河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

2394- 芥川、トリプティーク、團、飛天繚乱、黛、饗宴、千住、滝の白糸、大友、東響、2017.8.20

2017-08-20 20:57:45 | コンサート

2017年8月20日(日) 2:00-4:15pm コンサートホール、オペラシティ

芥川也寸志 弦楽のための三楽章トリプティーク (1953) 3-6-3′
團伊玖磨 管弦楽幻想曲 飛天繚乱 (1991)  16′
黛敏郎 饗宴 (1954)  10′

Int

千住明 滝の白糸 (2014/2015) 序曲、第3幕 (演奏会形式) 4、2-7-20-13′
 (キャスト)
 白糸(水島友)、中嶋彰子(S)
 欣弥、高柳圭(T)
 欣弥母、鳥木弥生(Ms)
 他
 東響コーラス

大友直人 指揮 東京交響楽団


プログラム前半の3人の会、エネルギッシュな3作品。後半の千住作品とは過去と今の違いがありそうに見えてそうでもない。今だから俯瞰できる多様性なのかもしれない。
トリプティークは東響の強靭なストリングが奏功した快演。作品がカラフルに鳴る。2,3楽章はアメリカの夜明けみたいな雰囲気まで感じさせてくれる。終楽章エンディング前の回想が印象的。
飛天繚乱はおちゃめな天女があちこちと飛び回る様子が見えるよう。そこはかとなく消えていく音楽は印象的。この作品も多様な色合い。
バッカナールはもはや古典。泡立ち感があり前向き。オーケストラを新しい素材で鳴らす黛の会心の作で東響のべらぼうな腕前にジャストフィット。堪能しました。

プログラム後半、滝の白糸。コンサートスタイル第3幕のみのところ、序曲が追加になっているのを当日知る。得した気分。

無声映画に音楽付けしたコンサートは一度観ました。2011年のサントリー、サマーフェスティヴァルでした。
1289- 無声映画『瀧の白糸』溝口健二、望月京2011.8.27<ミュージックトゥデイ21>サマー・フェスティヴァル2011

その後、千住がオペラ化した上演があったとのことですが、それは残念ながら観ておりません。今日の布陣は指揮者含めその上演のキャストと同様のようですね。

本日作品のオペラを観たことが無い。そして無声映画の結末も記憶が薄くなっている。ので、色々と曖昧。なのですが、原作の義血侠血では最後、欣弥が自死して終わる。
サマフェスで上映された溝口監督の無声映画、滝の白糸。これでは白糸、欣弥、二人とも自死だったと記憶。
今日の千住作品終幕第3幕は全4場フルで演奏されたと思いますが、最後に銃声が轟くと書いてありますので概ね同じ。黛まどかの台本フレーヴァーは第3場のほうでしょうか。

千住作品はドラマチックに緊張感を強いるものではなくて、音楽はメロウでロマンチックなほうに流れていて甘口。追加演奏された序曲と終場の第4場はあまりにムーディー。
クライマックスは欣弥母を大胆に登場させてクローズアップした第3場のほうにある。これも甘口な終場への大きすぎる伏線であるとは思いますが。

第3場の欣弥母の長丁場、母は子に対してどうであろうとも自分のせいと言う。この言葉、胸に刺さるものがある。歌詞も考え込まれたものですね。ここは鳥木さんの歌が光る。湿り気もほどほどに切々と語り歌う。終場での中嶋さん高柳さんのデュエットとの対比がよく取れている。この終場は聴くほうがどこまでのめり込めるかによると思う。プッチーニあたりの幻影が姿を現す。

全般にわたり日本語の発音がよくわかるものでそのまま中身にのめり込める。キャストの声が前に出るもので明瞭、オケにもかき消されない。なかなかいいものでした。
大友のタクトは、そこに漂っている感があって、前のめりになったりしないしウエーヴを作ることもなくて台本と音楽に乗っかってしまっている。それでいいのだと言えば言えるかもしれないけれど。

オペラ「滝の白糸」 序曲、第3幕 (演奏会形式)
序曲 4′
第3幕第1場(晩夏) 福井の芝居小屋 2′
第3幕第2場(秋) 高岡石動間の乗合馬車 7′
第3幕第3番(秋) 金沢地方裁判所 20′
第3幕第4場(晩秋) 死刑前夜の監獄 13′

おわり





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