河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

1522- パルジファル、トリスタン、神々の黄昏、オーギャン、ヨハンソン、オニール、N響2013.10.2

2013-10-03 01:57:40 | インポート

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2013-2014シーズン聴いたコンサート観たオペラはこちらから
2013-2014シーズン
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NHK音楽祭2013
2013年10月2日(水)7:00pm NHKホール
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ワーグナー生誕200年記念
オール・ワーグナー・プログラム 生誕200年記念

パルジファル
   前奏曲 12分
   役立つのはただ一つの武器 9分
    パルジファル、サイモン・オニール
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トリスタンとイゾルデ
   前奏曲 10分
   愛の死 6分
     イゾルデ、エヴァ・ヨハンソン
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インターミッション
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神々の黄昏
     夜明け 6分
     あなたの新しい働きを 10分
       ジークフリート、サイモン・オニール
            ブリュンヒルデ、エヴァ・ヨハンソン
     ジークフリートのラインの旅 13分
   ブリュンヒルデよ、神聖な花嫁よ 7分
            ジークフリート、サイモン・オニール
   ジークフリートの葬送行進曲 7分
   ブリュンヒルデの自己犠牲 20分
      ブリュンヒルデ、エヴァ・ヨハンソン
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フィリップ・オーギャン 指揮
NHK交響楽団
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以上、楽劇ごとに連続演奏
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ヘヴィー級のプログラムでした。後半のカミタソだけで1時間越え。聴きごたえのあるプログラムそして演奏会でした。
ソリストは二人ともに前月、日本でワルキューレを歌っている。
オニールはインキネン&日フィルとの第1幕のジークムント、ヨハンソンは沼尻&神奈川びわ湖共同の全幕でのブリュンヒルデ。
オニールヨハンソン
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聴く方としても歌い手にそれなりになじみがある状態で音楽に没頭できました。
オニールは馬力よりも、きれいなテノール声で魅了。歌わない部分でも口を少し動かしている。おそらく舞台をイメージしながら集中。かなり高濃度の集中力と舞台のイメージを。
声自体大きいわけでもなく、また突き刺す感じもないが、きれいに響く声で美しいテノール。この日は舞台の上にオーケストラが乗り大音量で鳴らしていたため、声がかき消されるか所が散見されたと思う。舞台に近い席に座っていても感じたので、離れると聴こえないところもあったかと思う。オニールは劇場の人だと思う。そしてリートも味わい深いような気がします。
役どころとしては後半のドラマチックなジークフリートもさることながら、前半冒頭のパルジファルこそふさわしい。指揮のオーギャンはコンサート・スタイルを意識したダレないテンポ感を身に着けていると思われます。おそらくですが、オペラ上演とこの日のようなスタイルとは意識して振り分けているような気がします。その流れに乗ってオニールの清唱、結果的にこの日の演奏会、この冒頭のパルジファルが一番良かったと思います。オーケストラも精緻に良く表現できていました。パルジファルは聴き方を変えるとものすごくフレージングの長いシンコペーションが山盛りだと思います。そのロングなリズム感をオーギャンは身で感じながらの棒。振り尽しているような気がしました。オニール、オーギャン、溜めて放つパルジファル。
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前半2曲目のトリスタンはプレリュードの盛り上がりが今ひとつ、愛の死はチリチリ感がなかなか出てきません。ヨハンソンの堂々とした歌いっぷりは、最初から飛ばす歌い手らしくブレのない素晴らしいもの、演奏も横広でスケール感あり。ストーリーが内包する焦燥感のようなものが出てくればさらに良かった。
N響はトラが多かったからかどうか知りませんけど、しなやかさが足りない。パルジファルの幾何学的な響かせ方、換言するとスコア通りなぞれば、バランスさえ揃えれば、きれいに鳴る。トリスタンはそうはいかない。うねらないとね。弦の一体化したうねりがなく、また、ブラスの棒吹きはどうかと思う。指揮者の力量も試されます。
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プログラム後半を埋め尽くしたカミタソ、全て連続演奏でヘヴィー級。聴きごたえ満点。聴く方もプロローグからの全幕をイメージできていれば充実感はさらに増す。字幕要否の話しは確かにあると思う。抜粋でストーリーのつながりは字幕からはわからないもので、字幕をつけるなら管弦楽だけのところにも必要だと思う。個人的には過剰さの排除。字幕は不要でした。
ワーグナーは聴きようによっては、始終五月蠅い。ガンガン鳴りっぱなしではないか。まぁ、カミタソもなにがなんだかわけのわからないプロローグを除くと鳴りっぱなしかもしれない(笑)。第2幕終結の悪巧み3重唱あたりを起点に、前へ後ろへイメージを膨らませるのがいいのかもしれない。そうすると第3幕だけで、楽劇一個分の雰囲気になってしまうけれど(笑)。
大げさに膨らんだ管弦楽がオンステージで鳴らし過ぎ。声がかき消されてしまうではないかといった不満の前にすでに、音がただ大きすぎて汚れも目立ち普段のN響レベルではない。お祭りだからと言って質を下げて良い道理はない。オーギャンをどうのこうの言ってもしょうがないところもある。振り慣れた愛着のあるオーケストラでもないし、さらに混成部隊みたいな感じだとオーケストラ個体として、指示をうまく汲むのも簡単にはいかない。お祭り公演でなければもっと良かったはず。この編成、構成、このようなところでワーグナーを響かせること自体慣れていなかったのかもしれない。ただ、オーギャン自身は場をわきまえた棒であったと思います。各ピースだれることなくきっちりと振りこみ、さらに連続演奏の間奏部分も明確であったと思います。このモヤモヤ感のなかにあって精一杯の棒だったと思います。
私の席は前過ぎて(6列)、正面から当たる場合と通過してしまうときがあり、ちょっと声の響き方に波を感じました。オーケストラにかき消されたところもあったように思います。
とはいえ、この1時間超の演奏、いろいろと場面を思い浮かべらながら聴けば楽しいものでどうしても全曲聴きたくなってしまいます。
この後半プログラムはブリュンヒルデのウエイトが高く、ヨハンソンの流れ。前月もブリュンヒルデ役で申し分ない役どころでした。この日も歌い切り、エネルギーの照射、肌で感じることが出来ました。オニールの出番は少ないものでしたけれど、彼の音楽への集中力は本当に称賛に値しますね。出番でないところでも集中して音楽の流れをつかんでいる。自然な歌唱がスゥッと自然に入ってくる。よかったと思います。
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ドゥダメル&ミラノ・スカラ座のガラコンとは、なにもかも対照的で両方楽しむことが出来ました。ありがとうございました。
おわり


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