わいはまいね 能面三昧

写真付きで趣味の能面製作を紹介するブログ

翁その5

2009年09月09日 | 日記・エッセイ・コラム

Okina11

翁の仕上げ彫りが終わった。細かいところを見ればまだ手を加えても良い部分があるかも知れないが、大ざっぱな私としてはこの程度でも十分に出来上がっていると思えるのだ。

前に書いたときから一週間ほどしているが、その間はあごのあたりのしわや口をきれいに彫ったり、最後にあごの部分と顔の部分を切り離して紐で結ぶところまで作業をしたら、終わりである。この後の作業はいよいよ彩色が始まることになる。

彩色の手順はこれまでにも書いているから、見ている人は分かると思う。裏側には工芸漆を塗る前に、砥の粉を塗って漆がしみこむのを防ぐ行程を行い、色を付けた。今回は茶色に黒を混ぜて黒に近い茶色を造り、それを3回塗った。それが乾いたら表面の彩色に入る。

Okina12

この部分は、胡粉と絵膠(えにかわ)を混ぜたものを、3回ほど塗ったところ。胡粉は乳鉢で良く砕いて、2倍ほどに薄めた絵膠を混ぜて、更に黄土色の粉を混ぜたものだ。だから、胡粉の真っ白な色とはちょっと違い、気持ち、茶色っぽくなっている。何と言っても爺様だから、白い顔をしていればかえって気持ち悪い。だから色を付けたが、この後は古色もかけるからもっとくすんだ色になるはずだ。その方が年寄りじみて良い具合になる。

さて、この後は更なる色づけをするのだが、今月の完成予定にはまだ十分時間があり、慌てることもないだろう。

168

で、十六はどうしたかといえば上の写真の通り。裏は翁と同じ色にしてあるし、表面の色もまた同じにしている。若干薄い茶色というよりは薄い黄土色か?

この十六は、形こそ女面の代表の「乙」とそっくりだが、一応男面なので真っ白にするわけにはいかないのだ。もっとも、乙でも真っ白ではないし、古色をかければ薄茶色になってしまうから、それはそれで良いのだ。

ということで、2面の素彫りが完成したということで、予定通り彩色に入ったというお知らせである。今後、まじめに進めたら、2~3日で完成してしまいそうだから、いくらか遊びながら今月いっぱいの完成に向けて、少しづつ作業を進めることにしよう。ただ、用具を部屋いっぱいに広げたまま半月も置いておけば邪魔になるから、もしかして早めに作業が終わるかも知れない。


最新の画像もっと見る