河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

1223- シルヴァン・カンブルラン ロジェ・ムラロ ラヴェル ピアノ協奏曲など 読響2011.4.18

2011-04-20 00:34:02 | インポート

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2011年4月18日(月)7:00pm
サントリーホール
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(東日本大震災追悼曲)
メシアン 忘れられた捧げもの より 聖体
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プロコフィエフ ロメオとジュリエット、抜粋
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ラヴェル ピアノ協奏曲
 ピアノ、ロジェ・ムラロ
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ラヴェル 左手のためのピアノ協奏曲
 ピアノ、ロジェ・ムラロ
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(アンコール)
メシアン プレリュード
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ラヴェル ボレロ
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シルヴァン・カンブルラン指揮
読売日本交響楽団
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メータノリントンと同様この日も大震災の追悼に曲が奏された。拍手を控えるようアナウンスがあってその通りになったのですけれど、カンブルランが団員と一緒に舞台まで歩いてきて、演奏後団員と退場。たしかにこのようなやりかたも拍手抑制のためのやりかたかもしれない。沈痛な曲で長調短調どっちに振れるかわからないような曲で、むしろ不安を増幅させるような感じもしたが、感性の違いといったところか。
今日はコンサートの前に3月14日の中止コンサートの払い戻しがありまして、きっちり封をされた封筒に、後で開けてみたらきれいなピン札。ありがとうございます。
それで、今シーズンから席替えをしました。というのもこの前のシーズンまでいつもパンクな若者の頭で視野がさえぎられてしまっていて、かといって若者がクラシック演奏会にくるのもあまりあることではないし、まして他人の頭を注意するのもどうかと思いそのままにしていたのですが、やっぱり視界は広い方がいいということで、席替えの要望を出しましたところ、めでたく受け入れられ、センター通路わきの極上シートを確保することができました。9列目で非常にいい席なのですが、ところがあまり音がよくありません。ボテ系というか、それ系とあとは通過してしまう音。なんだか一番大事なものが抜けていく感じ。いろいろと良し悪しがあるから人生は面白いと言われればそれまでですけれどなんだか割り切れない座席変更となってしまいました。
ということでその席でプロコフィエフ。超フル編成、今まで震災後あまり演奏が出来なかったその心模様を一気に噴き出したような感じだ。
ちょっとふやけて聴こえてくるのは座席のせい?でも今日のホルンはきびしいな。ずれ落ちていく感じ。結果的には全部ラヴェルでよかったと思いますよ。ロメオとジュリエットのシリーズをしないといけないのでこのようなプログラミングなんだろうけれど、カンブルランのもう少しスタイリッシュな面を聴きたかった。スピード感は結構ありプロコのロメジュリとしては突き進む感じがある。ここは賛否があるかもしれない。
今日の何と言っても贅沢なのはラヴェルの二つのコンツェルトを同じ日に聴けるということ。曲の深刻度が作曲経緯から言っても圧倒的に左手の協奏曲の方が上で、音の流れ具合も左手の方がビロードのように敷きつめて流れる感じがあって、さらにその音の流れの方が今日の読響に合っている。前半の両手の方はラヴェルにメンバーが追いついていけてない。アップアップ状態のところもあった。高速で短い刻みの多い両手の方は曲をこなし切れていないと感じる。
ムラロは共感の弾きっぷりで、たとえば両手の方の第2楽章の静けさ、シンプルなもののむずかしさを改めて伝えてくれるし、このようなものはやっぱり邪念を取り払って真っ当に立ち向かってやるしかないんだなと思わせてくれるし、それが成功した時のシンプルなものの説得力がものすごい。
でもやっぱり左手のコンツェルトの方がオーケストラも含めて圧倒的に素晴らしい。もやもやした演奏が多く、それは多分に収録しきれない低音の響きの不明瞭感などもあると思うのだが、ムラロの演奏は非常に鮮明で音を消化しきっている。最後のトロンボーンのグリサンドがフィニッシュした時に思わずフライング拍手。しそうになりました。
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最後のボレロは極みの音楽で個々人の精神集中度を垣間見る、プレイヤー個々の神経細胞を観ているようで、観ようによってはグロテスクかもしれない。静けさも爆発も芸術に違いない。
*写真は、外も中も節電で暗いサントリーホール。
おわり

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