ここ何回かバーンスタインのことを書いていたら話がカラヤンになったので、バーンスタインとカラヤンのマーラーの9番のブロードキャストのことになったので、今度はちょっとカラヤンのマーラーの6番の話を。
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前々年の1977年にはベートーヴェンをもって来日したカラヤンであったが、この年1979年は大曲を担いでやってきた。そのなかにマーラーの6番もはいっていた。
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1979年10月17日(水)普門館
マーラー/交響曲第6番
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
ベルリン・フィルハーモニカー
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2年前のベートーヴェンを普門館で演奏したカラヤンが2年後に、いくら音響板をつけたとはいえこの希代まれなる会場でまた演奏するとは神も知らなかったに違いないが、カラヤンはそこで演奏会を敢行した。
この4日後の第9公演は最近CD化されたはずだが、マーラーの6番のほうはされていないのでは?ということで、、
この会場のことは真横に置いといて、曲についてちょっと書くと。。
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6番悲劇的は序奏もそこそこに第1主題が提示される。この日その音を聴いてすぐに思い出した。これを、、
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1977年8月27日
フェストシュピーレ、ザルツブルク
ザルツブルク音楽祭
マーラー/交響曲第6番
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
ベルリン・フィルハーモニカー
ブロードキャスト
NHK-FM 1977年12月14日(水)
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なんでこの録音のことを思い出したかというと、第1主題弦のあふれるフレーズの後、トランペットのソロがあるが、そこで見事にはずしてしまっている。その時の演奏と冒頭がよく似ていたのだ。
なんだか、1977年のコピーのような演奏になるのかな、そう思った。
それで、おぉ、やっぱりものの見事にはずしてしまったのだ。トランペットさん御苦労さん。
ベルリン・フィルの演奏は当時やや湿り気をもった溢れるような音色だったが、ブラスが個別にべらぼーなうまさであったとはいいがたい。中にはバイロイト好みのザイフェルトのような人物もいたが、全体にあまり目立つものではなかった。どちらかというとウィンドや弦のような火の出るようなアンサンブルをブラスもやっていたのでそこらへんがすごかった。
ブラスだけとればアメリカのオーケストラのほうが一枚上手であり、代表格はシカゴ交響楽団。仏像のように微動だにしないクレヴェンジャーなんて本当にラッパを吹いていたのかしら。今はニューヨーク・フィルハーモニックの主のようなフィリップ・スミスだって昔はシカゴの末席にいた。
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それで、マーラーの第6番は悲劇的という副題がついていますが、カラヤンのベルリン・フィルのトランペットがうまく吹けなかった第1主題はベートーヴェンのエロイカ第2楽章の葬送行進曲のフレーズだと思うのだが、自分以外指摘している文章への出会いがない。
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演奏会の模様はいつか書くことがあると思います。
おわり
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