河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

1488- モーツァルトpf協21、マーラー5番、ミュン・フン・チュン、N響2013.6.19

2013-06-19 22:25:08 | インポート

2012-2013シーズン聴いたコンサート観たオペラはこちらから
2012-2013シーズン
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2013年6月19日(水)7:00pm
サントリーホール
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モーツァルト ピアノ協奏曲第21番
  ピアノ、チョ・ソンジン
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マーラー 交響曲第5番
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ミュン・フン・チュン 指揮 NHK交響楽団
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マーラー実測値
Ⅰ 12 Ⅱ 16 Ⅲ 18 Ⅳ 12 Ⅴ 14
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マーラーの5番、アゴーギクが結構目立つ演奏で、推移が滑らかというわけでもない。滑らかが必ずしもいいというわけではなく、劇的な強調の意味合いもあるのかなと、前から3列目では色々なことがよく見える。
棒はオペラティックな雰囲気を醸し出す個所も散見。フレーズのエンディングをきっちり一回取りまとめてから、次に進んでいく。オペラの歌い手が思う存分歌ったところで、一区切りをつけ、次の入りを待つ。そんな感じですので、インストゥルメントでも割とプレイしやすいのかなと思います。プレイヤーが自分で自分を味わえる、そんな濃厚な雰囲気です。
5番は技術的に困難なところがたくさんある曲だと思いますが、N響はやはりワンランク上かな。ブラスセクションについては特に感じるところはありませんが、ウィンドと弦は、やっぱり、上。おしなべて、いい、というところが凄い。マスの技がさえる。
第1ヴァイオリンの空中浮遊するような響きは、マーラーにおいては一種醍醐味。すじ状に束になり中空を漂う弦の美しさは格別。
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この曲、個人的に、すっきり爽快感を味わえるポイントがあって、それは第2楽章エンディング部分直前のファンファーレ。いつもあすこは気持ちよくなりたい。この日の演奏では、入りのトランペットが見事に決まり、立体的な深彫り感がよく出ました。素晴らしかった。この入りのあと、幅を狭めて鋭く響けばさらにすごいことになっていたかと思われます。(ここらあたりは、往年のショルティ&シカゴ響にまかせればいいのだろうとも思う)
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チュンは第4楽章に見られるように細部に極度にズブズブになることはなく、中楊のバランス感覚をもっている。これが物足りなく思ったりするのは、昨今の変態演奏流行りのせい。普通の感覚で美しい歌のフレージングをこの日は味わうことが出来ました。
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チュンは第4楽章の終わりをここでも一度きっちり切る。際どいホルンと、バスーンのブリッジで終楽章へ。ホルンの一声のあと、アダージェットの余韻が出て、チュンは自分の耳で味わうように聴き、それからロンドに突入していく。見た目、オペラ的余裕棒。
この終楽章はもう少し爆発するような力が欲しいと思いましたが、彼のスタイルやバランス感からいうとこうなるのだろう。抑えているのかどうか、これまでのものが全部はじける感覚ではない。音で戯れるのを観たり聴いたりしたい、彼の場合、全楽章が均衡したように聴こえた。このままブルックナーをやると展覧会場にある絵のようなフレーム感覚になり構造を横に置くとあとに残るものは多くない。かもしれない。
マーラーはたしかに違う。
そうではあるのだが、スリルとサスペンスも欲しい。
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前半のモーツァルトは、鍵盤を深く押すことを排除したような軽いサウンドで、きれいに鳴っておりました。バックのオーケストラも美しかった。
おわり


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