河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

PC版に一覧等リンクあり。
OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

806- 動き回るドラッカー Horizon’s 1984 Festival 1984.6.6 HF-8

2009-04-06 00:10:00 | 音楽

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1983-1984シーズン聴いたコンサート観たオペラの一覧はこちら
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今日のホライゾンはニューヨーク・フィルハーモニックの演奏である。
前回出てきたのが6月2日なので、たった4日しかたっていないのに、なんだか4年ぐらい過ぎたような気がする。
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1984年6月6日(水)8時
エイヴリー・フィッシャー・ホール
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ホライゾン’84
プログラム Ⅲ
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BETY JOLAS  Quatre Plages(アメリカ初演)
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GEORGE WALKER
Serenata for Chamber Orchestra
(ニューヨーク初演)
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GILBERT AMY
  Shin’anim Sha’ananim(ニューヨーク初演)
 Speculum Musicae
  D’anna Fortunato, mezzo
  Eric Bartlett,cello
  Anand Devendra,clarinet
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PIERRE BOULEZ  Domaines
Stanley Drucker, clarinet
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ギルバート・アーミー指揮
ニューヨーク・フィルハーモニック
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あまり印象に残らない音楽の多い中でブーレーズの作品は一味違う。
偶然性を志向した音楽は、その視覚的なものも含めて、興味深い。
ステージを上から見ると、

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A、B、C、D、E、F、は楽器群である。
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AからFまでの楽器群の位置は固定であるが、クラリネットのソロがそれぞれの楽器群の隣で演奏したあと、そこの楽器群が演奏しなければならない。
順番は全くの偶然による。
実際には、
クラリネット→A

クラリネット→C

クラリネット→F

クラリネット→B

クラリネット→E

クラリネット→D
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クラリネットは次々と歩いて位置を変えなければならない。
最後のD群が演奏し、今度は指揮者が任意に楽器群を指定して、そのあとにクラリネットがついていく。
たしか、
D→C→クラリネット→E→
→クラリネット→F→クラリネット
→B→クラリネット→A→クラリネット
の順番だっと思う。
従って、クラリネットは11回演奏しなければならない。
曲の流れは全くの偶然によるが、各楽器群とその楽器群と組み合わせをもったときのクラリネットは関連性のある統一のとれた音楽となっているので不自然な気はしない。
この曲はそんなに最近のものではないので、このごろのブーレーズだったらもっと違った傾向の作品を書いているのではないかしら。(吉田秀和風)
スタンレー・ドラッカーのクラリネットはさすがというべきか。
このような難曲で、かつ、30分強の曲をわけもなく吹きこなしていたとしか思えない。
おわり

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805- 新しい技法は希望?Horizon’s 1984 Festival 1984.6.5 HF-7

2009-04-05 00:10:39 | 音楽

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ホライゾン1984年。

今日のテーマは、

“THE NEW VIRTUOSITY”

新たな音楽技法。

といったところか。

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198465()

エイヴリー・フィッシャー・ホール

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6:00-7:30PM

Pre-Recital Discussion

“The New Virtuosity”

リサイタル前の討議。

新たな音楽技法。

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8:00PM

DEAN DRUMMOND Columbus

  Play, Newband

JOAN LA BARBARA

Silent Scroll:An Image of Entropy

Joan La Barbara, soprano with Newband

DEAN DRUMMOND Mysteries

  Play,Newband

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JOAN LA BARBARA

October Music:Star Showers;

And Extraterrestrials After Obervogelsang

(世界初演)

Joan La Barbara, soprano(with electronics)

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ROBERT DICK

  Piece in Camelan Style  T=C10

  Clipse from the Blimpse

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MARTIN BRESNICK Conspiracies

  Robert Dick,flute

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SALVATORE MARTIRANO

  Improvisation with the Sal-Mar Construction

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ディックのT=C10は実際には、

イコール記号が波打ち、↑はCの10乗のこと。

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ほぼ、わけがわからなくなってきた。

とりあえず、作曲者の名前だけでもカタカナで。

ディーン・ドラモンド

ジョアン・ラ・バーバラ

ロバート・ディック

マーティン・ブレスニック

サルバトーレ・マルティラノ

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新たな音楽技法、技巧がどのようなものであったのか、またそれはその時点でどのような意味をもち、未来に継承されたのか。

知るすべがあるならおしえて。

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タイムマシンがあったとしても、そこに立ち寄りたいと思うかどうか。

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明日のブーレーズに、さらに、期待しよう。

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804- 地平線は見えてくるかHorizon’s 1984 Festival 1984.6.4 HF-6

2009-04-03 00:10:00 | 音楽

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1984530()から始まった‘ホライゾン1984’はようやく折り返し。

普通のシーズンであれば、サブスクリプション・コンサートが終盤を向かえている。

68日までまだ先が長い。と思うのは現代音楽だから?

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前日の63日はコンピューターと室内音楽。

今日はコンピューターとオーケストラ音楽。

考え抜かれた企画性を感じる。

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ということで今日はこんな感じ。

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198464()

エイヴリー・フィッシャー・ホール

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6:45PM

楽譜って何?

Meet the Composer

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8:00PM

コンピュータとオーケストラ音楽

MILTON BABITT Correspondences

CHARLES WUORINEN Bamboula Squared

                       (世界初演)

ROGER REYNOLDS Transfigured Wind

            (世界初演)

     Harvey Sollberger, フルート

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CHARLES WUORINEN 指揮

アメリカン・コンポーザーズ・オーケストラ

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作曲者だけでもカタカナにしてみると、

ミルトン・バビット

チャールズ・ウオーリネン

ロジャー・レイノルズ

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オーケストラ・サウンドにコンピューターによる電気的な音がはいりこんだらどうなるか。

今の時代、普通。

原型のうちの一つのようなものだったのかもしれない。

世界初演が二つといっても、多分にこのような企画の場があるからできることもある。

でも、本質の順序は逆であるはずだ。

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時代の流れのなかにある音楽として、この企画を聴いていけば長丁場の10日間も肩がこることもなく聴けるのかもしれない。

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もっとはまるには今では、こんな本もある。

アメリカ実験音楽は民族音楽だった

9人の魂の冒険者たち

フィルムアート社

200522日初版2,200円

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803- 日曜日はコンサートだらけHorizon’s 1984 Festival 1984.6.3 HF-5

2009-04-02 00:10:00 | 音楽

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シリーズ5日目。

演奏会4日目。

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ますます深い森にはいってきた。

無駄な抵抗、休むに似たり。

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この日は、

シンポジウム一個。

演奏会二個。

湯浅譲二さんの作品もでるようだ。

中身はこんな感じ。

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198463()

2:00PMエイヴリー・フィッシャー・ホール

What’s The Score? スコアってなに?

Meet the Composer

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3:00PMエイヴリー・フィッシャー・ホール

(MUSIC FROM COMPUTERS)

MICAEL McNABB/Dreamsong

LAURIE SPIEGEL/Music for Dance

JOJI YUASA/Towards the Midnight Sun,

   For tape and piano (world premiere)

  Alan Feinberg,piano

CHARLES DODGE/The Waves

   Joan La Barbara, soprano

JOHN CHOWNING/Turenas

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以上、

ミュージック・フロム・コンピューター

と銘打った曲を5曲。

例によって作曲家だけでもカタカナ表記してみる。

上から順番に、

マイケル・マクナッブ

ローリー・シュピーゲル

ジョージ・ユアサ(湯浅譲二さんです)

チャールズ・ドッジ

ジョン・チョーニング

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疲れますな~

次に、同日夜の部。

本家、クセナキスの登場だ。

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6:45PMエイヴリー・フィッシャー・ホール

What’s The Score? スコアってなに?

Meet the Composer

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8:00PMエイヴリー・フィッシャー・ホール

(GROUP FOR CONTEMPORARY MUSIC)

(Chamber Music with Computer)

PAUL LANSKY/As if

JEAN-CLAUDE RISSET/Profil(U.S.premiere)

JANNIS XENAKIS/Khal Perr(U.S.premiere)

YORK HOELLER/Arcus(U.S.premiere)

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HARVEY SOLLBERGER, conductor

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コンピューターによる室内音楽。

指揮者つき。

作曲者をカタカナで。

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ポール・ランスキー

ジャン・クロード・リセット

ヤニス・クセナキス

ヨーク・ヘッラー

指揮者ハーヴェイ・ソルバーガー

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ということで、4曲中3曲がアメリカ合衆国初演。

ソーホワットっていう感じ。

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それでも、真の音楽漬け、というのはこのようなことを言うのだろう。

一日に二回コンサートというのはたまにやるが、普通は別のホールで別の団体の二股。

今日みたいに同じテーマで昼から夜までほぼギヴアップだが、こうゆうのってタップなし?

つづく

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802- スラットキン1984.6.2のNYT評 Horizon’s 1984 Festival HF-4.1

2009-04-01 00:10:00 | 音楽

 

スラットキン1984.6.2のニューヨーク・タイムズの評

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198462日のスラットキンの評が翌々日のニューヨーク・タイムズに載った。

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THE NEW YORK TIMES

MONDAY, JUNE 4,1984

By WILL CRUTCHFIELD

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198464()

クラッチフィールドさんのレビュー

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ロバート・ビーザー、テア・ムスグレイヴス、ドナルド・エルブによる、世界初演、アメリカ初演、ニューヨーク初演、はニューヨーク・フィルハーモニックによる現代音楽フェスティバル‘ホライゾン1984’の土曜一回分の支払いは重いものとなった。

ビーザー氏の‘The Seven Deadly Sins’は伝統的な感覚のソング・サイクルである。

アンソニー・ヘヒトによる7つの謎めいた詩はバリトンにより歌われる。

その言葉は、サポートしている伴奏とともに、イラストとコメントで理解可能と思われる。

ビーザー氏の大ぶりなクレジットによると、土曜日初めてとなったオーケストラ・バージョンでは、アンプなしで、かなり強大な声(この演奏会ではJan Opalach’sが歌った)で歌わなければならない。この日はそのように聴くことが出来た。

Opalac’s 氏はやすやすと広音域をカバーし、確信と変化をもって歌った。

音楽は調性があり、ときに豪勢である。

この曲は聴衆に次のような反応を喚起した。つまり、誰かが言っているところの、ビーザー氏も括られている‘新・調性作曲家’は、初めからそれを作曲している人たちより、しばしばもっと技巧的で興味深い調性音楽を書いている。

それにもかかわらず、このスコアはなにやら説得力がなかった。あまりに多くの注釈と連想、‘私の音楽はこのように鳴る’には不十分。ある曲の終結部における主音の味わいは特に失敗のように響いた。

テア・ムスグレイヴ氏の音楽は常に彼女自身のように響く。‘ペリペテイア’は彼女の素晴らしい一連の‘劇的抽象的’な楽器の作品におけるもうひとつのものである。そのなかにあっては、音楽的出来事は極めて明確に演奏議論の質というものを受け入れている。それに楽器はときに性格(説得すること、挑戦すること、変化する忠誠心)のように振舞う。彼女が作曲するときの音楽テーマはしばしば一連のごく普通のものである。小さな音階、いたずら書き、繰り返される音符、短いリズミカルなモチーフなど。

リズムの複雑化はほとんど避けられているが、全て、抒情性を取り払うことさえ、休むことないリズムの動きの波に耐え続けている。

‘ペリペテイア’というのは、大まかに言うと、劇的なターニング・ポイントを意味している。それは、明るい開始の音楽の反復をとめた打楽器の爆発で表現している。その後、楽器はまだしばしば快活に演奏し続ける。しかし、小節のコントロール統一は取って代わられ、流れは決してもとに戻ることはない。分裂の感覚とあいまいさはあとのページにいきわたっている。この聴衆は、音楽劇(それはムスグレイヴ女史のほかの作品のなかにある)において何かもっとリスキーで脅迫的な観点で、願望を定義することは困難であると感じた。しかし、‘ペリペテイア’は充実した、魅力的で面白い作品ではある。

ドナルド・エルブの‘プラズマティック・バリエーション’は‘輝きと透明なサウンドでホールを満たし’ゴージャスにそうすることを意図したものである。オーケストラがフル・レンジで展開される。ハイでクリアな響きではなく、バランスの方を重視している。ホールには、約100人のベルゲン・ユース・オーケストラ団員が散らばっている。彼らは、ハーモニカ、クリスタル・グラス、電話音、ソーダ・ボトルなどの音を鳴らす。ステージ上のオーケストラが大きな音になるとだいたい彼らはそれらを鳴らす。明瞭な音色のまとまりとしてというよりも、付け加えられ、拡張された光輪のように聴こえた。指揮者レナード・スラットキンが、音楽が始まる前に子供たちを聴く機会を聴衆に与えなければ、それを決して望まなかった人たちがいたかもしれない。ソーダ・ボトルは特に筆舌に尽くしがたい誘惑的なサウンドを醸し出していた。そして、ときとして、その作品は全体としてそうであった。音楽の題材はそれ自身取るに足らないように見える。しかしおそらく、きれいな騒音というものが、この作品の本質である。音符とリズムを包括したメッセージの手段というよりもメッセージそのものがこの作品の本質。

ほかにプログラムにはクリストファー・ラウゼの‘インファーナル・マシーン’があった。オーケストラのためのdissonant moto perpetuo ということで、とても楽しいものであった。エリオット・カーターの金管五重奏曲は、この日に演奏したアメリカン・ブラス・クインテットのために10年前に書いたもので、なんだか古典的な感じだ。

評おわり

 

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