫りも第3段階が終わり、すでに角も出来ているので、最終的な仕上げ彫りに向けて、表面を紙やすりで滑らかにしつつ、細部の修正作業に入ることになる。

この、上の段階を、昨日9日に能面塾の先生に見て貰ったから、あとは完成しても見て貰う必要はない。同時に次の課題の材料も仕入れてきたから、ひとまず4月いっぱいまでは作業が出来る環境が整ったと言う具合だ。

 

 

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