Tuning Philharmonic Hall -12-
フィルハーモニック・ホールの調整は1962年5月28日に始まった。この一週間の間、電子楽器の前で、そして専門的な聴き手、作曲家や指揮者や評論家の耳の前で、オーケストラは演奏をプライベートで行った。
聴衆がいるようなアコースティックな効果を出すために、全ての席にファイバー・グラスのブランケットが置かれ、この調整期間中、席は占有された。そのうち、それは’インスタント・ピープル’と言われるようになった。
観客席の調整を行うために、アコースティック・パネルが調節された。変更は奏者が座っているところまでおよんだ。ステージの上を覆っているアコースティックな天蓋が調節された。ステージの周りにある木のスクリーンの後ろのパネルは適切な場所に置かれた。のちに他のたくさんのテストを、オルガニスト、独奏者、歌い手、合唱団、アンサンブル、とともにおこなった。調整のプロセスを完全なものにするために一年にもおよぶ期間が必要とされるかもしれない。全ての調整のために、聴衆ばかりでなく演奏者の必要性が考えられなければならなかった。音楽家はお互いに正確に聴きあうことをしなければならない。
(続く)