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ここ2回ほどバーンスタインの話が続きましたので、ついでにベルリン・フィルとのマーラー9番のブロードキャストについても書いてみます。
バーンスタインがほぼ振ることのなかったベルリン・フィルですので、同時期のカラヤンとの比較データです。
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マーラー作曲交響曲第9番
レナード・バーンスタイン指揮ベルリン・フィル
1979年10月4日、フィルハーモニー・ベルリン
NHK-FM 1980年5月2日
Ⅰ:27’35 Ⅱ:15’52 Ⅲ:12’00 Ⅳ:26’10
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マーラー作曲交響曲第9番
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィル
1982年5月1日、フィルハーモニー・ベルリン
NHK-FM 1982年9月23日
Ⅰ:28’02 Ⅱ:16’31 Ⅲ:12’52 Ⅳ:25’48
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マーラー作曲交響曲第9番
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィル
1982年8月27日、フェストシュピーレ、
ザルツブルク音楽祭
NHK-FM 1982年12 月10日
Ⅰ:27’13 Ⅱ:16’23 Ⅲ:12’37 Ⅳ:25’01
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NHKもよく放送したもんです。
これだけならべると話はカラヤンのほうに移ってしまいそうですが。。
まず、バーンスタインの演奏ですが、同組み合わせででているCDのクレジットでは録音が1979年10月となってますので、NHKの放送と同じものかもしれません。
次にカラヤンの演奏ですが、CDででているものは1982年9月となってますので、この2回の放送はいずれもCDとは異なる演奏ということになります。
タイミングも書いてみましたがあまり関係ないような気もします。ただ、最近の演奏は特に第4楽章が極度におそい演奏がはやりで、丁寧すぎで、つまり細部の異常に克明な表現が流行なわけで、30分ぐらいかかるのが普通になっているので、四半世紀前の演奏はいたって普通だったような感興をおぼえます。
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演奏はバーンスタインの世評の高さはありますが、カラヤンの勝ちだったなぁと記憶します。
古さに勝るオーソドックスな演奏ながらも、らしからぬエキサイティングなもの。カラヤンはマーラーはあまり振らなかったが世の中、マーラーブームが始まりカラヤンといえどもある程度はレパートリーにいれたんだろうね。1980年の4番のライブでは第4楽章をファンブルしたりして、ベートーヴェンのようにはしっくりこない面もあったに違いない。
でも、9番ともなるとベルリン・フィルとの呼吸がものすごく、というか、呼吸というものはほぼ地盤であり、その上でドライブするのではなく団員の自発性がものすごく、そこらへんがやはりバーンスタインをうわまわった。
バーンスタインの演奏はミシミシとポーディアムの音がしたりして、彼の自発性が団員をドライブした。CDではすっかりお化粧されているような感じだ。
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世の比較というとき、今となっては、どちらの演奏もCDを買って聴いて比較して、いろんな文章、資料を頭の中にいれ、想像をたくましくして、ふくらまして、文筆しているのが実情だと思うのだが、たかがブロードキャストとはいえ、これだけ3種の演奏がそろえば、これはかなりのライブ感覚で聴くことができるわけで、また、それのみで比較がある程度できたりする。非常におもしろいものだ。
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それでその音は河童の蔵にあるのか。
ある。
但し、DATとオープンリールテープでね。
最近のメディアにコピーしておかないとやばいことになりかねない。
再生装置がなくなれば意味がなくなるからね。
でも、
1500本のDATと100本あまりのオープンリールテープ。
大変だよね。
誰か、この演奏の録音、欲しい人がいればコピーしてあげるのもやぶさかではないのだが、みなさん、なににダビングしてあげればいいの?
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